有機化合物 > 環式化合物
主に有機化合物にみられる化合物。
環構成原子の数nを環の員数と呼ぶ。
1,3-ジアゾール、グリオキサリンとも。C3H4N2. 芳香族複素環式化合物の一つ。
1858年にグリオキサールとアンモニアの反応により得られた。
抵ヒスタミン薬、抗真菌薬に使われる。
C12H9N。 ジベンゾピロールとも。 窒素を含む複素環式化合物の一つ。
昇華性がある無色の結晶。
コールタールに含まれる。 コールタールのアントラセン油部から分離、精製される。
染料、プラスチック原料に使われる。
C5H5N4O2. プリン塩基の一つ。2・6-ジヒドロキシプリンとも。
生体ではアデニン、ヒポキサンチンの酸化、グアニンの脱アミノ化により生成される。
キサンチンオキシターゼの作用により尿酸に分解される。
尿結石の原因となることがある。
誘導体
C9H7N. 1-アザナフタレンとも。 ベンゼン環とピリジン環が縮合した構造の複素環式化合物。
スクラウプ合成により合成される。
酸化によりキノリン酸になる。
キノリン染料、医薬品に使われる。
脂肪族環式化合物。 炭素環式化合物のうち、芳香族化合物以外のものの総称。
性質は鎖式の脂肪族化合物に似ている。
カルバゾールを参照。
C3H3NS. 1,3-チアゾール。5員環複素環式化合物の一つ。
無色の液体。ピリジン臭をもつ。水に溶けやすい。
染料、医薬品に用いられる。
無色のベンゼンに似たにおいをもつ液体。
コールタールに含まれる。 工業的にはブタンと硫黄から合成される。
溶媒、染料、プラスチック、医薬品、農薬の原料になる。
C4H8O. THF.
5員環複素環式化合物。フランに4原子の水素をつけた構造。 無色の液体。エーテルに似た臭気をもつ。
空気と長く接触すると爆発性の過酸化物が生成されるため、 市販品には少量のp-クレゾール、ヒドロキノンが添加される。
合成樹脂の溶剤として用いられる。
C7H6O2. ヒドロキシトロポンとも。7員環系芳香族化合物のひとつ。 3つの異性体があるが、通常はαをさす。
7員環だが、芳香族的な性質がある。
1945年にイギリスのデュワーが発見。
C5H4N4O3。 核酸に含まれるプリンの代謝産物。 鳥、陸棲爬虫類(ヘビ、トカゲ等)の窒素代謝の最終産物。 鳥のふんの白い部分は尿酸の結晶。
ヒトの場合は肝臓で合成され、体内には平均約1200mgほど存在する。 約1/3は腸、約2/3は腎臓から排出され、腎臓分は尿を通じて尿素として1日0.6〜1g排泄される。
窒素代謝物(尿素、アンモニア等)の中では最も水溶性が低い。 関節等にたまりやすく、痛風、高尿酸血症、尿路結石の原因になる。
血液中の尿酸値は食事内容に影響される。 肉、海産物、酒(ビール、蒸留酒)の摂取が多いと上がりやすい。
女性ホルモンには尿酸の排泄を促進するはたらきがあるため、 女性は尿酸が溜まりにくい。
激しい運動をすると新陳代謝が活発になるため体内の尿酸が増える。 運動により発生する乳酸も尿酸排出を低下させる。
ヒトを含む霊長類の一部は尿酸代謝酵素ウリカーゼが欠損しているため、 ヒトの血清尿酸値は他の哺乳類(ネズミ等)と比べると高い。 ネズミ等ではアラントインに代謝されて排出する。
尿酸はビタミンCよりも高酸化作用が高く、ヒトの長寿の理由の一つとされている。
C5H4N4O. プリン塩基の一つ。
生体ではアデニン、グアニンの代謝により生成される。
ヒポキサンチンが酸化するとキサンチンとなる。
1,4-ジアジン、パラジアジンとも。C4H4N2. 6員環芳香族複素環式化合物の一つ。
還元するとピペラジンになる。
C5H5N. 6員環複素環式化合物の一つ。危険物4類の一つ。 ベンゼンの炭素原子1個を窒素で置き換えた構造。
特異臭のある無色の液体。有毒。 弱い塩基性がある。
コールタール、石油精製の副産物に含まれる。
溶解能力が大きく多くの有機物を溶かす。 引火性がある。蒸気は低所にたまりやすい。
1・3-ジアジンとも。C4H4N2. ピラジンの異性体。複素環化合物の一つ。
ピリミジンおよびその誘導体はピリミジン塩基と呼ばれる。
ピリミジンおよびその誘導体の総称。
ピリミジン核を基本骨格とする塩基性の物質。 ヌクレオチドを形成する。
抗がん剤、抗エイズ薬にも含まれる。
C4H5N. アゾールとも。 複素環式化合物の一種。
特有な臭いのある無色の液体。
コールタールに少量、骨油中に存在する。
テトラピロールはクロロフィル、ヘモグロビンのポルフィリン環の構成単位になっている。
ヘテロ環式化合物とも。 環式化合物のうち、環に炭素以外の原子(ヘテロ原子)を含むもの。
多くの医薬品は複素環を含む。
C4H4O. 5員環の複素環式化合物。
クロロホルム様の臭気をもつ液体。
複素環式化合物の一つ。C5H4N4.
無色の針状結晶。天然には存在しないが、誘導体は広く分布。
生体に関係の深いプリン誘導体はプリン塩基と呼ばれる。
プリン核をもつアルカロイドはプリンアルカロイドと呼ばれる。
プリン核をもつ塩基性化合物。 一部は核酸を構成するヌクレオチドの構成成分。
生体内ではペントースと結合する。
プリン塩基が含まれる物質
固体。両性化合物で弱い塩基性と酸性をもつ。
βラクタムは抗生物質の作用の中心となる。
工業的にはυ-カプロラクタムが重要。
12員環以上のものはマクロライドと呼ばれる。