1類感染症


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1類感染症

(1るいかんせんしょう)

ペスト ペスト菌
エボラ出血熱エボラウイルス
ラッサ熱 ラッサウイルス
クリミア・コンゴ出血熱クリミア・コンゴ出血熱ウイルス
天然痘(痘瘡)天然痘ウイルス
マールブルグ出血熱マールブルグウイルス
南米出血熱 -

(えぼらういるす)

エボラ出血熱を起こすウイルス。

1976年にコンゴ民主共和国(旧ザイール)とスーダンで出た患者から分離された。 エボラの名は最初の患者が出た地域を流れる川の名に由来する。 宿主はオオコウモリとされる。

5種のウイルスが存在する。 ウイルスは高度安全研究施設でのみ扱われる。

2-21日の潜伏期を経て発症、症状が進むと全身の臓器内で出血し多臓器不全を起こす。 致死率は型により異なるが50-80%。

(くりみあこんごしゅっけつねつういるす)

クリミア・コンゴ出血熱を起こすウイルス。 自然宿主はウシ、ウマ、ヒツジ、野生動物。マダニを媒介とする。 院内感染も報告されている。

2-9日の潜伏期を経て発症、臓器からの出血を起こす。 致死率は15-40%。 アフリカ、東ヨーロッパ中東中央アジアで流行。

(てんねんとうういるす)

痘瘡ウイルス。 オルソポックスウイルスの一つ。 DNAウイルスで200-300nmのエンベロープを有する。

現在はワクチンにより1980年に地球上から根絶されている。 バイオテロに備えて一部の国ではワクチンが製造、備蓄されている。

1類感染症

致死率の高いタイプ(variola major)と 低いタイプ(variola minor)がある。

飛沫感染する。ヒト以外には感染しない。 潜伏期間は7-17日で急激な発熱、頭痛、悪寒が発生する。 ついで発疹が出現し全身に広がる。 重症化しやすく死亡率も高い。

治癒しても顔面に醜い瘢痕が残る。

1796年にイギリスのエドワード・ジェンナーが予防法として種痘を発明した。 牛痘に感染した乳搾りの女性は天然痘に感染しないことを発見、 女性から発疹内容液をとり、8歳の少年の腕に傷をつけて接種した。 6週後に天然痘の膿を接種しても発病せず、これが発見のきっかけとなった。 痘苗は日本には1848年にもたらされた。

(とうそう)

天然痘ウイルスを参照。

(なんべいしゅっけつねつ)

下記の出血熱の総称。

アルゼンチン出血熱フニンウイルス
ボリビア出血熱 マチュポウイルス
ベネズエラ出血熱 ガナリトウイルス
サビアウイルスによる出血熱サビアウイルス

(ぺすと)

ペスト菌によって発生する法定伝染病。黒死病とも。 本来はネズミの病気で、ノミを媒介とするが、ヒトにも感染する。 傷及び飛沫により感染し、1〜5日の潜伏期を経て発症、高熱、悪寒、戦慄などが起こり数日で死亡する。 いくつか種類があるが90%以上は、リンパに感染する腺ペスト。 このほかに肺ペスト、皮膚ペストがある。治療は抗生物質でおこなう。

ヨーロッパでは14世紀に流行し、人口が激減した。

日本では1896年に初めて患者が発生、その後大流行した。 1900年には予防のためネズミ買取がおこなわれたが、 ネズミを養殖する者があらわれたため中止された。 1926年以降は届出がない。

(まーるぶるぐういるす)

マールブルグ出血熱を起こすウイルス。

1967年にドイツとセルビア・モンテネグロで発生した患者より分離。 名前は最初の患者が出たドイツのマールブルグ市による。 この後コンゴとアンゴラで集団発生している。 宿主はオオコウモリ。

3-10日の潜伏期を経て発症、症状が進むと全身臓器で出血し多臓器不全を起こす。 致死率は10-30%。ただし2005年のアンゴラでの流行は80%だった。

ウイルスは高度安全研究室でのみ扱われる。

(らっさういるす)

ラッサ熱を起こすウイルス。

自然宿主はげっ歯類の一種であるマストミス。 マストミスの体液、尿に接触すると感染する。 1969年にナイジェリアのラッサ村で出血熱患者より分離された。 血液、体液、分泌物経由でヒトからヒトへも感染する。 西アフリカで流行。

5-21日の潜伏期を経て発症する。脳炎による中枢神経症状を呈することもある。 ラッサウイルスは高度安全研究施設でのみ扱われる。

治療は抗ウイルス薬の早期投与が有効。


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