17族元素 > フッ素
二原子分子の淡黄色の気体。刺激臭があり猛毒。 フランスの化学者モアッサンが1886年に単離に成功。
全ての元素の中で電気陰性度が最も強い。 単体は窒素を除く全ての元素と反応する。
単体は天然では存在しない。蛍石、氷晶石、フッ素リン灰色等の鉱物として産出。 水とは激しく反応しフッ化水素を生じる。
フッ素ガス、フッ化水素とは対照的に 有機フッ素化合物は安定性が高く、安全で無害なものが多い。 フッ素樹脂(商品名テフロン)はフライパンや電気釜の焦げつき防止に使われる。
液体有機フッ素化合物(フルオロカーボン)は酸素が多く溶けるため、人工血液として使われる。
一部の有機フッ素化合物(フロン)はオゾン層を破壊するため現在は生産と消費が制限されている。
化合物
フッ化水素 | HF | |
フッ化ナトリウム | NaF | |
六フッ化ウラン | UF6 | ウラン235分離時に精製される |
HF.ハロゲン化水素。
スウェーデンのヴィルヘルム・シェーレが発見。 常温では無色の液体。蒸気には刺激臭があり有毒。 蛍石(主成分フッ化カルシウム)に濃硫酸をくわえて加熱すると生じる。
水に非常に溶けやすく、水溶液(フッ化水素酸)は弱い酸性を示す。 ガラスを溶かす性質があるため、ポリエチレンの容器で保管する。
ほぼ全ての金属を溶かす特性をもち、半導体の洗浄用に重要。
主な生産国は日本。 高純度のものは世界の80%分を製造している。 ステラケミファ、森田化学工業の2社が製造している。
フッ酸。50%のフッ化水素水溶液のこと。
NaF. フッ化水素酸に炭酸ナトリウムか水酸化ナトリウムを反応させて得られる無色の結晶。 工業的には炭素とともに融解させてつくられる。 毒性がある。ガラスを腐食する。
用途は防腐剤、虫歯予防剤等。
フッ化水素酸のこと。フッ化水素を参照。
フロンの正式名称。
正式名称はフルオロカーボンでフロンは通称。 アメリカではフレオンと呼ばれる。
メタン、エタンなどのフッ素、塩素の置換体の総称。 炭化水素の水素原子の少なくとも1個をフッ素原子で置換した化合物。 通常は塩素も含む。無色無臭。
分解されにくい性質をもつ。
1980-1990年代はHCFCが代替フロンと呼ばれていた。
2018年現在はHFCが代替フロンと呼ばれる。 塩素を持たないためオゾン層を破壊しないが、 二酸化炭素の数百倍-数万倍の温室効果がある。
かつてエアコンの冷媒やスプレーなどに広く利用されていたが、 成層圏に達すると紫外線によって分解されこのときに生じた物質が オゾン層を分解することがわかったため、現在は使用や製造が控えられている。
Na2FPO3. MFP.
歯の再石灰化作用があり、歯磨き粉に配合される。 フッ化ナトリウム、フッ化第一スズと比べると毒性が弱いとされる。