がん


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がん

(がん)

cancer. ひらがなの「がん」は非上皮性悪性腫瘍を含む全悪性腫瘍のこと。 白血病、悪性リンパ腫、肉腫等を含む。 漢字の「癌」は上皮性悪性腫瘍(正確には癌腫)のこと。

癌細胞の増殖はDNAの異常による。 関与するのは癌遺伝子癌抑制遺伝子

転移浸潤が特徴。

良性腫瘍との違い。 良性腫瘍も自律性増殖をおこなうが、悪性に比べるとスピードは遅い。

癌を発生させる因子

口腔がん
咽頭がん
食道がん
胃がん
大腸がん
肝臓がん
胆嚢がん
胆管がん
膵臓がん
肺がん
子宮頸がん
卵巣がん
膀胱がん
甲状腺がん

悪性リンパ腫
白血病
骨肉腫

ホルモン依存性癌
乳がん
子宮内膜がん
前立腺がん

英数

Gastrointestinal stromal tumor. 消化管間質腫瘍。

や小等の消化管の壁にできる腫瘍、肉腫。 消化管壁の筋肉層にあるカハール介在細胞が異常に増殖して腫瘍になったもの。 がんとは性質が異なる。

腫瘍細胞の細胞膜にあるKITまたはPDGFRαというタンパク質の異常が原因。 この細胞は刺激をうけたときのみ増殖するが、異常が起こると常に増殖する。

(あくせいしゅよう)

悪性の腫瘍

上皮細胞由来の悪性腫瘍は癌腫と呼ばれる。

間葉系細胞由来の悪性腫瘍は肉腫と呼ばれる。

(あくせいりんぱしゅ)

リンパ球が腫瘍性に増殖した病変。 リンパ腫は常に悪性で良性は存在しない。

欧米では割合は半々。 日本では非ホジキンリンパ腫が多く90%以上。

症状はリンパ節の腫れ、圧迫感、全身症状等。

ホジキンリンパ腫
リンパ節由来の悪性腫瘍。頚部、縦隔のリンパ節に原発、 その後連続的に進展する。男性に多くみられる。 EBウイルスが関与する。

腫瘍細胞は大型異型細胞。

非ホジキンリンパ腫
リンパ系細胞またはリンパ組織に由来する悪性腫瘍。 いずれの部位にも生じ、非連続的に進展する。 多くはB細胞由来、T細胞由来のものは約20%。

骨髄がおかされると白血化し二次的なリンパ性白血病となる。

血液のがんの一種。リンパ球ががん化する。 通常リンパ腫というと悪性リンパ腫をさす。 高齢者の発症が多い。

脳リンパ腫
にできるリンパ腫。 脳にリンパ組織は存在しないのに腫瘍ができる原因はわかっていない。

(いがん)

に発生する癌。50歳以上に多く発生。 5年生存率は約50%。大半は腺癌。

かなり進行するまで無症状のことが多い。 早期胃癌は手術により95%以上が完治する。

隣接臓器や腹膜へ広がりやすく早期にリンパ節や肝臓に転移する。

原因として強く示唆されているのはピロリ菌、ニトロソアミン等。

進行胃癌の分類(ボールマン分類)。 1→4の順に予後が悪くなる。 4型はスキルス癌、硬癌と呼ばれ、大部分が死亡する。

1型腫瘤型
2型潰瘍限局型
3型潰瘍浸潤型
4型びまん浸潤型

(いんけいがん)

陰茎に発生するがん。 多くはヒトパピローマウイルス(16か18型)の感染が原因となる扁平上皮癌。 初期は放射線療法、進行例は陰茎切断、鼠径リンパ節郭清がおこなわれる。

(いんとうがん)

咽頭のがん。

原因は喫煙、飲酒等。

上咽頭がんはEBウイルス、 中咽頭がんはHPVウイルスの関与が疑われている。

(ういるむすしゅよう)

腎芽腫。子どもの腎臓にできる悪性腫瘍(がん)。

転移することがあり、特に転移が多い。

治療は腎臓の一部または全てを切除する。 比較的治癒しやすい。

(がん)

上皮性悪性腫瘍(正確には癌腫)のこと。

(がんいでんし)

活性化により細胞増殖をオンする遺伝子。

(がんしゅ)

上皮性悪性腫瘍。上皮細胞由来の悪性腫瘍のこと。

(かんぞうがん)

肝細胞癌、胆管細胞癌、転移性肝臓癌に分かれる。 約90%が肝細胞癌。

肝細胞癌
多くの原因は肝炎ウイルス。特にC型肝炎から肝硬変を経て発症することが多い。 早期癌と進行癌がある。 腫瘤が増大すると肝不全に移行する。

腫瘍マーカー

(がんよくせいいでんし)

細胞増殖を抑制し、アポトーシスを誘導して癌発生を抑える遺伝子。 これが壊れると細胞が癌化する。

(こうくうがん)

口腔にできるがんの総称。

(こうじょうせんがん)

甲状腺に発生する癌。女性に多い。 大部分は予後の良い乳頭癌。

乳頭癌
濾胞癌
髄様癌
未分化癌

乳頭癌は幼若時の頭頚部への放射線曝露が危険因子としてあげられている。 予後はよく、リンパ節、に転移していても長期生存が可能。

(こつにくしゅ)

中学生、高校生のに発生するがん。 ももの骨(特にひざ近く)に多く発生する。

(しきゅうきんしゅ)

子宮に発生する良性腫瘍。エストロゲンの作用により大きくなる。 複数個できることが多い。

貧血、痛みの原因となる。不妊症の原因になることもある。

30代女性の30-40%でみられる。

女性ホルモンの影響を受けると大きくなり、分泌量が減ると小さくなる。

症状は下腹部痛、貧血等。 月経量が増え生理痛が強くなるほか、貧血になりやすくなる。 筋腫が大きくなると痛みや不正出血が生じる。

症状がある場合は治療が必要。 筋腫摘出、子宮全摘出、薬物療法等。

(しきゅうけいがん)

子宮頚部に発生する。HPVウイルス(16型、18型)感染が関与している。 子宮がんの60%を占める。 多くは扁平上皮癌。好発生年齢は40-50歳。

HPVウイルスは性交渉により感染する。 性交渉の経験がない場合発症リスクはきわめて低い。

放射線療法が有効。

ワクチンで予防できるとされたが、 重篤な副作用が多く問題となっている。

(しきゅうないまくがん)

子宮体がんとも。 全子宮癌の4割を占める。

閉経前の女性にはほとんどみられない。経産婦より未産婦に多い。 乳癌治療に使われるタモキシフェン(抗エストロゲン剤)を内服するとリスクが増大する。

予後は良好。 卵巣に類内膜腺癌を認めることがある。

発症には女性ホルモンのエストロゲンが関わる。 性交渉の経験がなくとも発症する。

プロゲステロンとエストロゲンのうち、エストロゲンだけが過剰に分泌すると子宮内膜が増殖し、 子宮内膜がんに進展することがある。

治療は基本的には手術で子宮と卵巣卵管を切除する。 条件によっては卵巣、子宮は温存可能。

(しゅよう)

異常な増殖性細胞から構成される病変。 統計学用語では新生物と呼ばれる。

良性と悪性に分かれる。

良性腫瘍

どちらでもない腫瘍

(しゅようまーかー)

血液中に上昇する抗原性物質のうち、特定の腫瘍に特異的に あらわれる物質のこと。

癌胎児性抗原(CEA)
α-胎児性タンパク(AFP)
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)
CA19-9
CA15-3
CA125
免疫グロブリン(Mタンパク)
神経細胞特異エノラーゼ(NSE)
ホルモン(カルシトニン、ガストリン放出ペプチド)
サイログロブリン
前立腺特異抗原(PSA)

(しょくどうがん)

食道に発生するがん。50-70代の男性に多く、女性の4-6倍多い。平均年齢は65歳。 進行が早いのが特徴。 また食道は身体の奥深くにあるため手術が難しく、手術不能のものが多い。 症状はほとんどないが、食事の際につかえる感じがある場合がある。

アルコール飲料、煙草の量が多い人に多く発生する。

(しんじゅん)

悪性腫瘍細胞による周囲組織への進展、侵入のこと。 リンパ管、血管へと進展し腫瘍塞栓を形成する。 塞栓は血流にのって遠隔部位に運ばれる(血行性転移)。

(すいぞうがん)

膵臓の癌。全身の癌で最も予後が悪い。

60歳以上の男性に多い。切除後の5年生存率は約10%。 通常は1年以内に死亡する。 大部分は腺管上皮由来の腺癌。

糖尿病、肥満、飲酒、喫煙は発生リスクを高める。

がんが発生しても症状はわかりにくい。 食欲不振、腹痛、腰や背中の痛み等により発見される。

(せんちねるりんぱせつ)

癌の所属リンパ節のうちリング流にのった癌細胞が 最初にたどりつくリンパ節のこと。

(ぜんりつせんがん)

前立腺に発生するがん。 日本では少ないがんだったが、近年は増加しており、60歳以上の高齢者に多い。 アメリカでは男性がん発生率第1位。

大部分は外腺から発生する。 腫瘍細胞は前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)と 前立腺特異抗原(PSA)を産生、分泌する。

前立腺がんになると血中のPSAが上昇するため腫瘍マーカーとして用いられる。 ただし射精後にも上昇する。

進行度によりステージA,B,C,Dに分かれる。 A,Bは前立腺を切除する。ステージC以降は進行がんのため完治しにくく、 両側の睾丸切除、女性ホルモン、抗男性ホルモン剤の投与を行う。

女性ホルモン投与で抑制、男性ホルモン投与で増殖する。 テストステロンに依存して増殖するためホルモン療法が有効。

転移するとPSAが骨のサイトカインを活性化し、 破骨細胞を減少させるため、骨の過形成が起こる。

(だいちょうがん)

大腸に発生する癌。 直腸癌と結腸癌に分かれる。 大部分が腺癌。早期癌と進行癌があり、0〜4までで分類される。

脂肪消化の際に発生する物質内に発ガン物質があると考えられており、 脂肪摂取が増えるとがんになる確率が高くなる。

直腸とS状結腸にできやすく、直腸は50%、S状結腸は20%。

腺癌、扁平上皮癌、腺扁平上皮癌があるが、大部分が腺癌。 うち80-90%は高-中分化型腺癌。

(てんい)

遠隔部位への腫瘍細胞の定着のこと。

消化器系の腫瘍は門脈を通して肝臓に転移しやすい。

(にくしゅ)

間葉系細胞(間質、結合組織)由来の悪性腫瘍のこと。

(にゅうがん)

女性の悪性腫瘍。30-40代女性病死の原因としては最も高いもの。 外側上半分に発生しやすい。多くは「しこり」として発見される。

脇窩リンパ節、肝臓への転移がみられる。 大部分は腺癌。

エストロゲンプロゲステロンに依存して増殖するため ホルモン療法が有効。

(はいがん)

に発生する癌。 50歳以上で多く見られる。男性は1位、女性は2位。 死亡率は90%近くに及ぶ。

腺癌、扁平上皮癌、小細胞癌、大細胞癌に分かれる。 タバコと因果関係があるのは扁平上皮癌と小細胞癌。 肺門部に好発する。

発生率好発部位進行・転移
腺癌 45% 末梢部中程度
扁平上皮癌35% 肺門部最も遅い
小細胞癌 15% 肺門部最も早い
大細胞癌 5% 末梢部早い

治療
小細胞癌は化学療法で治療する。それ以外は手術による。

ステージは3つの要素で決められる。

(ぱじぇっとびょう)

上皮にパジェット細胞と呼ばれる腺癌細胞があらわれる疾患。 通常は乳房パジェット病をさす。

非浸潤癌だが、放置するとまれに浸潤癌に移行する場合がある

(はっけつびょう)

リンパ系または造血系細胞を起源とする悪性腫瘍。 造血細胞の腫瘍化により起こる。 骨髄白血球細胞が増殖し、正常造血細胞の分化、増殖が妨げられる。

急性リンパ性
小児悪性腫瘍で最も多い。治療の反応が高く治癒率は高い。

急性骨髄性
成人に多い。急性リンパ性と比べると予後が悪くしばしば再発する。

慢性リンパ性
60歳以上の男性に多い。日本では少ない。 B細胞に由来する。 九州に多い成人T細胞白血病(ATL)はこの疾患の亜型。 白血球が多いと予後不良。

慢性骨髄性
35-50歳がピーク。患者の多くは22番染色体と9番染色体の長腕の 一部同士が相互に転座して形成される異常な染色体(フィラデルフィア(Ph1)染色体)を持つ。 経過中に急性白血病に転化すると予後不良となる。

(へんぺいじょうひがん)

扁平上皮細胞(ケラチノサイト)に由来するがん。 皮膚が赤くなり、うろこ状にかさついて硬くなる。 転移は少なく、ほとんどは切除で治癒する。 過剰に日光にさらされた場合に多く発生する。

前癌病変は日光角化症と呼ばれる。 浸潤を欠く表皮内の扁平上皮がんはボーエン病と呼ばれる。

(ぼうこうがん)

50歳以上の男性に多い癌。膀胱に発生。 喫煙、アニリン色素が危険因子として指摘されている。血尿を呈する。

多くは移行上皮癌。 予後は良好だが進行期の癌は肝臓に転移する。

(ぽじとろんCT)

ポジトロン(陽電子)を放出するアイソトープで 標識された薬剤を注射し、特殊なカメラで体内分布を映像化する診断法。

グルコースを標識した薬剤(FDG)が使われる。 がん細胞はグルコースを多くとりこむ性質がある。

(ぽりーぷ)

粘膜における隆起性病変全般のこと。 潰瘍と対比される。良性、悪性がある。

腸管ポリープは消化管粘膜における隆起性病変全般のこと。 多くは良性だが一部は悪性。 分類には山田分類が用いられる。

大腸ポリープ

にできるポリープ。8割は腺腫とされる。 ある程度の大きさの大腸ポリープは内視鏡で治療される。

発生の原因は遺伝子異常と考えられている。

小さい場合は症状はない。大きくなると腹の張り、便が出にくくなる等の症状が出る。

(まんもぐらふぃー)

乳がん診断のための低圧X線検査のこと。 マンモは乳腺の意味。 乳房を上下左右4枚の板ではさみ、平らにして撮影する。 乳がんに多い石灰化が写る。

欧米の女性は乳房が大きいため超音波よりもマンモグラフィーが多用される。 また若い女性のしこりはマンモグラフィーでは発見しにくい。

このため日本では超音波とマンモグラフィーが併用される。

(めらのーま)

悪性黒色腫。 メラノサイト由来の悪性度が高い悪性腫瘍。 早期からリンパ性、血行性転移がみられる。 腫瘍細胞はメラニンを産生するため腫瘍細胞は黒色になる。

浸潤深さにはクラークのレベル分類(IからVまで)がある。

(らんそうがん)

卵巣に発生するがん。 90%は上皮性。

自覚症状が乏しいため発見が遅れやすく死亡率が高い。

治療は手術、化学療法。

(らんそうのうしゅ)

卵巣にできる腫瘍

漿液性
上皮から発生する。10-30代に多い。 通常は単胞性。多胞性のものは悪性に変化することがある。

粘液性
内部に粘液がたまる嚢腫。大きくなりやすい。

皮様
中に髪、歯、骨、皮膚、脂肪等が含まれる。 受精していない卵子が勝手に分裂をはじめ、人体のいろいろな部分が中途半端にできると考えられている。

(りょうせいしゅよう)

腫瘍の一種。 自律性増殖をおこなうが、悪性に比べるとスピードは遅い。 発生部位によっては重篤になる場合がある。

(りんぱしゅ)

悪性リンパ腫を参照。


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