芳香族化合物


index skip allword source recent(rd) (no rd)
dicfile-mtime:2024/12/28(Sat) 14:36:04
dicfile-size:5187byte


有機化合物 > 芳香族化合物

芳香族化合物

(ほうこうぞくかごうぶつ)

主にベンゼン環を含む化合物の総称。 発見当初は芳香性をもつ化合物が多かったためこの名がついたが、必ず芳香性があるわけではない。 一部ベンゼン環を含まないものもある(非ベンゼン系)。

芳香族炭化水素

芳香族カルボン酸

(あにりん)

C6H5NH2. アミノベンゼンとも。 無色の油状液体。特有の臭いがある。有毒。 空気に触れると褐色になる。

合成染料(藍色)、有機化合物の原料として使われる。

(あんとらせん)

C14H10.青色の蛍光を持つ無色針状結晶。コールタールから発見された。 に溶けないが有機溶媒には溶ける。紫外線を受けるとジアントラセンとなる。

(かてこーる)

C6H6O2.

ベンゼンの隣りあう二つの水素が水酸に置換した化合物。 タンニン、リグニンを分解して得られる。

昇華性のある無色の結晶。

生体内での芳香族化合物の酸化分解の中間体 カテコール酸化酵素によりさらに酸化されて,最終的にはシス-シス-ムコン酸になる。

アンモニア性硝酸やフェーリング液を還元する。 酸化銀により酸化され、o-ベンゾキノンになる。

多くの金属とキレート錯体をつくる。

(きしれん)

C6H4(CH3)2. キシロールジメチルベンゼンザイレンとも。

芳香族炭化水素の一つ。 ベンゼン水素2つをメチルで置き換えたもの。 オルト(o)、メタ(m)、パラ(p)の異性体がある。

無色透明の油状液体、有毒。 石油の改質油から抽出される。

フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸の原料。

(くろろべんぜん)

C6H5Cl. ベンゼン水素1原子を塩素原子で置き換えた化合物。 液体。有機溶媒に可溶。

アニリンフェノール等の合成原料となる。 染料中間体の原料としても使用される。

(とるえん)

C6H5CH3。 常温では液体。ベンゼン環にメチル基-CH3が1個ついたもの。 有機溶剤として使われる。 側鎖があるためベンゼンより毒性が低く1割ほどとされる。

(なふたれん)

C10H8。ベンゼン環を2つもつ化合物。 うろこ状の結晶で特有の臭気をもつ。 コールタールより分離精製される。

染料に用いられる。昇華性が高いため防虫剤にも用いられる。 酸化するとフタル酸になる。

一置換体は2種類の異性体がある。

(にとろべんぜん)

C6H5NO2. ニトロベンゾール。 淡黄色または暗黄色、芳香ある液体。 ベンゼン環にニトロが一つ入ったもの。爆発性はない。

(びふぇにーる)

C12H10. ジフェニルとも。 二つのフェニルが直接に炭素-炭素結合したもの。

2個のベンゼン環は結晶中では同一平面上にある。 液相および気相では互いに約45度ねじれている。

芳香をもつ無色の結晶。

コールタール中に少量含まれる。 ヨードベンゼンと銅粉の加熱により得られる。。

伝熱媒体、染料、医薬品に用いられる。

(べんぜん)

C6H6。 ベンゾールとも。無色透明で特臭ある液体。

1825年にM.ファラデーが石炭ガス中から発見。 現在は石油から生産される。

には溶けないが多くの有機溶剤によく溶け、また多くの有機物をよく溶かす。 揮発性で毒性が強く、蒸気を吸入すると中毒症状が出る。

二置換体には3種の異性体がある。

多くの有機薬品の合成原料。 ベンゼン環をもつ化合物は芳香族化合物と呼ばれる。 ベンゼン環は芳香族炭化水素の基本骨格。

(べんぜんかん)

ベンゼン核、6個の炭素原子でできている六角形の環。 発見者はドイツの化学者ケクレ。

構造式では単結合と二重結合が交互に書かれるが、実際は全てが同等の結合で 単結合と二重結合の中間の結合をしている。

不飽和結合をもつが非常に安定しており、ベンゼン環自体は変化しにくい。 このため付加反応は起こりにくく、置換反応が起こりやすい。 またベンゼン環は安定だが側鎖は反応性が高い。

炭素原子の4つの価電子のうち3つは共有結合に使われる。 もう1つは第4の価電子どうしで両側に同等の共有結合をつくる。 これにより単結合と二重結合の中間結合がつくられる。 この価電子はベンゼン環内を自由に動き回ることができる。

(べんぞぴれん)

C20H12.ベンツピレンとも。

芳香族炭化水素の一つ。ベンゼン環が5個つながった構造。 水には溶けない。2種の異性体がある。

淡黄色の結晶。

コールタールに含まれる。

強力な発がん物質。ベンゾピレンは発がん性がないが、 酸化して9,10-エポキシドになると発がん性を有するようになる。

(ほうこうぞくたんかすいそ)

ベンゼン環をもつ炭化水素。 芳香をもつものが多いためこの名があった。 現在はベンゼン環にみられる安定な性質のことを芳香族性と表現する。 分子中の炭素の含有率が大きいため空気中では不完全燃焼して多量のすすを出す。


Generated by ldiary3.00beta t2h3_method 2008/09/28
Powerd by Ruby Ver 1.8.1