変圧器


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電気理論 高圧機器 磁気 > 変圧器

変圧器

(へんあつき)

トランス電磁誘導により交流電圧の変圧を行う機器。

鉄心に2個以上のコイルを巻いた構造。コイル電圧は巻き回数に比例する。

コイルは1次コイルと2次コイルがある。 1次コイルに交流電圧をかけると鉄芯に磁界が発生し、2次コイルに電圧が発生する。 巻線の巻数により電圧を変えることができる。巻き方は単巻と複巻がある。

巻数比

鉄芯は薄いケイ素鋼板を重ねてつくることが多い。

複巻
1次と2次巻線が絶縁されており、2次側を任意に設置できる。

単巻
1次と2次巻線の一部を共用している。 接地短絡するため2次側は接地できない。 電圧を少しだけ変化させたい場合に用いられる。


種類

油入変圧器の外側には放熱器(放熱フィン)がある。 近年の変圧器では省略されていることもある。

電線接続部は低圧ブッシング、高圧ブッシングと呼ばれる。

絶縁油は通常は鉱油系の第1種2号絶縁油が使われる。 色は淡黄色。

規格

英数

(Vけっせん)

単相変圧器2台を用いて三相電力を供給する結線。 利用率は86.6%(√3/2)となる。

Δ結線から1相を取り除いたかたちのもの。

位相は3つの線が120度ずつずれる。

10kVA変圧器3台Δ結線では30kVA供給できる。 10kVA変圧器2台V結線では17.3kVAの供給となる。

(あいそれーしょんとらんす)

入力と出力が電気的に分離されているトランスの総称。

アイソレーションは回路の分離絶縁の意。

(ぎゃくVけっせん)

三相から単相を取り出すための結線。 UVWのうち、V相には他相の約2倍の電流が流れ不均衡になる。

スコットトランスは二次側が2回路になるが、逆Vトランスは1回路になる。

(けっせん)

線間電圧は相電圧より位相が30度進む。 高電圧、小電流に適する。

線電流は相電流より位相が30度遅れる。 低電圧、大電流に適する。


三相変圧器の結線

Δ-Δ結線
中性点接地できないが波形のひずみがない。 1相故障時はV結線で供給可能。

Y-Y結線
中性点が接地可能、ただし相電圧がひずみ波となる。

V-V結線
2台の単相変圧器で三相の供給が可能。V結線を参照。

Y-Δ結線/Δ-Y結線
波形のひずみがなく中性点を接地可能。 一次と二次に30度の位相差が生じる。

(こんさべーた)

変圧器上部に取り付けたタンクのこと。 絶縁油の膨張分を吸収する。 窒素ガスが充填されている。

(こんしょくぼうしばん)

一部の変圧器内部で高圧巻線と低圧巻線の間に設けられる板。 端子が設けられておりB種接地が可能。

変圧器2次側の接地が不要なため、地絡が生じても大きな電流は流れない。 また高圧から異常電圧が侵入しても低圧に移行しにくい。 ノイズにも効果がある。

(すこっととらんす)

三相から単相に変圧するトランス。 一次側は主座巻線とT字巻線をもつ。比率は1:√3/2。

二次側は単相2回路となる。2つの回路の平衡が悪いと 一次側の三相が不平衡となる。

T座トランスとM座トランスで構成。

交流電気鉄道、電気炉、非常用発電装置に用いられる。

(たいとらんす)

6kVから3kVに降圧するトランスのこと。

昭和30年代まで高圧配電網は3kVだったが、15年計画で6kVに昇圧された。 この際需要家でタイトランスが使われた。

現在は3kVモーター運転時に使用される。

(たっぷ)

変圧器の変圧比を切り替えるための口出線。 受電電圧の変動に対応する。

通常は無負荷、無電圧の状態で変更する。

電力会社変電所には負荷時に切替可能のものがあり、 負荷時タップ切り替え変圧器と呼ばれる。

(たんまきへんあつき)

巻線の一部が1次と2次の回路で共有されている変圧器。 複巻変圧器よりも安価に作れる。 容量は直列巻線または分路巻線の容量に等しくなる。

(てつそん)

無負荷損。 モーター変圧器の鉄心部分で生じる損失のこと。 ヒステリシス損、渦電流損からなる。

負荷の有無に関わらず発生し、常に一定。

(とうどうきょうようVけっせん)

変圧器2台V結線で電灯と動力を供給する方式。

容量は一般的に共用相の方が大きい。 接地は共用相二次側の中央端子で行われる。単相三線の中性相となる。

(どうそん)

変圧器巻線の電気抵抗による損失のこと。 負荷の二乗に比例する。

(とらんす)

変圧器のこと。

(とろいだるとらんす)

リングまたはドーナツ形状の磁性体コアにコイルを巻いた変圧器。 通常のトランスよりノイズ、EMIが大幅に低く、電力効率に優れる。 オーディオ機器、医療機器に採用される。

(ばんく)

一つの変圧器から電力を供給する系統のこと。 1変圧器に複数のバンクが存在することもある。

(ばんくぎゃくちょうりゅう)

配電用変電所に設置された変圧器(バンク)で 配電系統から送電系統へ有効電力が流れる状態。 従来は認められていなかったが、現在は装置の普及により認可されている。

(ふくまきへんあつき)

1次コイルと2次コイルが別々になっており 電気的に絶縁されている変圧器。

2次側の接地は任意。 接地しない場合は漏電しないため遮断機が動作しない。

1線地絡時は接地したのと同じ状態になるため、2線地絡にいたると漏電する。

二次側非接地で使用すると1次、2次巻線間の静電容量により2次側-大地間で 電圧が誘起されることがある。 この電圧やノイズを軽減したい場合は静電シールド変圧器が使われる。

静電シールドは1次、2次巻線間に銅板を挿入したもの。

(へんけいうっどぶりっじけっせん)

三相から単相2組を取り出す結線。 主に電気鉄道に用いられる。

2次巻線が2つある変圧器を3台使用する。 出力はA座出力とB座出力の二つ。

電圧が異なるためB座電圧は別途単巻変圧器で√3倍に昇圧され、 A座と電圧がそろえられる。

一次側がスター結線なので中性点の直接接地が可能で、 超高圧系統からそのまま受電できる。

構造が複雑なためコストがかかるのが難点。

(るーふでるたけっせん)

変圧器の結線方法の一つ。 変形ウッドブリッジ結線の構造を簡略化したもの。

2次巻線が2つある変圧器を2台、2次巻線1つの変圧器を1台使用する。

2次側巻線の巻数を変えることにより電圧がそろえられ、 昇圧変圧器が不要となっている。

新幹線の超高圧受電(220kV、275kV)で使われる。

横が屋根型結線、縦はデルタ巻線。

き電はA座とB座がある。


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