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呼吸器 >

(はい)

外気から酸素を取り入れ二酸化炭素を排出する器官。 呼吸に関与する。

円錐形の器官で左右の胸に一つずつある。 左側に心臓があるため、左肺は右肺よりやや小さい。

重量は血液の量で変わり、片方で200-400g。 色は淡いピンク色だが、外気の粉塵の吸入が多いと黒くなる。

肺に筋肉はなく、胸郭の圧の増減により動く。 胸腔の容積が大きくなると内圧が低くなり外気が呼び込まれる。

ヒトの場合、調節は延髄の呼吸中枢が行う。

肺は胸膜に包まれる。

栄養血管は気管支動脈、静脈。

呼吸数は正常成人で1分間に15-20回。 子供は肺胞の数が少ないため呼吸の回数が多い。 新生児は40-50回。

一回の呼吸の換気量は約500ml。

気管支の分岐に対応して5つの肺葉に分かれる。

気管は肺胞に至るまで約23回分岐する。

肺の血管

肺の疾患

英数

慢性閉塞性肺疾患。 慢性気管支炎や肺気腫をまとめて一つの呼び名としたもの。

有害物質を長期間吸入、暴露することによりに炎症を起こす。

最大の原因は喫煙で、喫煙者の15-20%がCOPDを発症するとされる。

(かんしつ)

肺胞のまわりにある壁。 中には毛細血管がはりめぐらされている。

(かんしつせいはいえん)

肺の間の間質に生じる肺炎。 原因を特定できないものは特発性間質性肺炎と呼ばれる。

罹患すると間質が厚く硬くなり酸素を取り込めなくなる。 進行すると線維化して縮む。

(きかん)

喉頭に続く器官。 後方が抜けたC型の硝子軟骨でできた空気の通る筒。

前面は気管軟骨で覆われる。 後面は軟骨がなく、輪状靭帯と気管筋により食道と接する。

上部は喉頭につながる。 第6頚椎の位置が境目となる。 長さは10-12cm。第4-5胸椎で気管支に分岐する。

内面は線毛、線毛上皮細胞で構成。 気管腺があり、粘液を分泌する。

埃等は粘液にとりこまれ、線毛の動きにより喉頭に送り出され、 となって吐き出される。

(きかんし)

気管が左右に分岐する部分。 右気管支は太く、短く、傾斜が急。右は25度、左は45度。

肺門より肺に入る。 約25回分岐してに至る。

(きかんしえん)

下気道(気管、気管支)に炎症を起こす病気の総称。 原因の多くはウイルス

感染症が原因の場合は炎症により発熱、咳、痰が起こる。

慢性は咳や過剰な痰が長期間続く。主な原因は喫煙。

(きかんしぜんそく)

発作性の呼吸困難を伴う病態。

気管支壁の平滑筋が攣縮を起こし粘液を過剰に分泌するために起こる。 治療には気管支拡張剤が用いられる。

(ききょう)

胸膜腔に空気が侵入した状態。無気肺を生じる。

自然気胸(特発性気胸)
外傷等の原因無しに起きる。やせ型の男性に多い。 ブラ(ブレブ)の破裂が原因。

緊急性気胸
胸膜腔の空気の流れが一方通行になり胸腔内が陽圧になった状態。 早期に胸腔穿刺しないと命に関わる。

(きのう)

薄い膜でできた袋状の器官。でみられる。 空気をためたり送りだしたりする。

空気を吸うと空気は後気嚢に入る。肺の中の空気は前気嚢に入る。 空気を吐く際は前気嚢から排出され、後気嚢から肺に空気が送られる。

呼吸のたびに肺の中の空気が入れかわる。酸素濃度の高い空気を取り入れられるため効率がよく、 空気の薄いところでも飛ぶことが可能。

(きょうすい)

胸膜腔内に液体が異常にたまった状態。 肺が圧迫され無気肺になる。

(きょうまく)

肺を包む2枚の漿膜。 2枚の間は胸膜腔となり、少量の漿液を分泌する。

(ごえんせいはいえん)

誤嚥により発症する肺炎嚥下障害が原因となる。

80代以上の高齢者の肺炎の多くは誤嚥性肺炎とされる。

(さーふぁくたんと)

肺サーファクタント。 II型肺胞上皮が産生する界面活性物質。

肺胞の表面張力を発生させる。 肺胞内面を覆い、吸気時は張力が増大し、呼気時には減少する。 乾燥、呼気時の肺胞の虚脱を防止する。

(しょうよう)

肺構造上の単位。1〜2cm2の大きさ。 隣接する小葉の間には隔壁がある。 中心部に細気管支が走る。

(ぜんそく)

気管支喘息を参照。

(はいえん)

肺実質をおかす感染に由来する炎症過程。

主に細菌の感染が上気道、下気道、肺胞まで広まった状態。 ただし新型コロナウイルスも肺炎を起こす。

大葉性肺炎
肺炎球菌の感染により起こる。市中肺炎。 高齢者に多く、健康な人には発症しにくい。 大正から昭和初期にかけて日本人の死因の1位を占めていた。 レジオネラ肺炎もこれに含まれる。

その他

ニューモシスティス肺炎
エイズ患者の日和見感染症。

真菌性肺炎
真菌による肺炎。 アスペルギルス、クリプトコッカス等。

(はいきしゅ)

COPDのひとつ。 肺細胞が破壊され、弾性が失われて気腔が拡張した状態。 原因は喫煙、大気汚染等の要因、体質的な肺の脆弱性が関連する。

肺気腫を起こすと肺活量が増え、低酸素症を起こし、 チアノーゼ、呼吸性アシドーシスを呈する。

喫煙を行うと好中球、マクロファージから放出された タンパク質分解酵素エラスターゼの不活性化ができなくなり、肺組織の破壊が進む。

(はいこうけつあつしょう)

肺動脈の血圧が高くなる病気の総称。

(はいすいしゅ)

肺胞内に液体がたまった状態。 ガス交換が妨げられて呼吸困難に陥る。 最も多いのは心筋梗塞、左心不全に伴う常水圧の上昇。

(はいそくせんしょう)

下肢や骨盤静脈にできた血栓が肺動脈に詰まって起きる病気。 栓子が大きい場合は急死することもある。

(はいほう)

の末端部分でガス交換をおこなう。

半球状の小さな嚢。 大きさは0.1mmほど、数は約7億5000万個。 網目状の毛細血管が外側を包んでおり、赤血球がガス交換をおこなう。 肺胞マクロファージが存在し、肺胞まで到達した微小な粉塵を貪食して消化する。

肺胞管から気管支につながる。

肺胞間の隙間には毛細血管が張りめぐらされている。

肺胞上皮はI型とII型がある。

I型はガス交換を担う。

II型は肺サーファクタントを上皮表面に分泌し、 表面張力により肺胞がつぶれるのを防ぐ役割を果たす。

(ぶら)

肺の上葉、特に肺尖部の胸膜直下に発生しやすい 気腫性嚢胞のこと。 破綻すると気胸を起こすことがある。

(ぶれぶ)

肺胸膜組織内に空気が入り嚢胞状に拡張したもの。

(むきはい)

肺の気腔がじゅうぶん拡張せず肺の一部、全体が収縮した状態。 肺門部の肺で起こりやすい。 小児ではピーナッツの誤嚥で生じることがある。

気胸胸水でも生じる。


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