皮膚


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皮膚

(ひふ)

身体を覆う組織。深部組織の機械的保護、体温の調節、 感覚器としてのはたらきを持つ。

皮膚との色はメラニンによる。

付属器

疾患

全身性のウイルス感染症(5類感染症)

水痘(水ぼうそう) 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)感染症、伝染力が強い
麻疹(はしか) 麻疹ウイルスによる、伝染力が強い

腫瘍

(あせ)

汗腺から分泌する液体蒸発の際に皮膚から体温を奪って身体を冷やす。

99%がで残りは食塩尿素カリウム等。 尿を薄めると汗とほぼ同じ成分となる。

原料は血漿。 塩分は汗腺の導管部で再吸収されるが、 量が増えると再吸収が追いつかなくなり塩分量が増える。

塩分の多い汗は粘度があり蒸発しにくいため体温調節の効率が悪い。 またミネラルを失うため熱中症、疲労の原因となる。

汗腺のろ過機能は汗をかくほど高まるとされる。

汗をかくのは哺乳類の一部で人間、ウマ、ネコ等。 他の動物は呼吸を速くしたり、耳に風を送る等して冷却する。

ネコは足の裏のみ汗をかく。イヌには存在しない。

カバも汗をかくが、体温調節よりも身体を乾燥させない役割の方が大きい。 カバの汗は空気にふれると赤くなる。

汗疹。をかきすぎて汗管が詰まることにより起きる皮膚の炎症。

水晶様汗疹
白っぽい小さな水ぶくれができる。 数日で治ることが多い。

紅色汗疹
汗管が表皮部分で詰まるもの。 かゆみを伴う赤いブツブツができる。 かくことにより悪化しやすい。 ステロイド外用薬が有効とされる。

深在性汗疹
熱帯でみられる。

(あとぴーせいひふえん)

遺伝的なアトピー素因を基盤とし、様々な環境要因が重なって起こる皮膚炎。 IV型アレルギー反応による。

「アトピー」はギリシア語のatopia(奇妙な)に由来する。 1923年に名付けられた。

かつては小児の疾患とされたが、近年は成人型が増加している。 小児期に特に症状が強い。

(かくしつ)

角質細胞。表皮の一番外側、角質層を構成する細胞のこと。 厚さは約0.02mm、足の裏と手のひらはこれより厚い。

外部の刺激から肌を守る、水分の蒸散を防ぐ働きがある。

正常な場合は15-20%の水分を含む。

細胞はコルネオデスモソームにより接着される。 セリンプロテアーゼ、カテプシンDにより分解されると角片として剥がれ落ちる。

(かみ)

頭部に生える。 毛根の奥にある毛球で毛母細胞が分裂、増殖、角化してできる。

日本人の場合、一日で約0.3-0.4mm伸びる。

色のもとはメラニンによる。

金髪、褐色、黒髪にはユーメラニンが多い 赤毛にはフェオメラニンが多い。 ユーメラニン/フェオメラニンの割合は日本人の場合、約20。

40歳を過ぎるとメラニン合成酵素チロシナーゼの活性が減少し、ユーメラニンの生産が減って白髪が増える。 フェオメラニンの生産はしばらく続くため、日本人の白髪は最初は黄色味を帯びる。

(かんかくてん)

皮膚に点状に存在する感覚部位。

(かんせん)

を分泌する腺。真皮に存在する。

エクリン腺(汗腺)
水分の多い汗(99%が水分)を分泌して体温を下げる。全身に存在する。

アポクリン腺(皮脂腺)
脂質タンパク質の多い汗を分泌する。 脇窩、、乳輪、外陰、外耳に存在し、体臭に関与する。 皮膚の保護と体毛の維持を行う。

人間以外の生物の汗腺はアポクリン汗腺がほとんどを占める。 汗を出す能動汗腺と、構造は同じだか汗を出さない不能汗腺がある。 成長期に十分な暑さを経験しないと不能汗腺が増えるといわれている。

腺は汗腺を起源とする。

(かんばん)

しみの1つ。両側の頬を中心に生じる薄茶色の色素斑。 多くは女性に発生する。

治療は投薬による。トラネキサム酸等が使われる。

(け)

表皮が管状に落ち込んでできた毛包に存在する組織。 ケラチンメラニンで構成。 内側は毛髄質、外側はキューティクル

毎日0.2mm伸びる。部位により太さ、伸びる量は異なる。

眉毛やまつげは短く細い。直径は約50μm。

陰毛は太く、直径は約100μm以上。

体毛は男性ホルモンに比例して多くなるとされる。

先端は毛球で血管結合組織と混在して毛乳頭を形成する。 上部には皮脂腺、立毛筋がある。

メラニンの量により色が決まる。 また毛髄質に気泡が増えると白髪となる。

(けらちん)

に含まれるタンパク質

(こるねおですもそーむ)

角質層に存在するデスモソーム。 角質細胞を結合、接着する。

(しせん)

脂肪を分泌する腺。皮膚を潤滑化する。 頭、有毛部、顔、胸に存在する。

(しっしん)

原因物質を特定できない慢性皮膚炎の総称。

(しんぴ)

表皮の下にある部分。結合組織。

(じんましん)

強いかゆみを伴う一過性の皮膚の限局性浮腫。 I型アレルギー反応による。

(たいじょうほうしん)

身体の左右どちらかに帯のように赤い斑点、水ぶくれができる病態。 皮膚と神経痛みを起こす。

女性に多く、60歳前後によく発症する。 冬に減少する。

ウイルス水痘と同じ。 水痘完治後もウイルスが神経節に潜伏し、免疫低下により発症する。

子供が水痘にかかった場合は子供を経由してウイルスが体内に入り免疫が活性化されるため 帯状疱疹になりにくくなる。 また保育士は発症が少ない。

(たむし)

白癬を参照。

(だんせいがただつもうしょう)

若はげ。 テストステロンは細胞内で男性ホルモンDHT(ジヒドロテストステロン)に転換される。 DHTが毛嚢の細胞内でアンドロゲン受容体と結合すると毛母細胞に悪影響を及ぼし毛髪の成長を阻害し 男性型脱毛症を引き起こす。 脱毛するかどうかは多因子性の優勢遺伝が考えられている。

が男性ホルモンから受ける影響は部位により異なり、前頭部と頭頂部が脱毛しやすい。

(つめ)

表皮の角質層が変化してできる硬い組織。 手指や足址先端に存在する。

(でるまとーむ)

皮膚分節、皮膚感覚帯とも。 脊髄から出る神経根ごとの皮膚表面の感覚(触覚、痛覚、温度覚)領域を表したもの。

黄色ブドウ球菌による伝染性疾患のこと。

(ねっしょう)

やけど。による生体組織の傷害のこと。

I 度表皮の熱傷 数日で治る
II 度真皮浅層の熱傷 1〜2週間で治る
真皮浅層の熱傷 2〜4週間で治る
III度皮下組織までの傷害皮膚移植が必要

広範囲熱傷では熱傷面積の算出が重要。 幼児は5の法則(ブロッカーの法則)、成人は9の法則(ワレスの法則)が用いられる。

(はくせん)

水虫。 白癬菌という真菌(カビ)による感染症。 角質の多い場所にできやすい。粘膜にはできにくい。

(はっしん)

皮疹。 皮膚、粘膜にあらわれる色、かたちの病的変化のこと。

(ひかそしき)

真皮の下に位置する。

(ひふかんせんしょう)

皮膚に発生する感染症。

病態 原因
おでき黄色ブドウ球菌による毛嚢炎
丹毒 真皮のレンサ球菌感染により起こり、発熱を伴う
にきび皮脂腺開口部の閉塞、ニキビダニにより憎悪する
オムツかぶれ皮膚のカンジタ感染症
白癬(ミズムシ、シラクモ、タムシ) 皮膚の糸状菌(ミズムシ菌)感染症、接触感染する
いぼ 皮膚のウイルス感染症
伝染性軟属腫(水いぼ)
単純ヘルペスウイルス感染症(口唇ヘルペス)単純ヘルペスウイルス(HSV)による
疥癬 ヒゼンダニによる感染症、感染力が高い

(ひょうひ)

皮膚の一番外側の部分。重層偏平上皮からなる。 厚さは0.1mm程度。 ケラチノサイトと呼ばれる細胞が積み重なっている。

表面から(5層で構成される)

血管は通っておらず、酸素は真皮血管から浸透によって得る。

(ほうかしきえん)

脂肪組織の深いところまでの広範囲な化膿。 炎症を起こした組織を顕微鏡で見ると蜂の巣の六角形のように見えるためこの名がある。

原因は黄色ブドウ球菌、溶血性レンサ球菌等。 悪化すると筋膜炎や敗血症を併発して死亡することがある。

(みずむし)

汗疱状白癬(かんぽうじょうはくせん)。 カビの一種である白癬菌による感染症。

高温多湿の環境になると菌が増殖し始め、症状が出てくる。

(めらにん)

皮膚との色のもととなる黒褐色の色素。

アミノ酸のチロシンから合成される。 生成は酸化作用による。 メラノサイトでつくられる。

表皮の最下層にはメラニン細胞があり、この細胞がメラニンを作る。 紫外線に当たると活性化される。 メラニン細胞の数は人種に関わらずほぼ同じで活性のみが異なる。

ビタミンC、Eは抗酸化作用があるためメラミンの生成を抑える。

メラニンが産生できない変異体はアルピノ、アルピーノと呼ばれる。

(めらのさいと)

メラニンを産生する細胞。表皮基底層に存在する。

メラノサイトが産生したメラニンは表皮基底層のケラチノサイトに移動する。 メラノサイト自身はメラニンを保持しない。

(やけど)

熱傷を参照。

腋臭症。腋窩のが悪臭を放つ。 原因はアポクリン腺の異常、また分泌物中に増殖した細菌により生じる物質。

優性遺伝しやすい。日本人の比率は約10%。

白人や黒人ではほとんどの人にみられるため特に治療はされない。

腋臭は耳垢との関係が深い。 軟耳垢の人の場合、高い確率でわきがをもつ。


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