動物界は襟鞭毛虫動物(亜界)と後生動物(亜界)に分けられる。
アニサキス亜科に属する線虫。 アニサキス症を起こす。冬の発生が多い。 終宿主はクジラ、アザラシ等。
幼虫は長さ2-3cm。白色。 幼虫は加熱、冷凍で死滅する。酢漬けや塩漬けでは死なない。
通常は排泄されるが、まれに胃や腸壁に侵入する事がある。
従属栄養性の単細胞生物。淡水種、海水種がある。 1本の鞭毛を利用して泳ぐ。 動物界ではなく、襟鞭毛生物界を置く意見もある。
海綿動物の襟細胞に似ているが核染色体数は単相(n)、 海面動物は複相になっている。
線形動物門双腺綱回虫目の寄生虫の総称。
狭義の回虫はヒト、ブタの小腸に寄生する。 胃、脳、消化器系に入ることもある。
長さはオスで140-220mm、メスで200-300mm。
腸から気道系に移動することもある。
食物についた卵を飲むことにより感染する。 卵が口から入ると小腸で孵化、大部分が心臓、脳に達し、 2ヶ月半で成虫になる。
体長6-40cm。雌雄異体。雌の方が小さい。 体の大部分は生殖器。 雌は1日20万以上の卵を産む。
無症状の場合が多いが、発熱、せき、けいれん、吐き気、嘔吐等の症状が出ることもある。 回虫により腸や胆管がふさがれると死亡する危険がある。
感染すると糞便が卵に汚染される。
内服薬により治療される。
回虫が感染する動物は回虫の種類により決まっている。
犬、猫回虫がヒトに感染しても成虫にはならないが、幼虫のままで症状を起こす。
治療はかつてはサントニンとカイニン酸の合剤が使われた。 近年はピランテルパモエートやメベンダゾールが使われる。
最も単純とされる動物。骨片と呼ばれる骨格を持つ。 約9000種で、8500種が海産。
襟細胞による細胞内消化をおこなう。 無性、有性生殖をおこなう。
クラゲ目カツオノエボシ科。 気胞体、栄養体、生殖体等様々な個虫が集まってできる群体。
熱帯、亜熱帯に生息するが、黒潮にのって日本近海にあらわれることもある。
刺胞の毒は非常に強い。激しい痛みがあるため電気クラゲとも呼ばれる。
多くの体節を持つ動物。身体の各部位を動かして運動する。 ゴカイ、イソメ、ミミズ、ヒル等。 湿度の高い環境でないと生息できない。
ミミズは目や触手がない。雌雄同体で同時に精子のやりとりをおこなう。 環帯(身体の帯のような部分)から卵胞が分泌され、卵と精子がおさめられる。
旧口動物の一種。 脱皮しない。トロコフォア幼生の時期をもつ。
前口動物。原口が成体の口になる動物。 肛門はあとから形成される。
真体腔をもたないもの。
真体腔をもつもの。
有櫛動物門(ゆうしつ)の動物の総称。 クラゲの名がつくが、クラゲとは別の生物。
雌雄同体。 体表に8つの櫛板(しつばん)があり、これを波状に動かして移動する。
腔腸動物の刺胞動物と有櫛動物に属する。 浮遊生活を送る。大半は海産。
動物初期発生時にできる凹みの部分のこと。 旧口動物では口、新口動物では肛門になる。
以前は下記の4つの門で構成されていたが、 多系統群であることがわかり解体された。
このうち軟胞子虫類と粘液胞子虫類はミクソゾア動物に。 襟鞭毛類は襟鞭毛動物亜界になった。
動物門の亜界。動物門の大半を占める。
袋形動物の一種。
下記の鉤虫は感染症を起こす。
感染すると小腸に寄生、貧血、消化器障害等を起こす。
刺胞動物を参照。
コーラル。サンゴ科の刺胞動物の総称。
日本では沖縄、九州、四国、本州で見られる。 北限は館山湾、金沢周辺。
サンゴ礁の北限は日本では壱岐、世界では大西洋のバミューダ諸島。
個体が分裂して群体を作る。
造礁サンゴは石灰質の石の骨格を作る。この骨格が積み重なるとサンゴ礁となる。 また体内に褐虫藻を共生させる。光が必要なため浅い海域に生息する。
八と六は触手の数による。8は8本、6は6の倍数。
宝石に加工されるサンゴは宝石サンゴと呼ばれる。 数100mから1000mの深さに生息する。
後生動物のうち、生体構造が外胚葉と内胚葉、中胚葉でできている動物。 左右相称動物に相当。
身体は外胚葉と内胚葉で構成、体内に大きな腔腸をもつ。 筋肉と神経系をもつが、神経中枢はない。
触手をもち、一部は刺胞をもつ。
約11000種でほとんどは海産。小型のものは観察に顕微鏡が必要。 棘細胞をそなえ、強敵を捕捉する。
生活環は付着期(ポリプ期)と浮遊期(クラゲ期)がある。 両方を世代交代する型、どちらか片方だけの型がいる。
旧口動物を参照。
古い分類体系による動物群の名称。
袋形動物の総称。
寄生虫の一種。多細胞生物。 下記に分類される。
線虫 | 回虫、ギョウチュウ、コウチュウ等 |
吸虫 | ジストマ等 |
条虫 | サナダムシ等 |
体内の液体が溜まる部分。三胚葉生物がもつ。
無体腔動物
閉じた体腔はもたない。腸管と筋肉の間には間葉細胞がある。
擬体腔動物
擬体腔をもち中に内臓がぶら下がる。擬体腔壁は筋肉で構成。
内壁と内蔵に内膜はない。
体腔動物
中胚葉で発達した内壁をもつ。内腔と内臓は腹膜で覆われている。
下記の動物の総称。旧称は線形動物。
無脊椎動物で左右相称。
旧口動物の一種。 外骨格をもち、脱皮しながら成長。
ヒルの一種。 水田、池、沼に生息。
動物の血を吸う。
吸血性が強いため医療に用いられる。 四肢切断、手指の接合でうっ血した部分に利用される。 日本では保険は適用されない。
唾液(ヒルジン)には抗凝血効果があり、脳卒中、心臓病の予防にも使われる。
感染症を防ぐため、医療用ヒルは無菌状態で育てられたものが使われる。
後生動物のうち、生体構造が外胚葉と内胚葉だけでできている動物。
クラゲの一種。 ネッタイアンドンクラゲ科。
沖縄県全域で5-10月にみられる。
立方体の身体の四隅から7-8本の触手が伸びる。
触手に触れると針を発射し、猛毒を注入する。
環形動物の一種。
多くは淡水に棲む。陸地、海水に棲むものもある。
動物にかみついて吸血する。傷口に抗凝固成分を注入するため 血が止まらなくなる。一部のヒルは医療用として使われている。
クラバ科の腔腸動物。海産。 高さ約4mm、直径約3.5mm。内部に紅色の器官がある。 熱帯、温帯に分布し、日本では北海道から九州までの沿岸でみられる。
身体の寿命がきても再びポリプの状態に戻ることができる。
腔腸動物の形の一つ。固着生活をする。 花虫、ヒドラ等はポリプ型のみ。
単細胞の真核生物。 魚、環形動物に寄生する。
刺胞によく似た極嚢をもち、宿主に付着する際に用いるが、 刺胞動物ではない。
かつては粘液胞子虫綱、放線胞子虫綱のグループに分類されていたが、 世代が違うだけの同じ生物であることがわかり、統合された。
ヒルの一種。陸地に生息。 秋田から沖縄に分布。
雌雄同体。4-11月に活動。
乾燥に弱く、湿った環境で生息。動物が近づくと動いてとりつく。
体重の8倍程度の血液を吸血する。口からはヒルジンと呼ばれる物質を分泌、 麻酔作用、吸血後も血がとまらなくなる作用がある。 このため吸血されても気付きにくい。
感染症の原因となることがある。
吸い付かれた場合は防虫スプレー、塩水、アルコール、火等を用いる。
一度吸血すると1年近く吸血せずに生存できる。
クシクラゲとも。二胚葉性動物。海に生息する。 旧腔腸動物の一亜門。
完全な腸管系をもつ。長い粘着性の触手で獲物を捕食する。 生殖細胞は口か肛門孔から体外に放出し、外洋で受精する。