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園芸 植物 >

(つち)

粘土、無機物、有機物、水、空気、ガス等で構成される物質。 植物の育成に欠かせない。

は酸性のため、日本の土壌は何もしない場合弱酸性になる。 野菜をつくる場合土のpHは6〜6.5が最適とされる。 酸性土の場合は石灰で中和する。

pH
酸性土 4-6
アルカリ性土8-9

土の中では粘土と腐植が結合し粘土腐植結合体というコロイドになっている。 コロイドは表面にマイナスの電気を帯びているため陽イオンを吸着できる。

陽イオン保持の強さ

土の三相

国際法による粒子の分類

記号 大きさ(mm)
S 2〜0.2
S 0.2〜0.02
Siシルト 0.02〜0.002
C 粘土 0.002以下

英数

陽イオン交換容量。土が陽イオンを最大限保持できる量で 土100gあたりのミリグラム当量であらわす。

粘土の種類により異なる。1:1型より2:1型のほうが高い。 アロフェン、腐植は更に高い。

コロイドの種類me/100g
カオリナイト 3-15
ハロイサイト 5-10
加水ハロイサイト40-50
イライト 10-40
バーミキュライト100-150
モンモリロナイト 80-150
ギブサイト 0
アロフェン 30-200
腐植 200-600

(あろふぇん)

SiO2・Al2O3・nH2O. 二酸化ケイ素と酸化アルミニウム水和物。

黒ボク土等の火山灰土に多く含まれる非結晶の粘土鉱物。カオリン族。 リン酸イオンを強く保持する。

(いらいと)

粘土鉱物の一種。微細な白色雲母の総称。 アルミニウムの多い泥質または凝灰岩質の堆積岩中に産する。

(えんきほうわど)

CECに対しどのくらいの割合で塩基(陽イオン)が 保持されているかを示したもの。 カリウム(K+)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)の割合の合計で示される。 適正な塩基飽和度は70〜80%とされる。

pHが高いと塩基飽和度も高くなる。

(かおりないと)

kaolinite.

日本では火山灰土以外の土壌に多く含まれる粘土鉱物、ケイ酸塩鉱物

アルミニウム(またはマグネシウム)とケイ酸が1:1の割合でつながっている。 陶磁器、各種工業の原料に使われる。 肥料の吸着力が低いため土壌としては生産性が低い。

カオリン石は窯業の材料に使われる。

(かおりん)

カオリナイトを参照。

(かっしょくしんりんど)

広葉樹林帯にみられる土壌。ブナ林に多い。

欧米の褐色森林土のpHは中性だが、日本では酸性が強く4-5になる。 このため日本のものは酸性褐色森林土とよばれることもある。

排水は良好。

(かぬまつち)

約3.5万年前(更新世)に群馬県赤城山の噴火によって 運ばれた浮石質火山砂礫が粒状に風化堆積したもの。 赤城山の東部でみられる。

黄色の土で乾燥すると淡黄白色になる。

園芸に用いられる。

(ぐらいど)

地下水位の高い場所でグライ化によりできる土壌。 酸化(III)が還元態の鉄(II)に変わり、これにより青から緑色のグライ層ができる。 日本では湿田がそれに相当する。

(くろぼくど)

火山灰に由来する黒土。軽くやわらかい。 活性アルミナ(酸化アルミニウム)が多く含まれる。 腐植を多く含む。

リン酸イオンを強く保持するためリン酸が植物に供給されない欠点がある。

北海道、東北、関東、中国、九州の台地に分布。

チェルノーザムに似ているが性質は異なる。

アロフェンと腐植が強く結びつくため腐植が多いが、 分解されにくいため作物の栄養となりにくい。

未熟黒ボク土

グライ黒ボク土
地下水位の高い場所でみられる。 関東以北に多く、水田として利用される。

多湿黒ボク土
地下水の影響で湿り気の強い土。 北海道、東北、関東、九州でみられる。 水田として利用される。北海道では畑、草地に利用される。

褐色黒ボク土
森林にできる土。黒色が弱く、表層は褐色。 ブナ林で見られる。

非アロフェン質黒ボク土
日本各地で多く見られる。性が強い。 結晶性粘土鉱物が多い。

アロフェン質黒ボク土
最も一般的な黒ボク土。 火山放出物を由来とする。 アロフェン、イモゴライト等の結晶度の弱い粘土鉱物を含む。

(じゃり)

径5mm以上40mm以下の粒の岩石片のこと。 コンクリートの材料、舗装に用いられる。

(じゅうねんど)

灰色台地土とも。粘性が強く耕作しにくい土。 日本では北海道北部の洪積台地でみられる。

(しらす)

2.6-2.9万年前に九州の姶良カルデラの噴火で噴出した火砕流堆積物。 あまり風化されていないため、黒ボク土としての特徴は弱い。

(しると)

大きさ0.02〜0.002mmの粒子。 の構成成分。

(すな)

シルトの中間の大きさの岩石片、鉱物片の総称。 大きさは0.02-2mm。 の構成成分。

(せきおうしょくど)

赤、黄褐色の土。 色は腐植に由来する。

全国でみられるが、東海から山陽にかけて多くみられる。

強い酸性で腐植はほとんど含まない。

下層に重粘土層、硬い層がある場合が多い。

(だいちど)

洪積土の一つ。 洪積世に当時の河川等に土砂が堆積、その後台地が隆起してできた土。

(ちぇるのーぜむ)

冷帯、温帯のステップでみられる土壌。

黒色の腐植層、その下の炭酸カルシウムによる集積層からなる。 肥沃な土壌でヨーロッパ穀倉地帯を支える。

ウクライナから西シベリア南部、北アメリカでみられる。

黒土だが、日本の黒ボク土とは性質が異なる。

(でいたん)

ピート。 沼、沢、湿地に生育している植物が腐食せずに蓄積し嫌気的に分解・炭化され、 黒褐色になったもの。燃料、固形肥料に使われる。

世界の陸地面積の約3%は泥炭で多くの二酸化炭素をふうじこめているとされる。 地球温暖化により泥炭が分解されると二酸化炭素が大量に放出される懸念がある。

(ていちど)

沖積土の一つ。 河川によって運ばれてきた土砂が堆積した土。

排水性が悪くなるにつれ土壌中の酸化(赤黄褐色)が 還元鉄(灰色-青灰色)になる。

(どじょう)

成帯性土壌(気候性土壌)
地域の気候や植生に由来する。

間帯性土壌(成帯性土壌) 近くの岩や火山に由来する。

日本の畑土壌は約47%が黒ボク土。 水田は灰色低地土、グライ土が多い。

(どせい)

、微砂、粘土がどれくらいの割合で混ざっているかのあらわしかた。 農学会法と国際法であらわしかたが異なる。

農学会法のあらわしかた

粘土の割合(%)
砂土 12.5未満
砂壌土12.5〜25.0
壌土 25.0〜37.5
埴壌土37.5〜50.0
埴土 50.0超過

(ねんど)

に含まれる鉱物。粒の大きさは0.002mm以下。 岩石が化学的変化を受け結晶化したもの。 土の陽イオン吸着は粘土によりおこなわれる。

岩石のアルミニウムケイ素(ケイ酸)が溶け出してできる。 アロフェンを除く大部分の粘土は結晶構造をもつ。

アルミニウムとケイ素の組み合わせにより分類される。

(はろいさいと)

Al2Si2O5. カオリン鉱物の一種。 岩石、鉱物の風化によりつくられる。

(ふしょく)

土壌有機物。地力のもととされる物質。黒っぽい土に多く含まれる。

腐植をアルカリで処理すると不溶物と可溶物に分かれる。 可溶物にを添加して強酸性にすると沈殿ができる。

腐植酸とヒューミンは養分の保持に関係する。 フルボ酸は無機物を溶解する力が強く、ポトゾルにおける アルミニウムの溶脱に関係する。

(ぺんとないと)

膨潤土。 モンモリロナイトバイデライト等を主成分とする粘土

の吸着性が強い。

(ぽどぞる)

冷帯の針葉樹林で発達する土壌。 表層はフルボ酸による酸性腐食により塩基アルミニウムを失うため灰白色になる。 下層はこれらの物質が沈殿し褐色となる。

シベリア、アラスカ、日本(北海道)でみられる。

(もんもりろないと)

アルミニウムケイ酸が1:2の割合で含まれる粘土鉱物。 カオリナイトと比べると肥料を吸着する力が強い。

ロシアのチェルノーゼム、アメリカ中部のプレーリー、 アルゼンチン中部のパンパ等の土にはこの粘土鉱物が多い。 日本ではほとんどみられない。

(よういおんこうかん)

塩素置換。 土の中で陽イオン同士が置き換わる現象。 土の中の粘土と腐植は粘土腐植混合体というコロイドになっており、 これらが陽イオン交換をおこなう。

この性質のため、土の陽イオン肥料分は雨水により流されにくい。 陰イオンにはこの性質がないため、雨水により流されてしまう。

保持の強さ

(らてらいと)

熱帯でみられる赤褐色の土壌。 主成分はアルミニウムの水酸化物。

高温多湿により岩石が風化して形成される。

栄養は少なくやせている。

インドではこの土を用いて煉瓦をつくる。

(ろーむ)

シルト粘土が混合した土壌。壌土。 ロームで構成される地層はローム層と呼ばれる。

日本の場合は褐色の風化火山灰層をさすことが多い。


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