薬 > オータコイド
Autacoids. 自身を調節する物質。ホルモンと似ている。 多くの組織で生成され、その部位で生理活性を示し、その部位で失活する。
Angiotensin-converting enzyme. アンジオテンシンI変換酵素。
アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換する。 またブラジキニンの昇圧作用を増強する。 主に肺に存在する。
アンジオテンシンIまたはIIを短くする酵素、エンドペプチターゼ。 アンジオテンシン1-7に変換する。 アンジオテンシン1-7は血圧抑制効果がある。
新型コロナウイルスはACE2を細胞に接着する受容体として使っている。
シクロオキシゲナーゼ。
プロスタグランジンの合成酵素。 アラキドン酸からCOXの触媒を受けてプロスタグランジンが生成される。
非ステロイド性抗炎症薬はCOXを抑制する。
COX-1
ほとんどの組織や細胞で発現する。
COX-2
炎症により誘導発現される。
COXを阻害することでプロスタグランジンの生合成を抑制し 解熱、鎮痛、抗炎症、抗血小板凝集作用を示す薬物。
副作用は胃腸障害等。まれに喘息発作が出ることがある。
アスピリン |
インドメタシン(インダシン) |
ロキソプロフェン(ロキソニン) |
メフェナム酸(ポンタール) |
スルピリン |
イブプロフェン |
ケトプロフェン |
スルピリン(ピリン系)は現在は使われない。
非ステロイド性抗炎症薬。 抗炎症、鎮痛、解熱、抗血小板凝集作用をもつ。 サリチル酸系。
小児にアスピリンを使うとインフルエンザ脳症、ライ症候群の可能性があるため、 アセトアミノフェンが使われる。
非ステロイド性抗炎症薬。商品名はカロナール。 アスピリンと同等の鎮痛、解熱作用をもつ。
比較的安全な薬で、子供にも使用可能。
視床下部の体温中枢に作用し末梢血管を広げて放熱、解熱する。
また脳で酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)のはたらきを阻害し、熱、痛みを抑える。
抗炎症作用はない。NSAIDsと比べると鎮痛はやや穏やか。
(アンジオテンシンI) 腎臓から分泌される酵素レニンが 血漿中のアンジオテンシノーゲンに作用するとできる物質。 これが肺を通るとアンジオテンシン変換酵素(ACE)の作用で アンジオテンシンIIが生成され、血圧が上昇する。
(アンジオテンシンII) 副腎皮質に作用してアルドステロンの分泌を促進する物質。 強い血管収縮による血圧上昇作用がある。
受容体はAT1とAT2があり、逆の作用を示す。
プロピオン酸系のNSAIDs。鎮痛に用いられる。 市販薬に使われる。
エクストラヴァージンオリーブオイルに含まれるオレオカンタールはイブプロフェンに似た構造で 50g摂取するとイブプロフェンの1/10の効果があるとされる。
非ステロイド性抗炎症薬。 インドールの誘導体。
抗炎症作用が強い。 白血球の遊走をおさえるため痛風治療薬にも使われる。
アスピリン喘息には使用しない。
アラキドン酸を骨格にもつ化合物、誘導体の総称。
炎症を抑える薬。NSAIDsの一種。 酵素シクロオキシゲナーゼを阻害し、プロスタグランジンの生合成を抑制する。
鎮痛薬や解熱薬で喘息を起こしたことがある場合は服用不可。
KD. キニン10とも。キニンの一種。
キニノーゲンがカリクレインによって分解されて生成するペプチド。 血管拡張作用がある。
アセトアミノフェンを参照。
起炎性ペプチドの総称。
アンジオテンシンと逆のはたらきをする。 アンジオテンシン変換酵素(ACE)により分解される。
細胞傷害時に蛋白分解酵素(カリクレイン)の作用により血漿グロブリンから遊離する。 また毛細血管の透過性を促進する。 疼痛をおこす、白血球を動員する等のはたらきがある。
前駆体のキニノーゲンにカリクレインが作用し、ブラジキニン、カリジン、 メチオニルリジルブラジキニンが生成される。
抗ヒスタミン薬の一つ。
ヒスタミン以外の受容体にも拮抗作用があり、抗コリンさようによる 口の渇き、眠気等の副作用がある。 ただ重い副作用はほとんどない。
プロピオン酸系のNSAIDs。
貼付剤使用時は光アレルギー性接触皮膚炎が起こることがある。
ヒスタミンH1受容体遮断薬のこと。
抗ヒスタミン作用はかゆみを抑えるのに有効。
ヒスタミンH1受容体が遮断されると眠気が起きる。
現在は第2世代が主に使われる。
第1世代は投与量の50%が中枢に移行するとされる。 第2世代は30%以下。
第1世代は抗コリン作用がある。 また緑内障、前立腺肥大等の下部尿路の閉塞性疾患に禁忌。
ジフェンヒドラミン(レスタミン) |
クロルフェニラミン(アレルギン) |
プロメタジン(ヒベルナ) |
第2世代
フェキソフェナジン(アレグラ) |
エピナスチン(アレジオン) |
レボセチリジンザイザル) |
オロパタジン(アレロック) |
ベポタスチン(タリオン) |
ロラタジン(クラリチン) |
COXを参照。
プロスタグランジンを生成する酵素、 シクロオキシゲナーゼのはたらきを阻害する消炎鎮痛剤。 NSAIDsに属する。
ライ症候群の危険性があるため、小児には禁忌とされる。
抗ヒスタミン薬の一つ。 ヒスタミン受容体ブロックによりアレルギー症状を緩和する。 この他、風邪薬、鼻炎内服薬、乗り物酔い防止薬、睡眠改善薬にも用いられる。
中枢抑制作用があるため眠気が起こることがある。
湿疹、じんま疹、花粉症の薬。 抗ヒスタミン薬(d-クロルフェニラミン)とステロイド(ベタメタゾン)を配合。 短期間用。
脳に作用する薬と併用すると弊害が出ることがある。 また眠気をもよおすことがある。
痛風の治療に使われる。
アラキドン酸からプロスタグランジンを経て合成される物質。
トロンボキサンA2(TXA2)
血管収縮作用、血小板凝集作用がある。
不安定ですぐにトロンボキサンB2に変換される。
血栓病の原因物質と考えられている。
トロンボキサンB2(TXB2)
炎症促進、止血、アナフィラキーショックに関与していると考えられている。
Histamine. 炎症物質の一種。 ショック、アレルギー、炎症反応時に肥満細胞から 脱顆粒して毛細血管、気管支平滑筋、胃に強く作用する物質。
また覚醒を促す。抗ヒスタミン薬を使用すると覚醒作用がブロックされるため眠気を生じることがある。
花粉症の原因となる。
食物のタンパク質にはアミノ酸の一種ヒスタジンが含まれており、 細菌のはたらきによりヒスタミンがつくられる。 ヒスタジンは赤身魚に多い。
ヒスタミンは熱で破壊できず、長時間放置された魚を食べると 調理されていても食中毒(ヒスタミン中毒)になることがある。
ヒスタミンH1受容体遮断薬
抗ヒスタミン薬を参照。
脱顆粒抑制薬
クロモグリク酸(インタール) |
ヒスタミンH1受容体遮断・薬脱顆粒抑制
ケトチフェン(ザジテン) |
アゼラスチン(アゼプチン) |
エビナスチン(アレジオン) |
抗ヒスタミン薬を参照。
胃酸分泌抑制作用を持つ。
シメチジン(タガメット) |
ラニチジン(ザンタック) |
ファモチジン(ガスター) |
NSAIDsを参照。
ピラゾロン系の薬のこと。 アミノピリン、アンチピリン、スルピリン等。
解熱、鎮痛薬として風邪薬に用いられたが、 アレルギーによる発疹(ピリン疹)の副作用があるため使用制限されている。 2018年現在の風邪薬は全て非ピリン系。
アスピリンはピリン系ではない。
第二世代抗ヒスタミン薬の一つ。商品名はアレグラ。
花粉症、じんましん、皮膚そう痒症に用いられる。
血漿中に存在するペプチド。キニンに属する。 発痛物質。炎症による痛み、疼痛の主要起因物質と考えられている。 B1、B2受容体がある。
フィブリノリジン。 フィブリンを溶解する蛋白分解酵素。 フィブリノキナーゼにより不活性型のプラスミノーゲンから生成される。
血清グロブリンにはたらきキニンを放出させ、炎症を誘発する作用もある。 このためプラスミン、フィブリノキナーゼ阻害薬は抗炎症性物質として扱われる。
PG. Prostaglandins. プロスタグランジン類、エイコサノイド。 炎症物質の一種。 外傷、感染、アレルギー反応等によって細胞膜が傷害を受けると産生される。
名前の由来はprostate(前立腺)から。 精液に含まれていることに由来する。
アラキドン酸からプロスタグランジンが生合成されるメカニズムは ベルイストローム、サミュエルソンにより解明された。 1982年にはベルイストローム、サミュエルソン、ベインが ノーベル医学生理学賞を受賞。
発痛効果があるがそれほど強くない。 ブラジキニンによる発痛効果を強める作用がある。
非ステロイド性抗炎症薬はプロスタグランジンの生合成を抑制する。 解熱、鎮痛、抗炎症、抗血小板凝集作用を示す。
非ステロイド性抗炎症薬。 フェナム酸系。商品名はポンタール。
アスピリン喘息、子供のインフルエンザ、消化性潰瘍には使用しない。
LT. 生理活性物質、エイコサノイドのひとつ。 アラキドン酸から合成される。
炎症、気管支喘息、アナフィラキーの原因物質。
ロキソプロフェンナトリウム。商品名はロキソニン。 プロピオン酸系の非ステロイド性抗炎症薬、抗炎症、解熱剤。 1986年に三共が創製。
シクロオキシゲナーゼのはたらきを阻害し、 プロスタグランジンの生合成を抑制する。