インフルエンザ


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感染症 5類感染症 > インフルエンザ

インフルエンザ

(いんふるえんざ)

Influenza. インフルエンザウイルスによる感染症。冬に流行する。 インフルエンザ菌ではインフルエンザは発症しない。

1-2日の潜伏期間後悪寒、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感を伴う。 気道症状は遅れて出現する。重症化すると死亡することがある。

小児の発熱(特にインフルエンザ)には下熱薬は厳禁。

周期的に流行するため16世紀のイタリアの占星家がの影響と考えて 名づけた。influenceは元は星の影響の意味する単語とされる。 またマーケティングの世界で影響力が大きい人のことをインフルエンサーと呼ぶことがある。

A型は世界規模で大流行することが多い。

小児、高齢者はインフルエンザ脳症(ライ症候群)を起こして死亡することがある。 アスピリン等の非ステロイド系鎮痛解熱薬服用者に多発する。

治療は抗インフルエンザ薬が用いられる。

粘膜上皮細胞にあるシアル酸レセプターに結合し、細胞内に取り込まれ、 活性化HAにより食胞の膜とエンベロープが融合する。呼吸器と腸管の細胞にのみ融合できる。

ウイルスにのっとられた細胞は新しいウイルスの部品とにるタンパク質とRNAを合成する。 作られたウイルスRNAは8本ずつセットで取り込まれ、出芽する。

最後にノイラミニダーゼによりシアル酸レセプターが切り離され細胞から放出される。

38度以上の高熱、悪寒、関節、筋肉痛等が生じる。 流行しやすい。

A型とB型ウイルスの粒子表面には赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という蛋白があり、 免疫の標的抗原となる。

A型の場合は抗原性別にHAは15種類、NAは9種類ある。

突然変異しにくく流行は少ない。症状は重く、数年おきに流行の波が来る。

感染しても軽症であることが多い。 一度かかると基本的に一生かからない。

(あまんたじん)

抗インフルエンザ薬。1998年に認可。 商品名はシンメトレル。

インフルエンザウイルスA型に存在する、脱殻に関与するM2チャネルを阻害し、 リボヌクレオプロテインの遊離、細胞核への取り込みを阻止する。

A型に有効、B型には無効。神経系の副作用が多い。

抗パーキンソン病薬としても使われる。

(おせるたみびる)

インフルエンザ薬。商品名はタミフル。 A型、B型に有効。

ノイラミニダーゼを阻害することによりウイルス増殖を防ぐ。 1999年にスイスのロシュが発売。 日本では2001年に保険適用。

2007年に中学生がマンションから飛び降りて死亡する事故が起き、 一時的に未成年者への使用が中止された。

(いんふるえんざういるす)

A型、B型、C型、D型に分かれる。

AとBのウイルス表面にはヘマグルチニン(H)、ノイラミニターゼ(N)という糖タンパクがあり、 これが標的抗原となる。

A型
HA(赤血球凝集素)がH1〜H16、NA(ノイラミニダーゼ)がN1〜N9まである。 144通りの亜型に分類される。 宿主は水鳥と考えられている。トリ型HAとヒト型HAがある。

赤血球は表面にインフルエンザウイルスHAタンパク質受容体をもち、 ウイルス感染すると赤血球が凝集する。

ノイラミニダーゼは酵素で、受容体末端からノイラミン酸を切り出す。 ウイルス出芽の際に重要な役割を果たす。

ヒトの間で流行するウイルスはA/H1N1、A/H2N2、A/H3N2の3亜型だけ。

B型
亜型はなく、ヒトにのみ感染する。

C型
亜型はなく、ヒトにのみ感染する。

(こういんふるえんざやく)

インフルエンザの薬。 投薬後に異常行動を起こす場合がある。

ノイラミニダーゼ阻害薬

キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬

M2阻害薬

RNAポリメラーゼ阻害

アマンタジンA型
リマンタジンA型
ザナミビル A型、B型
オセルタミビルA型、B型

(ざなみびる)

抗インフルエンザ薬。商品名はリレンザ。 吸入薬。 ノイラミニダーゼ阻害薬。

日本では2001年に保険適用。

(しんがたいんふるえんざたいさくとくべつそちほう)

2012年成立の法律。 首相が緊急事態を宣言した場合、対象地域で住民の外出や集会が制限される。 また病床確保のための土地収用も可能になる。

緊急事態措置については45条に規定がある。

対象

(とくそほう)

新型インフルエンザ等特別措置法を参照。

(とりいんふるえんざ)

インフルエンザウイルスA型H5N1、A型H7N9による感染症。 2類感染症に指定。高病原性を持つ。 本来はトリにしか感染しないとされたが、ヒトに感染して死者が出る事態が発生した。

(のいらみにたーぜ)

糖鎖末端に結合したシアル酸を切り離す酵素。 微生物、植物、動物の細胞膜の表面に存在する。

インフルエンザウイルスでは細胞内で増殖したウイルスが 細胞膜から離脱して別の細胞に移動する際に重要な役割を果たす。

一部のインフルエンザ薬はこれを阻害してウイルス増殖を抑える。

(ばろきさびるまるぼきしる)

抗インフルエンザ薬。商品名はゾフルーザ。 日本の塩野義製薬が創製。 2018/3より販売開始。

成人、小児のA型、B型インフルエンザに用いられる。

酵素の一種である キャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害することによりウイルスの増殖を抑える。 ノイラミニダーゼ阻害薬と異なり、細胞内でのウイルス増殖を抑えることができる。

(ふぁびぴらびる)

抗インフルエンザ薬。商品名はアビガン。

既存のノイラミニダーゼ阻害薬とは異なり、 RNAウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)を選択的に強く阻害する。

既存薬耐性株を含むすべての型のインフルエンザウイルスに活性を示す。 またアレナウイルス。ブニヤウイルス、フィロウイルスにも効果を示す。

催奇形性があるため、妊婦、産婦への投与は禁忌。 高齢者の場合は患者の状態を観察しながら投与する。


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