ウイルス


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ウイルス

(ういるす)

virus.最小の微生物で大きさはnm単位。

細胞をもたないが遺伝子(DNARNA)はもつ。 特殊な方法で増殖する。生きている細胞内でしか増殖できない。 生物と無生物の中間の存在とされている。

普通の生物はDNARNAをもつが、ウイルスはどちらか一方しかもたないため単独ではタンパク質を合成できない。 細胞に寄生することにより、その機能を利用して増殖することができる。

ウイルスの塩基配列の数は生物としてはきわめて少ない。

構造(内側より)

核酸
カプシド
エンベロープ

(増殖) 宿主細胞に侵入し、細胞の増殖システムを利用してゲノムを複製し、タンパク質を合成、 子ウイルス粒子を産生する。 ウイルス粒子が成熟すると細胞外に放出される。

(2るいかんせんしょう)

ジフテリア ジフテリア菌
ポリオ(急性灰白髄炎)ポリオウイルス
SARS(重症急性呼吸器症候群)病原体はSARSコロナウイルスに限る
結核 結核菌
中東呼吸器症候群(MERS)病原体はMERSコロナウイルスに限る(2015追加)
トリインフルエンザ(H5N1)
トリインフルエンザ(H7N9)2015追加

biosafety level. 細菌ウイルス等の病原体を危険度で分類した指標。

(DNAういるす)

ゲノムとしてDNAをもつウイルス。 1本鎖、2本鎖があるが、ほとんどは2本鎖。

ポックスウイルス科

痘瘡ウイルス
サル痘ウイルス
伝染性軟属腫ウイルス

ヘルペスウイルス科 →ヘルペス

アデノウイルス科

アデノウイルス

ポリオーマウイルス科

JCウイルス
SV40ウイルス
BKウイルス

パピローマウイルス科

ヒトパピローマウイルス(HPV)

パルボウイルス科

ヒトパルボウイルスB19

ヘパドナウイルス科

B型肝炎ウイルス(HBV)

Nucleocytoplasmic large DNA virus. 核細胞質性大型DNAウイルス。

ニ本鎖DNAウイルスの一種。 特定の遺伝子群を有する大型ウイルスのグループ。

英数

(Hibかんせんしょう)

Hib(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)による感染症。 ほとんどは5歳未満で発症する。 インフルエンザウイルスとは異なる。

気道分泌物により感染を起こすが症状がない場合も多い。 肺炎、敗血症、髄膜炎、化膿性関節炎等が起こり、3-6%は死亡する。 髄膜炎の場合は生存しても20%に難聴等の後遺症が残る。

ワクチン定期接種の対象となっている。

H

ヒトT細胞白血病ウイルス。

成人T細胞白血病(ATL)の原因となる。

中年以降に発症する。 九州、沖縄出身者に多い。 母乳、性交渉を通じて感染する。

世界のキャリアの10%が日本に存在し、 キャリア数は100万人とされる。

Human Papilloma Virus. ヒト乳頭腫ウイルス、ヒトパピローマウイルス。 いぼ、性病等の原因となる。

感染すると乳頭のようないぼを形成する。

女性の80%以上、男性の90%以上は生涯で何らかのHPVに感染するとされる。

ハイリスクHPVに感染しても90%は撃退される。

2型いぼ
4型いぼ
6型尖圭コンジローマ
7型いぼ
11型尖圭コンジローマ
16型子宮頸がん
18型子宮頸がん

ワクチン

J

JCV. JCウイルス。ポリオーマウイルス科。 進行性多巣性白質脳症(PML)の患者のから発見された。

健康な成人の80%はJCウイルスに感染している。

感染しても症状はなく、腎臓の集合管上皮に潜伏すると考えられている。 骨髄、末梢血B細胞でもみられる。 免疫が弱くなると活性化しPMLの発症につながる。

S

Simian virus. サルを宿主とするポリオーマウイルス。 1960年に不活化ポリオワクチンから発見された。

(あでのういるす)

二本鎖DNAウイルス。 正20面体構造を持つ。

風邪の原因となるウイルスの一つだが、 症状は他のウイルスと比べると重い。

咽頭結膜熱(プール熱)を起こす。

エンベロープがないため消毒薬の耐性が強い。

ヒトのアデノウィルスは51の血清型に分類される。 ヒトの病気で多く見られるのは1-8型。

(えんべろーぶ)

カプシドの外側を取り囲むリン脂質の二重膜 (エンベロープをもたないウイルスもいる)。

脂質を含むためアルコールに弱い。

膜は宿主の細胞膜に由来し、細胞内で生まれた子ウイルス粒子が成熟する過程で形成される。 表面にエンベロープを貫通する糖タンパク質(スパイクタンパク質)をもち、これにより宿主細胞に吸着、感染する。

(かぷしど)

核酸を包むタンパク質の殻。 カプソメアと呼ばれる構造単位からなる。

外側がエンベロープで覆われている場合もある。

エンベロープがないものはヌクレオカプシドと呼ばれる。

(かぷそめあ)

カプシドを形成する構成単位のこと。

(すぱいくたんぱくしつ)

一部のウイルスのエンベロープを貫通している糖タンパク質。 ウイルスはこれを用いて宿主細胞に吸着、感染する。

(でんせんせいたんかくきゅうしょう)

infectious mononucleosis. IM. EBウイルス(EBV)による感染症。若年層に多い。 主な感染経路は唾液を介したもの。

日本では2-3歳までに約70%が感染する。 小児期に感染しても症状はほとんど出ず抗体ができるが、 思春期以降に感染すると発症しやすい。

ほとんどは数週間で治癒するが、まれに重症化する場合もある。。 抗生物質は無効だが、細菌混合感染時には服用する場合もある。

(ぬくれおかぷしど)

ウイルスの中心にある核酸とそれを囲むカプシドのこと。

(ばいろふぁーじ)

ウイルスに感染するウイルス。

(ひとぱぴろーまういるす)

HPVを参照。

(ひとぱるぼういるすB19)

PVB19. 伝染性紅斑(リンゴ病)を起こすウイルス。 1本鎖DNAウイルス。

妊娠中に初感染すると胎児水腫、胎児死亡の原因となることがある。

伝染性紅斑は小児にみられる発疹性の疾患。5類感染症。 頬に紅斑が発生し、続いて手足にレース状の発疹が出る。 成人では関節痛、四肢の浮腫、頭痛症状が出る。

紅斑が出る7-10日前にウイルス血症を起こすため感染力を有する。 発疹が出現する時期は感染性はほとんどなくなる。

(みみういるす)

21世紀初頭に発見されたDNAウイルス。アメーバを宿主として増殖する。 単細胞生物をしのぐ大きさと複雑な構造をもつ。 NCLDVに属する。

このあとも多くの巨大ウイルスが発見されている。


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