ウイルス > ヘルペス
ヘルペスウイルス(DNAウイルス)による感染症。 いくつか種類がある。
症状 | |
単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1) | 下記記載 |
単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2) | 下記記載 |
水痘・帯状疱疹ウイルス | |
サイトメガロウイルス | 日和見感染症 |
エプスタイン-バールウイルス(EBウイルス) | |
ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6) | 突発性発疹 |
ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-8) | カポジ肉腫 |
粘膜に感染し水疱性、潰瘍性病変を起こす。 神経を移動し神経節に潜伏感染する。
免疫低下等により下記の症状を起こす。 重篤な場合は失明、後遺症を残す、死亡する場合もある。
急性歯肉口内炎 | HSV-1 |
口唇ヘルペス、眼瞼ヘルペス | HSV-1 |
角膜ヘルペス | HSV-1 |
ヘルペス脳炎 | HSV-1 |
性器ヘルペス | HSV-1、HSV-2 |
新生児ヘルペス | HSV-1、HSV-2、新生児に産道感染する |
治療はアシクロビル(ACV)が用いられる。
EBV. Epstein-Barr Virus. HHV-4. 1964年にエブスタインとバールが発見したウイルス。 ヘルペスウイルス属。
多くは幼少期に唾液を介して感染し、口腔内に存在する。 感染すると発熱、喉痛、リンパ節の腫れ等の症状が出る。
思春期以降の感染は伝染性単核球症になることがある。
通常は症状が出た後沈静化するが、沈静化せず慢性活動性EBウイルス感染症に移行する場合がある。
このほか、バーキットリンパ腫、上咽頭癌、胃癌の原因になるとされる。
human herpesvirus. ヒトヘルペスウイルスのこと。
HHV-1 | 単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1) |
HHV-2 | 単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2) |
HHV-3 | 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV) |
HHV-4 | EBウイルス(EBV) |
HHV-5 | ヒトサイトメガロウイルス(HCMV) |
HHV-6A | |
HHV-6B | |
HHV-7 | |
HHV-8 | カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス |
ヒトヘルペスウイルス6型。 通常は6Bをさす。人口の95%が感染しているとされる。
潜伏幹線遺伝子SITH-1はうつ病をひき起こすという研究結果がある。
単純ヘルペスウイルス。 1型と2型がある。
感染後は神経節に潜伏する。症状は軽度、出ないことも多い。
HSV-1
口唇ヘルペス、性器ヘルペスの原因となる。
HSV-2
性的接触により感染し、性器ヘルペスの原因となる。
HSV-1より再発率が高い。
ヒトサイトメガロウイルス(CMV)。2本鎖DNAウイルス。
感染症を起こす。感染力が高い。
通常は感染しても症状は出ず、出ても軽い風邪のような症状。 妊婦が感染すると胎児に感染する。また免疫機能が低下している人の感染は重症化しやすい。
先天性感染では難聴、発達遅滞・障害、視力障害等が生じることがある。 後天性はかぜ症状、伝染性単核球症等。
このウイルスによるウイルス性肝炎は5類感染症に該当する。
ヘルペスウイルスにみられる構造。 エンベロープとカプシドとの間に介在するタンパク質層。