腎臓


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腎臓

(じんぞう)

腹腔の背側に一対ずつある器官。 血液の濾過による尿の生成、酸塩基平衡の調整、体液バランスの調節をおこなう。 レニンエリスロポエチン、活性型ビタミンD3等のホルモンの産生もおこなう。

位置は性、年齢、体位により多少異なる。 成人男性では第11胸椎から第3腰椎のあたりに位置する。 成人女性は成人男性より1椎体低い位置になる。小児は更に低くなる。

大きさは長径約10cm、幅約5cm、厚さ約3.5cm、重さは120-130g。 形はソラマメ形。左腎が右腎より大きい。

凹んだ部分(腎門部)から正中側に向けて血管神経が出入りする。 表面は被膜で覆われ、その中に腎実質が収納されている。 腎臓上部には副腎がある。

腎血管にはドパミン受容体があり、作用すると腎血管が拡張、 血流が増して尿が増える。

はたらき

心臓から拍出された血液量の約20%が腎臓を通過する。 血液はろ過され糸球体ろ液(原尿)となる。 原尿は尿細管で有用成分が再吸収される。また尿細管から特定の物質が分泌される。 その後尿となり、尿管を経由して膀胱に送られる。

肉眼的構造

顕微鏡的構造

血管

疾患

英数

(IgAじんえん)

慢性糸球体腎炎。糸球体の炎症により血尿、蛋白尿を認める疾患。 IgAは免疫グロブリンAのこと。 糸球体のメサンギウム領域に異常なIgAが沈着する。

成人では20年で30-40%が透析が必要な状態になる。

異常IgAの産生を抑えるため扁桃を摘出し、 ステロイドパルス療法を併用することが多い。

(きていまく)

糸球体血液をろ過する三層構造の膜の中央部分。 密度の高い線維が存在し、最も中心的な役割を果たす。

(げんにょう)

糸球体濾液。血液糸球体により濾過されたもの。

(しきゅうたい)

マルピギー小体内に存在する組織。血液のろ過をおこなう部分。 毛細血管が球状になっている。

(ろ過膜)

(しゅうごうかん)

ネフロンでできた尿を集める管。 これらが寄せ集まって最終的に腎乳頭に至る。

(じんうじんえん)

腎臓の細菌感染症。腎盂内で細菌が繁殖し腎臓にまで炎症が及ぶ状態。 尿道から侵入した細菌が尿路をさかのぼることにより起こる。

原因菌は多岐にわたるが、多くは大腸菌。

症状は背中、腰の痛み、高熱、膀胱炎様症状など。

治療は抗菌薬によ。

(じんふぜん)

糸球体尿細管、間質からひき起こされる病態。 急性と慢性がある。

腎不全が起こると体液の恒常性が崩れ、 高カリウム血症、アシドーシスとなる。

(ぜんじん)

全ての脊椎動物のにみられる腎臓。 発生上最初にあらわれる。 ヌタウナギ等では腎臓として機能するが、それ以外の動物では退化する。

(なっとくらっかーしょうこうぐん)

左腎静脈捕捉症候群とも。 左の腎臓から心臓に戻る血管(左腎静脈)が 腹部大動脈と上腸間膜動脈の間に挟まれることにより腎臓で血液がうっ滞、血尿、腰痛を引き起こす病気。

若く痩せた女性に多い。症状は血尿、脇腹や背中の痛み、貧血、腰痛等。

肥満が進むと血管の角度が変わって症状が軽減することがある。

(にょう)

老廃物が含まれる液体腎臓でつくられる。

一日に1-2L排出される。色は通常麦わら色。 排尿回数は成人で1日4〜5回。

90%以上は水分。 その他尿素アンモニア尿酸クレアチニン等が含まれる。

(にょうさいかん)

ボウマン嚢から送られてきた原尿からの物質の再吸収、尿への物質の分泌をおこなう部位。 処理された尿は集合管に注がれる。

近位尿細管

ヘンレの係蹄(ヘンレのループ)

遠位尿細管

(ねふろん)

腎単位。腎臓の機能上、構造上の単位。 片側の腎臓にはネフロンが約100万個存在する。

1つのネフロンの構成

(ばていじん)

先天異常のひとつ。 両側の腎臓が下部でつながり、馬蹄形をしたもの。

水腎症、結石をおこしやすいが、多くは無症状。 症状がない場合は処置不要の場合もある。

症状がある場合は分離等の手術が行われる。

(ぼうまんのう)

ネフロンを構成する組織で糸球体を包みこんでいる。 ろ過された原尿が通過し、ボウマン腔を経て尿細管に送られる。


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