高分子化合物 > ゴム
合成ゴムはJIS K 6397により分類されている。
NR | 天然ゴム |
IIR | 合成天然ゴム(ブチルゴム) |
ACM | アクリルゴム |
BR | ブタジエンゴム |
CR | クロロプレンゴム |
EP | エチレン・プロピレンゴム |
FKM | フッ素ゴム |
NBR | 二トリルゴム |
SBR | スチレンブタジエンゴム |
U | ウレタンゴム |
日本の場合、用途の約80%はタイヤ。
エチレン・プロピレンゴムを参照。
ACM. アクリル酸アルキルエステル系ゴムのこと。
自動車部品に多用される。
耐油性、耐熱性が高い。
耐炎性が低いほか、寒さに弱く使用温度は-15度まで。 溶剤、薬品の耐性も低い。
IR. イソプレンを重合させて得られる合成ゴム。 1950年代に出現。 構造は天然ゴムとよく似ている。
U. ポリウレタンによるゴム。 エステル型とエーテル型がある。
触媒により様々な硬さのゴムを製造できる。
高温になると強度が落ちる。 燃えると不完全燃焼時に青酸ガスが出る。
EPゴム、EPDM。
耐候性、耐老性、耐オゾン性、耐熱性が比較的優れたゴム。 エチレンとプロピレンを共重合したもの。 比重は約0.86で比較的軽い。
ケーブル被覆に使われる。
生ゴムに硫黄を加えて加熱すること。 弾性の大きな天然ゴムが得られる。
CR. ポリクロロプレンによるゴム。ネオプレンとも。 ゴムの中では歴史が古い。
1931年にカロザースが発明した合成ゴム。 耐候性がよく、屋外用ゴムに用いられる。 塗料、接着剤としても使われる。
現在では特別な特徴は少ない。
1910年代にドイツで工業化されたゴム。 天然ゴムの構造を元にクロロプレンを付加重合させポリクロロプレンを合成したのが始まり。 大量生産が容易、安価で耐熱性や耐薬性も高い。 強度、柔軟性は天然ゴムに劣る。
ケイ素ゴム。分子結合(Si-O)を主骨格としたゴム。 耐熱性、耐寒性、耐光性にすぐれ、化学的にも安定している。
SBR. ブタジエン、スチレン共重合体によるゴム。 天然ゴムに似た性質をもつ。価格が安価。
特殊処理を行ったブチル再生ゴムを用いた粘着塑性体。 生コンクリートと一体化する性質をもち、防水処理材として使われる。
合成ゴムのひとつ。 有機ハロゲン化合物と多硫化アルカリとの縮合反応等で得られる。
チオコールと呼ばれることがあるが、 これはアメリカのチオコール・ケミカル社(現ATKランチ・システムズ・グループ)の商品名。
固体と液状がある。 日本では液状のものが多く使われる。 用途は弾性シーリング、道路等の目地シール。
多硫化ゴムを参照。
ゴムノキの樹液を集めて凝固させたもの。 べたついて変質しやすい、温度が下がると固化する欠点があるが、加硫するとこの欠点はなくなる。
成分はイソプレンが重合したポリイソプレン。 内部に含まれるシス型の二重結合が弾性を生む。
世界で生産されるゴムの4割以上は天然ゴムで、毎年約1200万t生産される。 コンドーム、手術用手袋、航空機のタイヤは天然ゴムが使われる。
パラゴムノキの栽培面積の90%は東南アジア。 インドネシアとタイで世界の約半分を占める。
パラゴムノキの原産地は南米、 19世紀まではブラジルが世界最大の産出地だったが南米葉枯病の流行によりほぼ全滅した。
ゴムノキの樹皮を傷つけると流出する乳濁液に酸(ギ酸、酢酸)を加えて凝固させたもの。
主成分はイソプレンの付加重合した高分子化合物。 硫黄を加えて加熱し(加硫)、ゴムとして使われる。
NBR. ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体からなるゴム。
耐油性が高い。耐候性は弱い。
シール製品に使われる。
クロロプレンゴムを参照。
ポリブタジエンによるゴム。
天然ゴムを超える弾性がある。 耐摩耗性も高い。
自動車タイヤのカーカスに使われる。
IIR. イソブチレン・イソプレン共重合体によるゴム。
反発弾性が低く振動吸収の用途に向く。ガス透過性が低い。 電気絶縁性が高い。
EPゴムとの相性がよく、混ぜて使われることもある。
自動車等のタイヤチューブ、電線被覆に使われる。
組成中にフッ素を含むゴム。 耐熱性、耐薬品性、耐油性が高い。価格は高価。
有機酸、ケトン、エステル、アミン系には耐性はない。 また耐寒性に劣るが、それを改善したグレードも存在する。
パラゴムノキの樹皮を傷つけると得られる乳液状の液体。 天然ゴムの原料となる。 30〜36%の炭化水素(イソブレン)を含む。