感染症


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微生物 疾患 > 感染症

感染症

(かんせんしょう)

Infection. 細菌ウイルス原虫真菌感染が原因の疾患。

ウイルスが原因の感染症はウイルス、5類感染症を参照。

新感染症

新型インフルエンザ等感染症

新型インフルエンザ
再興型インフルエンザ

1類感染症

2類はウイルスを参照。

3類感染症

その他

アニサキス症
風邪 呼吸器
カンジダ
サルモネラ症
食中毒
トラコーマ
敗血症

家畜法定伝染病の一部

口蹄疫
ブルセラ症

英数

(3るいかんせんしょう)

腸管出血性大腸菌感染症腸管出血性大腸菌(O-157)
チフス チフス菌
パラチフスパラチフスA菌
コレラ コレラ菌
細菌性赤痢赤痢菌

O

腸管出血性大腸菌感染症を参照。

(いんないかんせん)

病院内で病原微生物に感染すること。 病院内には易感染宿主が多いため日和見病原体が病原体となりやすい。

黄色ブドウ球菌
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
緑膿菌
セラチア
腸球菌
バンコマイシン耐性腸球菌(VLE)

ほとんどが薬剤耐性菌。

(かえるつぼかびしょう)

真菌の一種であるカエルツボカビ菌が原因となる両生類の新興感染症。 1998年に中米で初確認。 カエルに感染すると皮膚が硬化して衰弱死する。

中南米やオーストラリアでの被害が著しいとされる。

起源はアフリカツノガエルとされる。

(かんじだ)

真菌(カンジダ)による。ヒトに常在し、宿主の感染防御力が低下すると 日和見感染症を起こす。

抗真菌薬で治療される。

(かんせんしょうほう)

正式名称は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」。 感染症を1から5類に分けている。

1998年に伝染病予防法、性病予防法、エイズ予防法を統合して制定。 2007年には結核予防法が統合された。

(ぎょうちゅうしょう)

ぎょう虫による感染症。ヒトにしか感染しない。

成虫はヒトの大腸、直腸で生活し、 メスは夜間になると体外に出てきて肛門周囲に産卵する。 これによりかゆみを生じる。 は2-3週間生存し、ヒトの口に入ると感染する。 テープ法により検査がおこなわれる。

治療は駆除剤による。卵には効かないため約2週間おいて2回服薬する場合が多い。

定期検査は1958年からおこなわれ、2015年で廃止された。

(けっかく)

結核菌を含む飛沫核を吸入することにより感染する。 を吸い込むとに感染し病巣(初期変化群)を形成する。 初期変化群の多くは拡大せずに治癒するが小児の場合は拡大しやすい。 初期変化群の段階ではツベルクリン反応陽性を示す。

初期変化群の段階は一次結核症と呼ばれる。 悪化や再感染により二次結核症に移行する。 無力感、発熱、血痰、胸水、全身の消耗がみられる。

BCGワクチンが有効。

(けっかくよぼうほう)

結核予防に関する法律。

(こうていえき)

Foot and mouth disease. ウシ、ブタ、ヒツジなどの偶蹄類に発症する感染症。 口蹄疫ウイルス(Picornaviridae Aphthovirus)により発生する。

発症すると口の粘膜、蹄などに水泡ができ、40〜41度の発熱が生じる。 死に至ることは少ないが、空気感染するため、防除は非常に困難。治療法はなし。 発生した場合患畜は処分され、その地域からの動物及び生産物の持ち出しは制限または禁止される。 人間には感染しないが、ウイルスの媒介となることがある。

(これら)

法定伝染病、国際検疫伝染病。 コレラ菌により経口感染、激しい下痢、嘔吐に襲われる。 コレラ流行初期は死亡率が高く、「コロリ」と呼ばれた。 現在は死亡率は低くなっている。

元はインドの病気で、インド、東南アジアに多い。 日本では1822年に初めて発生、以降何度か流行した。

(していかんせんしょう)

1-3類に分類されない感染症で、 1-3類に準じた対応の必要が生じたもの。 1年以内に限定して厚生労働省が指定する。

2020/2に新型コロナウイルス感染症が指定。

(じふてりあ)

ジフテリア菌により起こる2類感染症。 2-7日の潜伏期を経て咽頭痛と発熱が起こる。 咽頭扁桃に偽膜ができ、これが広がると鼻咽頭ジフテリア、喉頭ジフテリアになる。 小児の場合は窒息死することもある。 症状が進むと毒素が全身に広がり障害を起こす。

日本では患者は1999年以降報告されていない。

治療は抗毒素血清、抗菌薬による。 トキソイドワクチンが有効。

(しょくちゅうどく)

飲食物に含まれる病原体が原因の急性胃腸炎。 集団発生しやすい。症状は嘔吐、下痢等。 多くは細菌性。

原因となる病原体

(せきり)

法定伝染病。 アメーバ赤痢(5類感染症)と細菌性赤痢(3類感染症)があり、 一般的に「赤痢」といえば後者をさす。

赤痢菌は下記に分類される。

細菌性赤痢
赤痢菌により経口感染で発生、発熱、腹痛、大腸炎、下痢を起こす。 以前はA亜群が多かったが、現在はD、ついでB亜群が多い。 菌は10個程度でも感染が成立する。

春から夏に多く、2-4日の潜伏期間を持って発生する。海外の旅行者による感染、持込が多い。 日本で発生する赤痢の半分は輸入感染。

治療には抗菌薬(ニューキノロン、カナマイシン)等が用いられる。

幼児の急激な赤痢は「疫痢」と呼ばれ、循環障害、神経障害などが発生する。 かつては死亡率が高かったが、現在は医療技術の発展によりほとんどが助かるようになった。

(ちふす)

法定伝染病、3類感染症。腸チフス、パラチフスに分かれる。 日本での患者数は年間100人程度。 輸入感染も多い。

腸チフス
チフス菌により発生、経口伝染。 1〜2週間の潜伏期を経て高熱を出し、頭痛、腸出血、腸穿孔などを起こす。 治療は抗生物質クロラムフェニコールでおこなう。

パラチフス
パラチフスA菌による。腸チフスと似た症状が軽症。

(ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきんかんせんしょう)

大腸菌O-157の感染により起こる。 3類感染症

下痢、嘔吐、発熱、血便などの症状が出る。重症になると溶血性尿毒症になる事もある。 体力のない子供や老人が感染すると死亡する危険性がある。

O-157は普通の大腸菌が変異したもので、体内に入るとベロ毒素(志賀毒素)を出し、 毒素は血管、腎尿細管、にダメージを与えるほか、 大腸を傷つけるため、血便の原因となる。 感染ルートは学校給食、ハンバーガーショップ、料理店からが多い。

1982年にアメリカのハンバーガーショップで発生したのが初めての報告、 日本では1984年に初感染を確認、以後埼玉県、岡山県、大阪府などで被害が出た。 1996年に指定伝染病に認定された。

(のかるじあしょう)

放線菌の一種ノカルジア属菌により起こされる症状。 好気性グラム陽性桿菌。

菌を吸い込むと炎に似た症状が出る。 ガーデニングで傷ついた皮膚から感染すると炎症を起こし、 血液を介して全身に広がる。

自然治癒することは稀でST合剤等の抗菌薬を長期投与して治療する。 重篤化すると手足切断を迫られたり、死亡する場合もある。 膿瘍が発生することもある。

(はいえんきゅうきんかんせんしょう)

グラム陽性細菌の肺炎球菌による感染症。飛沫感染する。 日本人の高齢者の約3-5%に常在するとされる。

菌血症、髄膜炎、中耳炎、副鼻腔炎を起こす場合がある。

血清型は90以上ある。定期接種されるワクチンはこのうち23種に効果がある。

(はいけつしょう)

体内の感染症を起こしている部位から血液中に病原体が繰り返し入り込み、 菌または毒素により起こる重篤な全身中毒症状。

(はべしあしょう)

原虫の一種であるバベシアによる感染症。 アメリカ北東部の州で多くみられる。

病原体保有動物はげっ歯類。マダニ科のシカダニが媒介する。

潜伏期は1-2週間。マラリアに似た症状が約1週間続く。無症状の場合もある。 死にいたる場合もある。

治療はアトバコンとアジスロマイシンの併用、キニーネ+クリンダマイシン等が使われる。

(ぶたこれら)

家畜伝染病の一種。 主な症状は高熱、食欲不振。感染力、致死率ともに高い。 豚同士の接触で感染する。ヒトには感染せず、感染した肉を食べても影響はない。 日本では1992年以降感染は確認されていなかったが、2018/9に岐阜で発生した。


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