哺乳類 > 鯨偶蹄
鯨偶蹄目。偶蹄目と鯨目を合わせたグループ。
分子系統学によりクジラがカバに近いグループであることが明らかになり、 二つの目が統合された。
偶蹄目は前後肢の指が2本または4本ある。
偶蹄目イノシシ科。
日本ではニホンイノシシが生息する。 北海道を除く全域に生息している。
夜行性で草食性だが死肉や昆虫も食べる。
子は模様がウリに似ているためウリボウと呼ばれる。
小型のハクジラのうち、マイルカ科に属する小型種。 頭頂部にある噴気孔を使い、肺呼吸をおこなう。
肉食で魚やタコを捕食する。 幼いイルカは母乳で栄養を得る。 水分は捕食した食べ物から得る。
カワイルカはマイルカとは別の種。
鯨偶蹄類ウシ科。
約1万年前に野生牛オーロックスが家畜化された。
日本では明治以前は朝鮮、中国から移入し、労役に使われた。 明治以後は西欧からホルスタイン、ジャージー、ショートホーン等が移入した。
草だけで生きられるため餌を求めて長距離移動する必要はなく動きは遅い。
反芻が可能。胃が4つある。 反芻に関わるのは第1胃と第2胃。 消化酵素を分泌するのは第4胃のみ。
第1胃は約200Lの容量がありpHは中性。微生物の生育に最適な環境になっている。 微生物はセルラーゼを有しセルロースの消化が可能。 セルロースは微生物により分解され、排泄物として低級脂肪酸が残る。 ウシはこれを第一胃で吸収し、糖新生をおこなう。
第1胃は尿素を分泌でき、微生物は尿素と胃で発生するアンモニアからアミノ酸をつくる。 アミノ酸は微生物に利用されるが、微生物が第四胃に到達すると消化され、小腸でアミノ酸になって吸収される。
(乳牛) 日本の乳牛の99%はホルスタイン・フリーシアン種。 日本では省略してホルスタインと呼ばれることが多い。
原産 | |
ホルスタイン・フリーシアン | オランダのフリースラント地方、ドイツのホルスタイン地方 |
ジャージー | イギリス海峡ジャージー島 |
エアーシャー | イギリス、スコットランド |
ガーンジー | イギリス海峡ガーンジー島 |
ブラウンスイス | スイス(アメリカで改良) |
北海道に生息するシカ。 ニホンジカの亜種。 国内のシカでは最も大きい。
明治初期に絶滅寸前にまで頭数が減ったが、保護政策によりそれ以降は急増している。 急増により植物の被害、交通事故の増加等が問題になっている。
尻に白い毛がはえる。 夏毛は茶褐色で白斑がある。
冬毛はオスは濃い茶色、メスは灰褐色。 白斑はほとんど消える。
オスは大きな角をもつ。 春に落ち、春から夏に新しく伸びる。 成長中の角は袋角と呼ばれる。 1年目は角がなく、2歳で2又が生え始め、3歳以降で3又になる。
3-4月は越冬地から夏の生息地に移動する。 4-5月はオスの角が抜け落ちて生え変わる。満1歳では枝分かれせず、2-3歳から枝分かれする。
6-7月にメスが出産する。
10-11月は繁殖期で活動が活発化する。オスは攻撃的になる。
12-3月は越冬期で越冬地に移動する。
草食性で1日約5kgの餌を食べる。
臆病な性格で人を襲うことはない。 オスとメスで別々の群れを形成する。
ウシ科オリックス属の動物の総称。 アフリカ南部、西部、東部、アラビア南東部の砂漠、草原に生息。
体重約200kg。サーベルのようにカーブした長い角をもつ。
草食で水がなくても長時間生存できる。
雌と子は群れを構成、雄は単独または小群。
偶蹄目。 サハラ砂漠以南のアフリカに生息する。 体長3-4m。体重2-3.5t。
水辺近くで生活、一日のほとんどを水中で過ごす。 20-30頭の群れを形成。
草食動物だが、小型の動物の死肉を食べることもある。
縄張り意識が強く、縄張りに入ってきた者には激しく攻撃する。 性質が荒く、人間の被害者が多い。
汗腺はない。体表から赤みを帯びた液を分泌し、身体を乾燥から守る。
寿命は45-55年。
トナカイを参照。
偶蹄目ウシ科カモシカ属の総称。 シカのシカ科に属するが、カモシカはウシ科に属する。
ニホンカモシカ
特別天然記念物。
本州、四国、九州の山地に生息する。
単独で行動し、群れはつくらない。オス、メスともに短い角がある。
偶蹄目キリン科の動物。 高さは頭頂で5-5.5m、肩で3.6m。体重はオスで800-900kg.
サハラ砂漠以南のアフリカ大陸で生息。
小さな群れで生活。樹木の葉を主食とする。 寿命は20-25年。
鯨偶蹄目の哺乳類。動物学的にはクジラとイルカは同じ種。 海にすむ。現生哺乳類ではカバに最も近縁。
耳は外耳、中耳、内耳があるが、外耳と中耳は使われておらず、耳穴もふさがっている。 下顎の骨で水の振動を感じ、これが内耳に伝わる。
食べ物は種類により異なるが、魚、オキアミを食す。
寿命は主により異なり、30-200年とされる。
呼吸は肺でおこなう。 潜水時間は種で異なり、15分から1時間。
ガス交換効率は高く、肺の中の酸素を80-90%とりこみできる(ヒトは10-15%)。
耳がふさがっているため耳垢は生涯溜まり続ける。耳垢の年輪により年齢が判別可能。
ヒゲクジラの一種、コククジラ科。 体長11-15m。
体色は灰色、体表は傷が多くフジツボやクジラジラミ等が寄生する。 噴気口は2つ。背びれはない。
通常は3頭以下で行動、回遊時は群れをなすことがある。
エサはゴカイや単脚類。
北太平洋の大陸棚の浅い海域に住む。 アジア系とカリフォルニア系に分かれる。 かつては北大西洋にも生息していたが18世紀に絶滅。
マイルカ科ゴンドウクジラ属に含まれるハクジラの総称。 大型で額が丸い。吻はない。
ヒゲクジラの一種。ナガスクジラ科。
世界中に生息、季節により異なる海域に移動する。
北太平洋のザトウクジラは冬は南下し、春に北上する。
エサは海水ごと口内にとりこみ、 その後ヒゲの隙間から海水だけ押し出してこしとる。
胸ひれは縦に長い。 ブリーチングと呼ばれるジャンプを行う。
他のクジラや動物がシャチに襲われた際にそれを助けるためシャチを襲うことがある。
偶蹄目シカ科。
草食性。 雄は大きな角を持つ種が多い。
オスは大きな角をもつ。
胃は4つの部屋に分かれた構造(反芻胃)。ウシもほぼ同じ構造。
また繁殖力が高い。環境が良ければ1歳から妊娠しはじめ、 2歳からほぼ毎年子供を産む。1度に産むのは1頭。
増加している地域では農林業被害が深刻になっている。 また自動車、鉄道事故の原因にもなる。
背中は黒、腹面は白。
獰猛な性質。 魚を食べるが、コククジラ、オットセイ、サメを襲うこともある。
ナガスクジラ科のクジラ、ヒゲクジラ。 地球に現存する生物で最も大きい。 体長23-27m、体重160t以上。 寿命は80-120年。
噴気孔は2つ。
エサはオキアミ、プランクトン等。
外洋性、両半球の氷縁から赤道にかけて生息。 氷縁海域を好む。 夏季は極地に回遊する。
商業捕鯨により個体数は減少している。
カリブーとも。 シカ科の動物。名前はアイヌ語に由来。 雌雄ともに角をもつ。
ツンドラ地帯に生息。 北欧では早くから家畜化されている。
飲み込んだ草を口に戻してすり潰すこと。 シカ、ウシ、キリン等がおこなう。
クジラを参照。
偶蹄目ウシ科。 前6000年頃に家畜化されたとされる。 毛、肉、毛皮、乳用に品種改良されている。
北半球では秋に交配をおこない春に出産する。 低緯度地帯では季節繁殖はなく、年中繁殖が可能とされる。
家畜ヒツジ
有蹄類がもつ爪のこと。爪板が指を丸く囲んでおり、爪掌が底面を構成する。 奇蹄類(ウマ、サイ、バク)、偶蹄類、ゾウにある。
奇蹄類は指の数が奇数、偶蹄類は偶数。 奇蹄類は中指、偶蹄類は中指と薬指で体重を支える。
イノシシ科。イノシシを家畜化したもの。 紀元前8000-6000年頃に家畜化された。 食肉として利用される。
野生のブタの寿命は10-15年。
イノシシは春にだけ子を産むが、ブタは年中繁殖可能。 性成熟も早く、産む子の数も約10頭と多い。
クジラ、ハクジラの一種。 体長は雄で約18m以上、雌で12m以上、最大体重約57t。 寿命は70年以上。
熱帯から氷縁にかけて生息、深海を好む。
前頭部が大きく、体長の1/3になる場合もある。 頭部の油の温度調整により浮力を調節していると考えられる。
油が冷たくなると固形になり、水より密度が高くなる。 暖かくなると液状になり、上昇する。
脳はあらゆる動物中で最大の大きさ。
オスは厚い脂肪を持ち低温に耐えられる。メスは脂肪が薄く低温に弱いため、 オスよりも熱帯域に生息する。
通常は400mのあたりで生息、3000m以上まで潜水可能。
噴気口は1個。
潜水時間がクジラの中では最も長く通常30-40分。
深海でイカ、タコを捕食する。
ナガスクジラ科。ヒゲクジラの一種。
体長8-9m、体重約6t。クジラの中では小型。 世界各地に分布する。 生息数は約23万頭とされる。
ラクダ科の草食動物。
指は2本。
砂漠に適した形態で、まぶたは二重、鼻を閉じることができるほか、 数日間水を飲まずに生活することができる。
寿命は30年程度。
ヒトコブラクダはインド、中央アジア、イラン、アラビア半島、北、東アフリカ、 オーストラリアに生息。
フタコブラクダはトルコ、イラン、中央アジア、中国、モンゴルに分布。
オーストラリアのヒトコブラクダは持ち込まれたもの。 現在は政府により駆除が進められている。
鯨偶蹄目ウシ科ヤギ属。
現在日本でみられるヤギは在来種、日本ザーネン種の2種。
在来種
東南アジアから15世紀に日本に入った。肉用として飼育される。
日本ザーネン種
明治以降に輸入されたザーネン種と在来種が交配したもの。
長野、群馬、岩手、福島で飼育される。
メスは乳用、オスは種畜、肉用に利用される。