プラスチック


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化学 高分子化合物 > プラスチック

プラスチック

(ぷらすちっく)

plastic. 可塑性物質。天然樹脂と合成樹脂があるが、通常は合成樹脂の事をさす。

ほとんどは原油を原料としてつくられる。 気体または液体の単量体(モノマー)を触媒等により化学反応を繰り返し、結合させてつくる(重合)。

炭素を軸とした鎖状のひものような形状。

熱可塑性樹脂はを加えるとやわらかくなり冷やすと固まる。 熱硬化性樹脂は一旦硬化すると再度熱を加えてもやわらかくならない。

熱可塑性

PE ポリエチレン
EVACEVA樹脂
PP ポリプロピレン
PVCポリ塩化ビニル(塩化ビニル樹脂)
PS ポリスチレン
PS 発泡ポリスチレン
SANAS樹脂
ABSABS樹脂
PETポリエチレンテレフタレート

エンジニアリングプラスチック

PC ポリカーボネート
PA ポリアミド(ナイロン) 繊維
POMアセタール樹脂(ポリアセタール)
PBTポリブチレンテレフタレート
PTFEフッ素樹脂

熱硬化性

PF フェノール樹脂
MF メラミン樹脂
UF ユリア樹脂
PURポリウレタン 繊維
EP エポキシ樹脂
UP 不飽和ポリエステル樹脂

フッ素樹脂
シリコン
ポリ酢酸ビニル(酢酸ビニル樹脂)
熱可塑性ポリウレタン(ウレタンエラストマー)
セルロースプラスチック(セルロース樹脂)
PVAポリビニルアルコール
PLA

2015年のプラスチック生産量は約4億トン。 うち約1.5億トンが包装用。

英数

アクリルニトリルブタジエンスチレンを重合したもの。 色は乳白色で半透明。吸湿性があるため予備乾燥が必要。

直射日光にあまり耐性がなく、長時間当たると劣化する。

ビスフェノールAを参照。

Ethylene-Vinyl Acetate. エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂の略称。

熱可塑性樹脂。 ポリエチレンと比べると透明性、柔軟性、弾力性が高い。

エチレン・ビニルアルコール共重合体。 1972年に日本で開発、工業化された樹脂。 酸素バリア性が高く、食品用チューブ、自動車燃料タンクのガスバリア層に用いられる。

fiber Reinforced Plastics. 繊維強化プラスチック。 ガラス繊維等を用いて強化されている。

P

ポリブチレンテレフタレート。 エステルを含む結晶性ポリマー。

原料はテレフタル酸(TPA)またはジメチルテレフタレート(DMT)と1,4-ジブチレングリコール。

電気、電子産業で絶縁体として多く使用される。

ポリエチレンテレフタレートを参照。

Poly-Lactic Acid. ポリ乳酸。

植物由来のプラスチック素材。乳酸の重合によりつくられる。 生分解性プラスチック。

耐熱性が低く60度程度。結晶化させた場合は100-120度。

アクリル樹脂を参照。

ポリアセタール。ポリオキシメチレンとも。 結晶性ポリマー、主鎖にCH2O(オキシメチレン)を含む。

機械特性、成形性に優れる。

ポリプロピレンを参照。

ポリスチレンを参照。

Polytetrafluoroethylene. ポリテトラフルオロエチレン。

フッ素樹脂の一種。白色の結晶性樹脂、熱可塑性プラスチックの一種。

ポリ塩化ビニルを参照。

S

リサイクル可能なプラスチックについているコード。 材料識別に用いられる。アメリカのプラスチック工業協会(SPI)が開発。

1PET ポリエチレンテレフタレート
2HDPE 高密度ポリエチレン
3PVC(V)ポリ塩化ビニル
4LDPE 低密度ポリエチレン
5PP ポリプロピレン
6PS ポリスチレン
7OTHER その他

(あくりるじゅし)

PMMA. Poly Methyl Methacrylate.

アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの重合体。 高い透明性と耐衝撃性を持つ樹脂。 光線透過率はガラスよりも高い。また屋外でも劣化が起こりにくい。

1934年に工業化。初期は有機ガラス、風防ガラスとも呼ばれ、軍事用に利用された。

ポリメタクリル酸エステル
ポリアクリル酸エステル
ポリアクリル酸ナトリウム
ポリアクリロニトリル

(いおんこうかんじゅし)

イオン交換が可能な合成樹脂。

1935年にイギリスのアダムズとホームズが発見、 1939年にドイツのイーゲー・ファルベン社が工業化。

1944年にアメリカのダレリオが現在の構造の樹脂を発明した。

(えんかびにる)

CH2=CHCl. 常温では気体。触媒によって重合しポリ塩化ビニルになる。 工業的にはエチレン水素からジクロロエタンを合成し、 これを熱分解して製造する。

通常塩ビというと塩化ビニルではなくポリ塩化ビニルをさす。

(えんび)

ポリ塩化ビニルの通称。

(えぽきしじゅし)

分子内にエポキシ基を有する化合物。 接着剤、塗料に使われる。

接着剤は主剤にエポキシ樹脂、硬化剤にポリアミド樹脂、 ポリチオール樹脂等が用いられる。

一液性 本剤に硬化剤が含まれており、加熱により硬化する。

二液性 本剤と硬化剤を混合すると硬化する。

塗料は常温硬化型、加熱硬化型がある。

変性エポキシ樹脂塗料。 変性樹脂を加えたり、樹脂骨格を変えたりしたもの。

(えんじにありんぐぷらすちっく)

エンプラ。 耐熱性、強度、曲げ弾性率が高いプラスチックのこと。 熱可塑性樹脂に分類される。

耐熱性100度以上、強度50MPa以上、曲げ弾性率2.4GPa以上。

汎用プラスチックの主鎖は炭素のみだが、 エンプラは炭素以外の原子を含む。

汎用エンプラ

スーパーエンプラ

(かそざい)

硬い樹脂を軟化させ、加工性をよくするための材料。

ポリ塩化ビニルポリスチレンアセチルセルロースニトロセルロースでよく使われる。 ポリ塩化ビニルではフタル酸エステル(特にフタル酸ジエチルヘキシル、DEHP)が最も多く使われる。

樹脂に完全に固定されているわけではなく樹脂中で自由に動き回っている。 そのため他の樹脂と接触すると、可塑剤が移ることがある。

(かきょうぽりえちれん)

ポリエチレン分子間に架橋(橋かけ)をおこなって網状の分子構造にしたもの。 ポリエチレンより耐熱性が高い。 架橋方法は3種類あり、ケーブル用は(3)が一般的。

(ごうせいじゅし)

合成高分子化合物のうち、繊維ゴムを除いたものの総称。

樹脂とは材質は異なる。

(じゅし)

本来はマツやモミの幹に含まれる粘着性の液体(やに)のことをさす。 現在は主に合成高分子物質(プラスチック)のことをさす。

(すちれん)

C6H5-CH=CH2。

スチロール。特有の臭いのある無色の液体。 エチルベンゼンを脱水素してつくられる。

触媒により容易に重合する。 ポリスチレン、合成ゴムABS樹脂の原料。

(すちろーる)

スチレンを参照。

(せるろいど)

ニトロセルロース樟脳を加えてつくるプラスチックの一種。 1869年にアメリカのハイアット兄弟が発明、1873年に商標登録。 に弱く、時間が経つと色あせて劣化しやすい。 可燃性があるため現在はほとんど使われていない。

(そふび)

ポリ塩化ビニル可塑剤を金型に入れ加熱して得られる成形品。 または軟質ポリ塩化ビニルのこと。

子供向けの人形(ソフビ人形)の材料として使われる。

時間が経つと可塑剤が気化し、べたつきの原因となる。

(てふろん)

デュポン社のフッ素樹脂の商品名。 PTFEがフッ素樹脂需要の60-70%を占める。

(にょうそじゅし)

ユリア樹脂を参照。

(びすふぇのーるA)

BPA. プラスチックの原料。 ポリカーボネートエポキシ樹脂に含まれる。 エストロゲンに似た作用があり、内分泌系への影響が示唆されている。

一部の食品容器はBPAフリーをうたつている。

(びにる)

化学的にはビニル基を持つ高分子化合物、繊維の総称。 塩ビ(ポリ塩化ビニル、PVC)のことをさすことが多い。

一般的には軟質プラスチックのことをビニルと呼ぶことが多いが、 実際はポリエチレンポリプロピレン製の場合がほとんど。

(ふぇのーるじゅし)

フェノールホルムアルデヒドを材料とする合成樹脂。 ベークライトは商標名。

触媒によりノボラック型、レゾール型に分かれる。

(ふっそじゅし)

フッ素原子を含むプラスチックの総称。 原子爆弾用のウラン235の濃縮行程で開発された。 その後デュポン社が製品化。耐薬品性が高く、広い温度範囲に耐える。

融点が高く、溶融粘度も高いため成形が困難。

(べーくらいと)

アメリカのベークランドが1907年に発明した フェノール樹脂の商標。 硬質プラスチック。世界初の合成樹脂。

(ぽりえちれん)

PE. エチレンの重合体。 安価で製造でき、プラスチックの中で最も生産量が多い。 炭素水素だけが結びついた構造で、プラスチックでは最も簡単な構造。

1933年にイギリス ICI社でフェニルエチルケトン高圧合成中に偶然生成された。 分析の結果新しい物質であることがわかった。

1934年に公表されたが当時はナイロン、ポリスチレンが注目されていた。 また生成が難しいという難点があった。

1939年に工業用プラントが稼動開始、高周波絶縁性を利用しレーダーに使われた。

日本では1958-1959年に生産開始。 電気絶縁性、耐薬品性に優れる。 密度が小さく水に浮く。

袋、容器、電気絶縁体等に使われる。

高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)
直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)
中低圧法高密度ポリエチレン(HDPE)
EVA

高圧法LDPE
密度0.92-0.93。透明性のある乳白色。 やわらかめ。 袋、ラップ、食品チューブ(ケチャップ等)、電線絶縁材に使われる。 1000-4000気圧の超高圧設備が必要なため費用がかかるが原料が安価なため生産量が多い。

L-LDPE
HDPE設備で生産可能。LDPEに似た性質をもつ。 製造には子モノマーが必要だがLDPEより設備費が小さく済む。

中低圧HDPE
密度0.95-0.97。硬め。色は白色で透明性はない。 包装フィルム、袋、レジ袋、食品容器、シャンプーリンス容器に使われる。

低圧法は1950年代にドイツで発明、中圧法はアメリカで発明。 どちらの方法でも類似の性質を持つHDPEが得られる。

(ぽりえちれんてれふたれーと)

Poly Ethylene Terephthalate(PET).

PE、PPと構造が異なる。 テレフタル酸とエチレングリコールの重縮合体。結晶性ポリマー。 結晶化部分は熱に強く強度もある。非結晶部分は弱い。

PETボトルのネジの白い部分はPETを結晶化したもの。 加熱時の強度低下が減る。

(ぽりえんかびにりでん)

PVDC. 家庭用ラップ、食品保存の包装材料等に使われる素材。 ポリ塩化ビニルとは異なる。

成分は約70%は塩化ナトリウム、約30%は石油由来。 一般的なプラスチックと比べると酸素分を透過しにくい。

1933年にアメリカ ダウケミカル社のラルフ・ウイリーが開発。 1940年頃に繊維として生産が開始された。

(ぽりえんかびにる)

PVC.塩ビ。 塩化ビニルの付加重合によりつくられる。

ポリエチレンの水素のかわりに一つおきに塩化ナトリウムから得られる 塩素がつく。

密度は1.16〜1.51で水に沈む。 耐酸、アルカリ性が強い。接着、印刷がしやすい。

添加剤を加えることにより硬質と軟質の二種類が製造できる。 熱や光に比較的おかされやすいため安定剤が加えられる。 軟質は可塑剤の量によりやわらかさを変えることができる。

電線管、硬質板等に使われる。

(ぽりかーぼねーと)

PC. 西ドイツのバイエル社が 1958年にフィルム、1959年に成型材料として市販開始。

ホスゲンビスフェノールAで構成。

プラスチック素材の中では高い衝撃性をもつ。 耐熱性が優れている。難燃性。 透明度はアクリルには劣るが、比較的高い。

耐候性も高いが長時間の曝露により退色することがある。

(ぽりすちれん)

PS. スチロール樹脂。スチレン重合体。 水素のかわりに一つおきにベンゼン環がつく。

無色透明の熱可塑性樹脂。絶縁性、耐薬品性が高い。

密度は1.03〜1.06で水に沈む。 発泡剤による発泡性能が高い。

に弱く、耐衝撃性が低い。 可燃性で燃焼するとすすが発生する。

食品容器、電気絶縁材、断熱材(泡状のもの)、 CDケースに用いられる。

ブタジエンと共重合したものは合成ゴムに使われる。

発泡ポリスチレンは発泡させたもの。 軽く剛性があり、断熱保温性がある。 食品トレー、カップ麺容器に使われる。

(ぽりびにるあるこーる)

PVA. ポバール。

ポリ酢酸ビニルを酸かアルカリで加水分解すると得られる重合体。 水溶性、熱可塑性。

ビニロン原料、接着剤、薬剤に使われる。

(ぽりぷろぴれん)

Polyepropylene(PP). ポリエチレンに似ているが、硬質で引っ張り強さがある。 ポリエチレンの水素のかわりに一つおきにメチル(-CH3)がつく。 色はやや白濁。

比重は0.9〜0.92でプラスチックの中では最も軽い。 軽さのわりに強度が高く、箱等にしてもたわみが小さくすむ。 100度近くのでも強度はほとんど変わらない。

一方向に強く引っ張るとその方向に強度の強いものが得られる。 プラスチックで唯一ヒンジ(蝶番)特性に優れる。

電気絶縁性、耐薬品性が高い。

(ゆりあじゅし)

UF.尿素樹脂。 尿素ホルムアルデヒドが原料の熱硬化性樹脂。 比較的安価。無色透明で難燃性。電気的性能に優れる。

耐衝撃性、耐薬品性は劣る。 熱水に当たると加水分解を起こす。

約90%は接着剤として用いられる。

(れじん)

英語で樹脂のこと。

エポキシレジン(エポキシ樹脂)
2液(主剤と硬化剤)を混ぜて硬化させるレジン。 硬化時間は約24時間。

UVレジン
紫外線が当たると硬化開始するレジン。 UV照射ランプか太陽光を用いる。 硬化はUVランプの場合約10分。


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