連続した長繊維、短繊維に分かれる。 短繊維は紡績を経て糸にされる。
アクリル高分子を溶剤で溶かした上で乾式紡糸法または湿式紡糸法により繊維化する。 冬物衣料、毛布に使われる。
長所、ウールに似た性質を持ち、やわらかくて軽い。また光に強い。 かさ高の糸にすることができる。
短所、熱に弱いため溶融しての繊維化はできない。 毛玉ができやすい。
アサ科植物の総称。人類が最初に衣類に利用した繊維とされる。 成分は木綿と同じセルロース。
茎を雨露にさらしバクテリアが分解しやすいようにしたあと たたいて繊維質を分離させる。
長所、天然繊維の中で最も丈夫。清涼感に優れる。 木綿と同じく濡れたときの方が強度が増す。
短所、摩擦されると繊維軸方向に割れやすい。
アセチルセルロースを原料とする半合成繊維。 酢酸と反応後、アセトンを加えて繊維に加工する。
繊維は絹のような風合いをもつ。 適度な吸水性、吸湿性をもち、ブリーツ性もある。
しわになりやすく、水に濡れると強度が低下する。 溶剤を使うと溶けてしまう。
婦人服に使われる。
芳香族ポリアミドのこと。
糸がからみあって構成したもの。
編む方向によりヨコ編、タテ編に分かれる。
ツイルとも。三原組織の一つ。 経糸を2本もしくは3本浮かせ、1本をくぐらせる組織を一巡りとする。
柔軟性があり、シワがよりにくい。また光沢に富む。
分子の中に-N=C=O基を持つ化合物の総称。
TDI(トルエンジイソシアネート) |
MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート) |
HMDI(ヘキサメチレンジイソシアネート) |
ホスゲン法(アミンにホスゲンを反応)で合成される。
反応物 | 結合 |
アルコール | ウレタン結合 |
水 | 尿素結合 |
アミン | 尿素結合 |
尿素誘導体 | ビュレット結合 |
yarn. 繊維を細長く集合したもの。
長繊維の糸は紡糸、フィラメント糸と呼ばれる。 短繊維は紡績し、紡績糸(スパンヤーン)と呼ぶ。
糸の太さ
番手は数字が大きいほど細くなる。 デニールとテックスは大きいほど太くなる。
広義にはカルバミン酸エステルおよびその置換体の総称。
狭義にはカルバミン酸エチルのこと。 催眠薬、麻酔に用いられる。
建設関係ではポリウレタンのことをさす場合もある。
羊毛。表面はスケールと呼ばれるうろこのようなもので覆われており水をはじく。 スケール間には隙間があり、内部の成分は吸湿性が高い。 ケラチンというタンパク質で構成。
長所、 保温性が高く、しわになりにくい。
短所、動物性のため虫に食われやすい。 洗濯機等で洗うと繊維がフェルト化して縮む(縮まない加工がほどこされた製品もある)。
縦糸と横糸を交錯させてつくる。 織り機を使用する。
一部の自動車メーカーは織機のメーカーとして創業している。 トヨタ、スズキ等。
四原組織
平織りの薄地織物のこと。
名物裂とも。 16-17世紀ごろ、中国や南方から渡来した縞織物。
シルク。 カイコ蛾の幼虫(カイコ)が作る繭からとれる糸。 カイコ蛾は何千年もの間、人が飼育してきた昆虫で、成虫になっても飛ぶことができない。
フィブロインというタンパク質を主鎖とする。 フィブロインはグリシンとアラニンからなるポリペプチド。
長所、光沢があり保温性が高い。
短所、水、摩擦に弱く、日光に当たると黄変する。
Kevlar. パラ系アラミド繊維。 アメリカのデュポン社が開発、登録商標。
ポリパラフェニレンテレフタラミドで構成される。 強度、弾性が高い。 通常は黄色。
綿花の種子に生えている短い繊維。
綾織りを参照。
繻子織りとも。 三原組織の一つ。経緯の組織点が少ない織り方。
三原組織の中で最もなめらかで光沢が強い。 組織点が少ないため摩擦には弱い。
ポリウレタンを参照。
白地の織物に染料で色をつけたもの。
媒染
直接布に定着しない染料で染める際、色素と繊維を媒介する薬品を使って色を染める。
防染
生地の染めたくない箇所に液がしみこまないよう保護すること。
ポリエチレンの極細長繊維をランダムに積層した不織布。 アメリカのデュポン社が開発。 高い透湿、防水性能をもつ。
ハードタイプ、ソフトタイプがある。
テグスサンの幼虫の体内から取り出した絹糸腺から得る糸。 釣り糸に使われる。
これとは別の合成繊維の糸もテグスと呼ばれる。
糸等長繊維の太さをあらわす単位。 長さ450mで重さ0.05gのものを1デニールとする。
縦編みの編物。 トリコット網み機で作られる。
nylon、ポリアミド(PA)。
ポリアミドを線状にした合成繊維。世界初の合成繊維。 1936年にアメリカ、デュポン社のカロザースが開発。 ナイロン高分子を加熱して溶かし、細い孔のある口金から押し出してつくる(溶融紡糸法)。
長所、強度が高い。ポリエステルと比べると多少吸湿性がある、 やわらかい、他の加工剤となじみやすい。
短所、ポリエステルと比べると高価。
建築では平ら、水平、横等の意味で用いられる。
縦糸、横糸に撚りのない生糸を用いて、経糸(たていと)2本と緯糸(よこいと)1本を交互に交差させる織物。 絹だけで織られているものは正絹(しょうけん)と呼ばれる。
綿番手
重さ1ポンド、長さ840ヤードのものを一番手とする。
長さが2倍になると二番手になる。
数が大きいほど細くなる。
メートル番手
重さ1gあたりのメートル数。
タフタ。 三原組織の一つ。経糸と緯糸が交互に交差する。 摩擦に強く丈夫であるが、厚地の織物が作りにくい。
織らないでつくられる布状のもの。
繊維を一方向またはランダムに集積し、接着樹脂、機械的な絡ませ、水流による絡ませ、 熱融着繊維等を用いて結合する。
1920年代にドイツのフェルト業者が代用品を開発した。 日本では1954年に製造開始。
原料は様々なものが使用される。
製造工程
骨格の構造中にベンゼン環をもつポリアミド。 脂肪族よりも融点、弾性が高い。
分子構造によりパラ系とメタ系に分かれる。
短繊維に撚りをかけて糸にすること。
分子内に酸アミド結合(-CONH-)をもつ重合体の総称。 ポリアミドを原料にした繊維はナイロンと呼ばれる。
ウレタン結合-NHCOO-をもつ。 2種類の原料を混合、反応させて作られる。
イソシアネート(-NCO)とポリオール、ポリアミンの反応によりつくられる。
ヒドロキシ基を2つもつ物を反応させると直鎖状となり熱可塑性となる。 ヒドロキシ基を3つ以上もつ物は網目状となり、熱硬化性となる。
TDI、MDIを使用したものは時間が経つと黄変する。
耐熱性が低く連続使用温度は80-100度。 耐水性が低く、製品を湿度の高い場所に置いておくとベトつきが起こることがある。
多くの用途に使われる。接着剤としても使われる。
(衣類)
高分子の中に硬い部分とやわらかい部分があるため伸縮性があり、
伸縮性を要する衣類に使われる。
単独では弱いため、他の繊維と混合して使われる。
長所、伸縮性がある。
短所、塩素に弱いため塩素漂白ができない。 時間が経つと分解し、はがれ、ひび割れ、べたつきの原因となる。 衣類の場合寿命は2-3年とされる。
(建設)
建設関係ではウレタンというとポリウレタンの事をさす。
アメリカではスパンデックスと呼ばれる。
ポリウレタンを発泡させたもの(ウレタンフォーム)を断熱材として使用する。 燃えやすい欠点がある。
ボード状のものと現場で発泡させて使用するものがある。 ボード状は外張り断熱用。
(塗料)
ポリウレタン樹脂塗料
ポリオール(樹脂)とポリイソシアネート(硬化剤)を組み合わせた塗料の総称。
耐光性が求められる上塗りによく用いられる。
エステルを縮合したもの。代表的な化学繊維。 石油原料のポリエステル高分子をナイロンと同じ溶融紡績法でつくる。
ポリエステルを芯にして外側を綿やウールで覆ったものはコアスパンと呼ばれる。
丈夫で安価。濡れても強度はほとんど変わらない。 水をほとんど含まない。
静電気を帯びやすく、毛玉ができやすい。
コットン、木綿。単に綿と呼ばれることもある。 最も生産量の多い繊維。
綿花植物の種の周りを保護している繊維。 成分はほぼ純粋なセルロース。 長さや太さは綿花の種類により変わり、細くて長いものが高級とされる。
長所、吸湿性、吸汗性に優れ、丈夫。肌ざわりがやわらかい。 また塗れたときの方が強度が増す。 アルカリに強いため漂白が可能。
短所、乾きにくい。
歴史
古来インドを中心にアジアで織物が生産。 17-18世紀にイギリスに綿布流入、のちに綿工業が発達。
1793年にアメリカのホイットニーが綿繰り機を発明後、 アメリカ南部やエジプトでプランテーションが拡大された。
亜麻繊維からできた織物の総称。
化学繊維。原料はセルロース。 天然セルロースを溶剤中に分散させ細孔から引き出し繊維状に凝固させ、 精製・乾燥させてつくる。
本来は絹のうちうまく糸にできなかったものを わた状にほぐして紡ぎ等の原料にしたもの。 木綿のことを綿という場合も多い。