熱エネルギー。 単位はジュール、カロリー。 物体内部では原子や分子はたえず不規則に運動している(熱運動)。
熱エネルギーは自然には高温物体から低温物体に向かって流れる。 2つの物体の温度が等しくなって熱エネルギーの移動がなくなった状態を熱平衡と呼ぶ。
熱源と熱量
熱源 | 熱量(kcal) |
電気 | 860 / kWh |
灯油 | 8771 / L |
プロパン | 24000 / m3 |
ブタン | 31000 / m3 |
都市ガス(?) | 11000 / m3 |
電気エネルギーの熱量換算。
British thermal unit.英国熱量単位。
ヤードポンド法の熱量の単位。
標準気圧下で質量1ポンドの水を 60.5°Fから 61.5°Fまで上げるのに要する熱量。
カロリーを参照。
カロリーを参照。
熱貫流率。 材料の熱の伝えやすさをあらわす値。厚さも加味される。 単位はW/m2・K。
室内外の空気温度に1度の差があるとき、 1時間に壁1m2を通過する熱量。
値が小さいほど断熱性能が良い。
物体に熱を加えること。 火、電気を用いることが多い。
抵抗加熱
ジュール熱により加熱をおこなう。
アーク加熱
電極間にアーク放電を起こして加熱する。
製鋼用アーク炉等。
誘導加熱
電磁誘導により金属円柱に渦電流を発生させ、そのジュール熱を用いる。
誘電加熱
絶縁性物体に高周波電源を接続する。
双極子が回転振動を繰り返し摩擦熱を出す。
赤外加熱
赤外線源に電流を流し、赤外線により加熱する。
calorie. 熱、熱量をあらわす単位。
15度カロリー | 1cal15 = 4.1855J |
I.T.カロリー | 1calIT = 4.1868J |
熱化学カロリー | 1calth = 4.184J |
15度カロリー
I.T.カロリー
熱化学カロリー
先頭が大文字のカロリー(Cal)は 栄養学で使われる単位で大カロリー、キロカロリーと呼ばれる。
温度変化を伴う熱。
液体や固体の物質が蒸発、昇華により気体になったもの。 一般的に蒸気というと水の蒸気(水蒸気)のことをさす。
加熱、加湿、動力に使われる。 主にボイラで発生させる。
乾き蒸気(乾燥蒸気)
水分がなくなり全て蒸気になった状態。
これ以後は加えた熱量に比例して温度が上がっていく(過熱蒸気)。
湿り蒸気(飽和蒸気)
水蒸気と水が混在している蒸気、ごく微細な水滴を含む。
水が沸騰すると熱を加えても温度は飽和温度のまま変わらず、
熱は水蒸気をつくるのに使われる。
考案者はドイツのパパン(1647-1712頃)。 原型はイギリスのニューコメン(1664-1729)が開発。
蒸気の圧力がシリンダー内のピストンを押し上げる。 このあと蒸気は冷やされて水になり、圧力が下がってピストンを押し下げる。 効率が悪く連続的に使うことはできなかった。
のちにイギリスのワット(1736-1819)が 1774年にスライド式の切替弁を考案し連続的な使用が可能になった。
異なる物質の両端を接合し、温度差を作るとその両端に起電力が生じる現象。 熱電対に利用される。
物質が固体、液体、気体に変化する際に必要とする熱。 温度変化を伴わない熱。
気体が外部との熱のやりとりなしに圧縮する現象。 気体は外部から仕事をされるため、気体の温度が上がる。
気体を外部との間で熱の出入りができないようにして圧力、体積、温度を変化させること。
気体が外部との熱のやりとりなしに膨張する現象。 外部に仕事をするため、気体の温度は下がる。
上昇気流が上空で膨張する場合は温度が下がって水蒸気が凝結し雲ができる。 変化が急なため外部との熱の出入りはほとんどおこなわれない。
原子や分子が耐えず不規則にしている運動のこと。
運動エネルギーは温度が上昇すると大きくなる。
燃料を燃焼させて得た熱エネルギーを仕事に変換する装置。
ゼーベック効果を利用するため2種の金属を組み合わせたもの。 2種の金属で1つの回路を作り、2つの接点に温度差を与えると熱起電力を生じるため 温度センサーとして使用できる。 熱電対列、熱電温度計に用いられる。
温度範囲が広く高温の測定ができる。熱応答が速く、振動、衝撃に強い。 線の延長には補償導線が必要。
R(PR) | 0度以上1600度未満 |
K(CA) | 0度以上1200度未満 |
J(IC) | 0度以上750度未満 |
物質の移動なしに熱が高温から低温へ運ばれる現象。
熱伝導率の単位はW/m・K。 1m2の立方体において、1秒間に1m移動する熱量。
熱伝導率の高い物質は電気もよく通す傾向にある。
温度は20度、1気圧。
物質 | 伝導率(W/m K) |
ダイヤモンド | 1000-2000 |
銀 | 418 |
銅 | 386 |
アルミニウム | 204 |
金 | 295 |
鉄 | 67 |
ガラス | 1 |
水 | 0.6 |
木 | 0.2 |
空気 | 0.024 |
※値は資料により差がある。
仕事Wが全て熱Qに変わるときには下記の比例関係がある。 これを熱の仕事当量と呼ぶ。
ある物質全体の温度を1K上げるのに必要な熱量。 単位はJ/K。
物体を加熱または冷却した場合に与えるまたは奪うエネルギーの量のこと。 国際単位系ではジュールを用いる。
外部の熱の出入りがない状態で高温物体と低温物体を接触させると 高温物体から低温物体へ熱が移動するが、 このとき高温物体が失った熱量と低温物体が得た熱量は等しくなる。
純度の高い白金を抵抗体としたセンサ。 精度が高いが、高価。
リード線抵抗の影響を受けやすい。 また熱応答が遅く、振動、衝撃に弱い。
比熱容量。 物質1kgの温度を1Kだけ上げるのに必要な熱量。
単位はJ・K-1・kg-1。 物質により異なる。同じ物質でも温度により変わる。
物質1モルについての比熱はモル比熱と呼ぶ。
比熱が大きい物質は温まりにくいが冷めにくい。
水の定圧比熱容量は4.18〜4.22J・K-1・g-1。 簡易計算する場合は4.2が使われる。
水の温度を上げるのに必要な熱量
熱電対と同じ材質、 または特性が類似した導線を絶縁被覆したリード線のこと。 熱電対を延長した場合とほぼ同様の効果がある。 また熱電対素線より安価。 熱電対の特性に合ったものを選定する必要がある。
冷凍機の能力をあらわす場合にもちいる単位。 1冷凍トンは、1トンの0度の水を24時間で氷にするために除去すべき熱量。
日本冷凍トン
アメリカ冷凍トン
水の臨界温度は374度、臨界圧力は225kgf/cm2。