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8族元素 >

(てつ)

銀白色の金属、α、β、γ、σ等の同素体がある。 純鉄は比較的やわらかい。 地球上の金属としてはアルミニウムの次に多い。 強磁性体。

純鉄の結晶構造は温度範囲によって変化する。

フェライト(α鉄)
オーステナイト(γ鉄)
デルタフェライト(δ鉄)

鉄は同素変態が3つある。

反応性が高く、空気中では錆びてしまう。 まず赤(FeOOH)ができ、これが黒錆(Fe2O4)に変化する。

主な鉱石は赤鉄鉱、褐鉄鉱、磁鉄鉱、菱鉄鉱、硫化鉄鉱、 クロム鉄鉱等。

地球のは鉄とニッケルでできていると考えられている。 核融合の終点は鉄となる。

必須元素血液中のヘモグロビンに含まれる。鉄分が不足すると貧血となる。 体重70kgの成人の身体には約3〜4gの鉄が存在する。

室温では強磁性体(磁石)になるが、768度以上では常磁性になる。

0-6価の化合物を形成する。通常酸化数は2価と3価。


ヒトは食事により一日約10-20mgの鉄を摂取する。 吸収率は低く5-10%くらいとされる。 三価鉄(Fe3+)より二価鉄(Fe2+)の方が吸収されやすい。

食物に含まれる鉄は三価鉄だが液で還元されて二価鉄となる。 十二指腸空腸で吸収される。

女性は月経があるため鉄が失われやすく、1日1.5mg以上必要とされる。 不足すると貧血となる。

体内の蓄積量は3000-4000mg。70%がヘモグロビン鉄として存在。 残りはフェリチンとして肝臓脾臓に存在。 筋肉にもミオグロビン鉄として存在。

加齢が進むと組織への鉄蓄積が進むとされる。

ヘム鉄
吸収率が高い。肉、魚に含まれる。

非ヘム鉄
吸収率が低い。野菜、穀物に含まれる。


鉄を主成分とする合金は炭素含有量により分類される。

炭素
純鉄 0.02%以下
0.02〜2%
鋳鉄2〜4.5% もろいが鋳造しやすい
銑鉄3%以上 鉄鉱石から直接製造された鉄

鉄鉱石の生産国(2013年 1480百万t)

中国 29%
オーストラリア25%
ブラジル17%
インド6%
ロシア4%
その他19%

日本の鉄輸入先はオーストラリア61%、ブラジル28%。

(いんばー)

合金の一種。

成分は64%、ニッケル36%、マンガン約0.7%、炭素0.2%未満。

熱膨張が非常に低く、精密機器に使われる。

(えんかてつ)

鉄と塩素の化合物。

塩化鉄(II)。FeCl2。 白色または淡緑色の鱗片状結晶。

塩化鉄(III)。FeCl3。 赤褐色で潮解性がある結晶。

(おーすてないと)

(0).γ鉄。 純鉄のfcc相。910度と1400度の間で安定。

(1). γ炭素の合金。温度727度以上で安定する。 合金元素により組成と温度の領域に違いが出る。 オーステナイト生成元素は領域を広げ、フェライト生成元素は狭める。

オーステナイト鋼、ニッケル合金等は室温以下でも オーステナイト状態を保持する。

徐冷するとフェライトパーライトになる。 急冷するとマルテンサイトになる。

(こうろ)

製鉄所の設備の一つ。

鉄鉱石から酸素を取り除く還元処理を行い、銑鉄を製造する。

鉄鉱石とコークスを交互に投入し、下部から熱風を吹き込む。

日本の粗鋼の約75%は高炉、残りは鉄くずを電気炉で溶かして作られる。

2020年現在は4社が高炉を保有する。

(さんかてつ)

下記の種類がある。

Fe2O3は鉄さびの主成分。赤色。 顔料の原料となる。

(すーぱーだいま)

高耐食性めっき鋼板の一つ。 めっき成分は亜鉛を主にアルミニウム約11%、マグネシウム約3%、微量のシリコンが使われる。

(せいてつ)

製鉄の工程。

(1).燃結。粉状の鉄鉱石を焼き固め燃結鉱を製造する。

(2).コークス。炉の中で石炭を蒸し焼きにしてコークスを製造する。

(3).高炉。炉の上部から焼結鉱とコークスを交互に入れて炉の下部から熱風を吹き込む。 これによりコークスから一酸化炭素や水素等の高温ガスが発生、 炉内を昇り、焼結鉱を溶かしながら酸素を奪う。 溶けた鉄分はさらにコークスの炭素と接触、還元され、銑鉄となる。

製鋼工程

転炉の中に銑鉄と鉄スクラップをいれ、高圧酸素を吹き込み不要な炭素を還元させる。 これによりが製造される。

(せめんたいと)

Fe3C. 炭素の化合物。セメントのように硬い。 斜方晶系。

鉄鋼材料の主要な構成相。

粒状にすると鋼の靭性が向上し折れにくくなる。

白鋳鉄は約半分がセメンタイト。

(せんだすと)

高透磁率合金ケイ素9.5%、アルミニウム5.5%を含む合金。 1937年に増本量、山本達治によって発表された。

パーマロイに匹敵する透磁率をもつ。

非常にもろくて硬いため、鍛造、圧延等はできない。

粉にしやすく、粉を固めてコイルの磁心(ダストコア)として使われる。

(たたら)

日本独特の製鉄法のこと。 原料は砂鉄。木炭を燃やしたにより砂鉄を還元する。

ケラ押し法は真砂砂鉄、ズク押し法は赤目(あこめ)砂鉄が使われる。

たたら作業の責任者は村下(むらげ)と呼ばれる。

(でるたふぇらいと)

純鉄のbcc相。1394度から融点の間までで存在。

(ぱーまろい)

ニッケルを加え高透磁率材料としたもの。 ニッケルの量で初透磁率、飽和磁束密度が変わる。

(ぱーらいと)

(0).フェライトセメンタイトが交互に重なり合った層状組織。

(1). 真珠岩等のガラス質火山岩を焼いて膨張させたもの。

(ふぇらいと)

Ferrite.

(0).鉄の同素体または固溶体。α鉄とも。 bccの安定構造。

(1).MO・Fe2O3 (Mは2価の金属)。 酸化を主成分にコバルトニッケルマンガン等を 混合焼結した磁性体のこと。強い磁石になる性質を持つ。

セラミックスのため金属と比べると絶縁性が高く発熱が少ない。

東京工業大学の加藤与五郎博士と武井武博士が1930年に発明。 1935年にはフェライトの事業化を目的に東京電気化学工業(現TDK)が設立された。

ハードフェライト
強い磁界が加わると、永久磁石になる。

ソフトフェライト
磁界に触れると磁石になり、磁界を取りさると元に戻る。

用途

(ふぇれどきしん)

非ヘムと酸不安定性硫黄を含む水溶性電子伝達タンパク質の総称。鉄タンパク質の一つ。 様々な電子伝達反応に関与する。

(ふぇろあろい)

を生産する過程で必要な副原料。

マンガンクロムモリブデンシリコン等の金属を鉄と結合させたもの。 鉄に含まれる不純物の除去や鉄の耐熱性、耐食性、高張力性を向上させる。

(ふぇろぼろん)

鋼製造に使用される強力な脱酸剤およびホウ素元素添加剤のこと。

(へむてつ)

タンパク質と結合しているポルフィリン複合体。

動物性タンパク質食品に多く含まれる。 非ヘム鉄と比べると体内への吸収率が高い。

ヘモグロビンはヘム鉄とグロビンで構成されている。

(まるてんさいと)

オーステナイト組織を急冷するとできる組織。 硬くてもろい。


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