半導体 > トランジスタ
スイッチ、電流の増幅等様々な電子回路に用いられる素子。
点接合トランジスタ
1947年にベル研のバーデン、ブラッデンが発明。
ゲルマニウム半導体に電極を接触させた点接触型。安定性が低く実用にはならなかった。
1948年にはマタレとベルカーがフランスでトランジスタの増幅現象を独自に発見、 固体増幅器トランジストロンが発明されたが、ベル研究所の出願より遅れた。
接合トランジスタ
1948年にショックレーが原型となるサンドイッチ型トランジスタを発明、
その後1951年に接合トランジスタを発明。
1954年にはゴードン・テルによりシリコン半導体によるトランジスタが発明された。 トランジスタは1959年付近から集積回路に使われるようになった。
構造
はさまれた半導体は非常に薄く、数ミクロン程度。 コレクタ(C)、ベース(B)、エミッタ(E)3つの電極がある。
PNP型
(E)PNP(C) | (B)
NPN型
(E)NPN(C) | (B)
一般的にトランジスタというとバイポーラ型を指す。
用途による分類
動作させるためにはB-E間に順方向電圧、 C-E間には逆方向電圧をかける。電流制御になる。
わずかなベース電流で大きなコレクタ電流が得られる。 ベース電流が流れていないときはコレクタ電流は流れない。
field effect transistor. 電界効果型トランジスタ。 多数キャリアの移動を電界により制御する。 このためトランジスタより応答速度が速く、入力抵抗が高い。雑音も少ない。
トランジスタと同様に3つの電極がある。 ドレイン電流をゲート電圧で制御する(電圧制御)。
トランジスタ | |
ドレイン(D) | コレクタ |
ゲート(G) | ベース |
ソース(S) | エミッタ |
Insulated Gate Bipolar Transistor. 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ。
電圧制御形のデバイス。 MOSFETとバイポーラトランジスタを複合化したもの。
パワー半導体分野で電力制御に使用される。
入力部はMOSFET構造、出力部はバイポーラ構造になっている。
metal-oxide-semiconductor. 金属酸化物半導体。 金属-酸化物-半導体の構造をもつ。
Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor. 金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ。 FETの一種。 MOS構造のゲート電極をもつ電界効果トランジスタ(FET)。
電圧制御形のデバイス。
G-S間に電圧を印加すると、D-S間が導通状態になる。
大半はNチャネル型。
エンハンスメント形
ゲート開放時にチャンネルが存在しない。
デフレッション形
ゲート開放時でもチャンネルが存在する。
電力用MOSFETはnチャンネルエンハンスメント形が用いられる。 ドレーンドリフト領域を大きくした垂直ドレーン形(DMOSFET)が使われる。
トランジスタの片側の電極。
npn形の場合はベースから電流が流れてくる。
pnp形の場合はベースへ電流が流れる。
入力しきい値電圧にヒステリシスをもつ構造のこと。 入力電圧を上げていくときのしきい値(VP)と、入力電圧を下げていくときのしきい値(VN)が異なる特性をもつ。
ダーリントントランジスタ。 2つのトランジスタを接続し、電流増幅率を大きくした回路。
2個のトランジスタのコレクタ(C)同士を接続し、 1個目のエミッタ(E)を、2個目のベース(B)に接続している。
FETを参照。
バイポーラ(双極性)トランジスタを使用した半導体回路。
p型とn型半導体をn-p-n、またはp-n-pで構成。 電流動作型。
高速で動作する。 消費電力が大きいため集積度はあまり高められない。
パラメータ励振により論理演算または記憶作用をもたせた素子。 トランジスタ登場以前に計算機用に使われた。
トランジスタのうち、大電流の制御に用いるもの。 パッケージに放熱板が一体成形されているものが多い。 パワートランジスタをまとめたものをパワートランジスタモジュールと呼ぶ。
2個のトランジスタで構成する記憶回路。記憶容量は1ビット。 双安定トリガー回路。 常に二つの安定状態をもつ。
トランジスタの中間の電極。 2つのn型半導体またはp型半導体にはさまれた部分。