元素 > 14族元素
6 | C | 炭素 | carbon |
14 | Si | ケイ素 | silicon |
32 | Ge | ゲルマニウム | germanium |
50 | Sn | スズ | tin |
82 | Pn | 鉛 | lead |
114 | Fl | フレロビウム |
炭素は非金属性が強い。 ケイ素、ゲルマニウムは半導体の性質があり、金属と非金属の中間的な性質。
スズ、鉛は金属性が強い。共に両性元素。
1885年にウィンクラーが発見。 単体は亜鉛や銅の精錬の副産物として得られる。
単体はダイヤモンド型構造でケイ素と似た性質をもつ。 半導体性があり、温度が上がると電導性が増す。
5価の不純物原子を加えるとn型、3価の不純物原子を加えるとp型半導体となる。
ダイオード、トランジスタに使われる。 1947年に発明された点接触トランジスタにはn型ゲルマニウムが使われた。
今のところ必須元素とはされていない。 植物には有機化合物が含まれる。
二酸化ゲルマニウムがPET用重合触媒に使われる。 四塩化ゲルマニウムは光ファイバのドープ材に使われる。
ゲルマニウムレンズは光は透過しないが約2-20μmの赤外線は透過する。 遠赤外線用レンズに使われる。
やわらかい銀白色の金属。密度が比較的大きく、さびにくい。 主要鉱物は錫石。 酸化鉄より還元しやすいため金属として古来からつかわれてきた。
酸化被膜があるため酸素におかされず、水とも反応しない。 室温付近では展性、延性に富む。温度によりいくつかの同素体が存在する。 両性元素で酸ともアルカリとも反応する。 同位体が多く、21個存在する。
酸化数は+2、+4があるが、+4が化学的に安定。 体重70kgの成人の身体には約14mg存在する。 必須元素であると考えられているが、生理的役割は今のところ不明。
鉱石生産は中国とインドネシアで世界の7割を占める(2013)。
同素体
化合物
酸化スズ | SnO2 |
合金
青銅 | 銅との合金 |
ブリキ | 鉄にスズでめっきしたもの |
はんだ | スズと鉛の合金 |
鉛系、非鉛系がある。大部分は非鉛系。 安全性が重視される分野では安定性の良い鉛系が使われる。
JISではHの後に数値を入れてスズの比率を表現する。 スズが60%の場合はH60となる。 ハンダ付けに使われる糸ハンダは50、55、60、63のいずれか。
スズの比率が61.9%のときの融点は183度。この温度が全てのハンダの最低融点であり、 共晶温度と呼ばれる。JISではH63が共晶ハンダにあたる。
ハンダづけにはフラックスを必要とする。 通常は固体かペースト状だがハンダごてに触れると液体になる。 糸ハンダの多くにはフラックスが充填されており、これをヤニ入りハンダと呼ぶ。 JISでは記号RHであらわす。
鉛フリーはんだ
鉛が使われていないはんだ。スズ、銀、銅の合金が使われる。
2006年頃より主流になってきた。
鉛入りと比べると流動性が低いため、はんだ付け性が悪い。 また融点は20-45度高い。
トリブチルスズ化合物(TBT)等の総称。 貝や藻の付着を防ぐため船底塗料等に使われていた。
毒性が強く、ヒトの場合は成長阻害、白血球の減少を起こす。 貝類ではイボニシのメスがオス化する事例が報告されている。
日本では1990年から使用が規制されている。 2001年には国際海事機関(IMO)がTBTの使用を禁止したAFS条約を採択した。
密度が大きく、やわらかくて加工が容易な金属。 主要鉱物は方鉛鉱。
ろう白色の光沢があるが、空気中では酸化され鉛色になる。 多くの有機化合物を生成する。 融点が低く、やわらかくて加工しやすい。
両性元素。 単体の表面に塩化物や硫酸塩の被膜をつくるため、塩酸、硫酸には溶けにくい。 密度が高いためX線、ガンマ線をよく吸収する。
酸化数は+2、+4があるが、+2が化学的に安定。 酸化皮膜をつくるため無害と考えられていたことがあり水道管に使用されていたことがあるが、 実際には微量溶け出すことがあるため、現在は使われていない。
有機鉛は一般的に毒性が高い。
主な産地は中国、オーストラリア、アメリカ等。 日本でもかつて採掘されたが2018年現在採掘する鉱山はない。
需要の約8割は鉛蓄電池、残りは管球ガラス製品、鉛管板、はんだ等。
鉛210は天然に存在する放射性元素。ウラン238の崩壊により生じる。 ベータ線、低エネルギーのガンマ線を放出しビスマス210になる。
Pb3O4. 光明丹。四塩化三鉛を主成分とする赤色粉末。 赤色顔料、鉛ガラス、釉に使われる。
Fl. 原子番号114の元素。