元素 > 2族元素
4 | Be | ベリリウム | beryllium |
12 | Mg | マグネシウム | magnesium |
20 | Ca | カルシウム | calcium |
38 | Sr | ストロンチウム | strontium |
56 | Ba | バリウム | barium |
88 | Ra | ラジウム | radium |
軽い銀白色の金属。 主な鉱石はセレスタイト(天青石)、ストロンチアン石。
ウランやプルトニウムの核分裂の際にストロンチウム89とストロンチウム90が生成される。 ストロンチウム89の半減期は約50.52日。
炎色反応は赤色。硝酸ストロンチウムが花火に使われる。
半減期は約29年。ベータ線を放射してイットリウム90に壊変する。ガンマ線は放射しない。 ストロンチウムはカルシウムとイオン半径が近いため生体内ではカルシウムイオンと置換しやすく、骨に蓄積されやすい。 これにより骨の]]がん]]や白血病の原因になる。
海藻、魚、牛乳はストロンチウムを蓄積しやすい。
単体としては天然に存在しないが地殻に化合物が多く含まれている。 鉱石は重晶石、毒重土石等。 安定なものは+2イオンとして存在する。 植物、海藻、海産動物によく含まれている。
ウランに中性子を放射するとバリウムが生成される。 この発見が原子核分裂を証明することとなった。
水溶性のバリウム化合物は毒性が強く、殺鼠剤や殺虫剤に使われる。
化合物
ペロブスカイト構造を持つ。
極めて高い比誘電率を持ち、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の誘電体として使用される。
もろくて硬い灰色の金属。 1828年にドイツのウェーラー、フランスのビュシーが単離。
主要鉱物は緑柱石。
電子が少なくかつ原子核に近いため安定している。 電子との相互作用が少ないためX線をよく通す。
中性子の減速材として原子炉で使われる。 α線を当てると核反応により中性子が発生する。
化合物には甘みと強い毒性がある。
銀白色の軽量な金属で、アルミニウムよりも軽い。 単体では天然には存在しない。塩類、岩石として多量に分布する。 主要鉱物は水滑石、苦灰石、菱苦土石。 熱還元、電解により得られる。
反応性が高く空気中で酸化されやすい。 高純度のものは常温で表面に酸化膜をつくるため耐食性がよい。 活性が高いため粉末は爆発の危険性がある。またこれを利用してかつてはカメラのフラッシュに使われた。
鉱物はマグネサイト、ドロマイト、ブルーサイト、カンラン石等。 海水中には塩化マグネシウムの形で豊富に存在する。
主な生産国は中国。中国が全体の86%を占める(2010)。
葉緑体のクロロフィルに含まれているが、はたらきについてはよくわかっていない。
最も需要が多いのはアルミ合金添加剤。 5000、6000、7000系等。 その他鉄の脱硫剤、ダイカスト、鋳鉄添加剤、 チタン、ジルコニウム生成の還元剤等に使われる。
マグネシウム合金は実用金属中で最も軽い。 比重はアルミの約2/3、鉄の約1/4。 強度も高い。2016年頃より需要が急増している。
欠点は発火温度が低く燃えやすい、腐食しやすく加工性が悪い等。
AZ91はアルミ9%、亜鉛1%の合金。 耐食性が向上しているが加工が難しい。
熱還元法(ピジョン法)
焼成ドロマイトとフェロシリコンを高圧真空下で加熱、
シリコンにより還元生成されたマグネシウム蒸気を冷却部で凝結させる。
電解法
塩化マグネシウムを得て、これを電解する。
(生体) 必須元素。体重70kgの成人の身体には20-30g含まれる。 体内では50-60%が骨に存在する。 多くの酵素のはたらきを助けるとされる。
成人一人当たりの摂取量は男性で340mg、女性で290mg。上限値の設定はない。
ビタミンDにより吸収が促進される。 過剰のカルシウム、リンにより抑制される。
シュウ酸、フィチン酸により吸収を阻害される。
過剰摂取時は体外に排出されるが腎臓が弱い場合高マグネシウム血症の原因となることがある。
MgCl2. 海水、にがりに含まれる。 通常は六水和物。
豆腐凝固剤、木材防腐剤、金属マグネシウム原料に使われる。
MgCO3. マグネシウムの炭酸塩。菱苦土石(マグネサイト)として産出する。 熱すると二酸化炭素を出し酸化マグネシウムになる。
歯磨き粉、医薬品、耐火物原料に使われる。
MgSO4.
多くの水和物があるが通常は七水和物をさす。
天然にはキーゼル石等として産出する。
豆腐凝固剤、下剤、解毒剤、化粧品、入浴剤等に使われる。
キュリー夫妻により発見された。 ラジウムの命名と同時に放射能(radioactivity)という言葉も作られた。
金属ラジウムは白色でアルカリ土類金属中最も反応性が高い。
酸化数は+2をとる。 化学的性質はバリウムに似ている。
安定同位体は存在せず、全て放射性同位元素。 放射線源として利用されたが、現在はあまり使われていない。 壊変により気体の放射性ラドンを発生する。
1gのラジウム226は3.61×1010個のα粒子を放出する。 この値は放射能強度の単位(Ci、キュリー)として使われていた。