軟体動物


index skip allword source recent(rd) (no rd)
dicfile-mtime:2023/08/08(Tue) 17:53:48
dicfile-size:9402byte


動物の分類 > 軟体動物

軟体動物

(なんたいどうぶつ)

冠輪動物の最大多数のグループ。無脊椎動物。 タコイカ等、10万種が存在する。 左右対称で体節は存在しない。

身体は頭(二枚貝類にはない)、足、内蔵塊で構成。

内蔵塊の表皮は外套膜と呼び、外方に貝殻を分泌する。 外套孔にはえらがあり、消化管の末端と排出器が開口する。

開放血管系。

雌雄同体と異体のものがある。

4大分岐群
形態は似ていないが足、内臓塊、外套膜の構造は共通している。 殻は外套膜の分泌物からつくられる。

ヒザラガイ類(多板類)1000種
腹足類 7万種
二枚貝類3万種
頭足類 800種

双神経類

殻類

(あさり)

マルスダレガイ科。 国内の主な産地は愛知、静岡。

水温が20度前後になると産卵する。季節は春と秋。 北海道では夏のみ。旬は春と秋。

本州のアサリは殻長1.5-3cm、北海道は4cm以上。

入水管(下)と出水管(上)がある。

エサは海中の植物プランクトンで入水管からとりこむ。

生殖はオスとメスから精子と卵子が同時に放出され、海中で受精する。 幼生は孵化後2-3週間浮遊生活を送る。 殻厚0.2mm前後で海底に着底する。

産卵は5-12月。5-6月と10月が多い(水温20度)。

1年で約23mm、3年で約40mmの大きさになる。

(あわび)

ミミガイ科。 二枚貝にみえるが、分類的には巻貝に属する。 雌雄異体。 日本で食用にされるアワビは4種類。

北海道南部から九州にかけての沿岸で生息。

北海道から東北ではエゾアワビが多い。産卵期は夏から秋で旬は冬。

他のアワビは関東以南で生息。産卵期は秋から冬で旬は夏。

(あんもないと)

絶滅した軟体動物

古生代デボン紀に出現、中生代に栄えたが絶滅した。

オウムガイに類似している。

(いか)

頭足類鞘形亜綱十腕形上目の総称。 コウイカ目、ツツイカ目に属する。 海洋に棲む。

2本の触腕、8本の腕をもつ。目は2つ。 心臓のほかに2つのエラ心臓がある。

胴の内側に石灰質の甲、またはキチン質の軟甲をもつ。 ひれのかたちは種類により違う。

皮膚には多数の色素細胞があり、周囲の環境や精神状態に応じて色が変わる。

コウイカ類の甲は軽量で浮き袋として機能する。このため死ぬと水に浮く。

寿命は約1年。

国によっては不吉な生き物として食用にされない場合がある。

オスのイカには交接腕、精莢という器官がある。 交接腕は先端に吸盤がない。

オスは交接腕を使い精莢をメスの身体に植えつけて交接する。 精莢は少しの刺激で中の精子が飛び出すようになっている。

イカが死んでも機能が維持されていることがあり、生食すると 口や胃に刺さることがある。

(いがい)

イガイ科。 日本では北海道南部から九州の沿岸に生息する貝。

足糸を伸ばし岩礁等に付着、プランクトン等を食べて生活する。 足糸を切って他の場所に移動することができる。

殻長は15cm。殻表の色は黒から黒褐色。

(うばがい)

バカガイ科の二枚貝。ホッキガイ(北寄貝)とも。 常磐地方以北の外洋に面した浅海の砂底にすむ。

(うろ)

中腸腺を参照。

(えぞぼら)

ツブ貝の一種。マツブとも。

北海道から東北に分布。

食用にされる。 唾液腺にはテトラミンを含み、通常は除去される。 これを多量に食べるとに酔ったような症状が出る。

(かい)

貝殻をもつ軟体動物のこと。

(かいがら)

の外側の部分。外套膜が海水からカルシウムを取り入れ、 炭酸カルシウムを主成分として形成する。 そのほかコンキオリン等を含む。

(がいとうまく)

ヒモとも。 軟体動物の身体の表面を覆う膜。

(かいばしら)

二枚貝類に存在する殻を閉じるための筋肉。 ふつうは前後に二つある。

(かき)

イタボガイ科。

二枚貝だが貝柱は一つしかない。 性は雌雄同体、異体のものがあり、性転換する種もいる。 栄養が豊富だとメス、少ないとオスに性転換するとされる。

マガキ、イワガキが食用とされる。

岩場につき、潮の流れにより餌をとりこむ。 動かないため筋肉が発達せず、大部分が内臓で構成。 左殻が岩場に付着する。右殻はやや小さい。

卵生種と胎生種がある。

ヨーロッパ在来種のカキは1970年代に病気でほぼ全滅した。 現在フランスで養殖されているカキは日本産マガキを輸入したもの。

(かたつむり)

ベッコウマイマイ科、オナジマイマイ科。 殻をもつ陸産巻貝。 雌雄同体。血液にはヘモシアニンを含む。

(さざえ)

リュウテンサザエ科の巻貝。 太平洋岸では茨城県以南、日本海側では北海道南部以南に生息。

寿命は7年ほど。

産卵期は夏で、旬は春から初夏。

波が静かな環境で育つとトゲが出ない。 荒いところではトゲが出る。

(しじみ)

シジミ科の二枚貝。貝殻は黒色。

食用として販売されているもののほとんどはヤマトシジミ。

エサはプランクトン。

A型肝炎ウイルス、ノロウイルスを保有していることがある。 ほとんどが野生のものから検出されるが、市販のものでも保有している場合がある。 加熱するとウイルスは死滅する。

毒素をもつプランクトンを食べたシジミも毒をもつ。 毒性プランクトンは3-6月に一部で発生する。 麻痺性の毒で、重症になると呼吸困難になる。

(しんじゅ)

パール。 貝殻の内側が真珠層になっているの中に異物が入った際に 異物を芯として形成される凝固物。主成分は炭酸カルシウム宝石として出回る。

一般的に出回る真珠のほとんどは養殖。

(すみぶくろ)

イカタコが持つ器官。 内部には墨汁腺がある。

外敵から逃げる際に水中に墨を吐く。

墨の成分はメラニン。

(たこ)

頭足類鞘形亜綱八腕形上目八腕目の総称。

海の表層から海底までの範囲で生息。 寿命は6ヶ月から5年。多くは1年とされる。

夜行性。カニを獲物とする。

危険が迫ると墨汁嚢から墨汁を吐いて逃げる。

イカと比べると甲、軟甲、2本の職腕がない。

中央部が頭部となり、頭の後方に胴がある。

心臓は普通の心臓が1つ、エラ心臓が2つある。 エラ心臓はエラに血液を送る。

酸素の運搬にはを使うため血液は青緑色。

皮膚は色を変えることができ、周囲の景色に溶け込むことができる。 色は青、赤、黄。

オスの腕には交接腕があり、精莢が収められている。中には精子が含まれる。 交接時はオスがメスの体内に差し込む。

ミズダコ以外は交尾後に死ぬ。 オスは交尾してから数ヵ月後に死ぬ。メスは卵が孵化するとまもなく死ぬ。

ミズダコは複数回生殖可能。

(たにし)

タニシ科の巻き貝。淡水に生息。 雌雄異体、メスの方が大きい。 オスの右触覚は陰茎のはたらきをする。

胎生。

(ちゅうちょうせん)

ウロ。軟体動物、節足動物の中腸に開く消化腺。 脊椎動物では肝臓膵臓に該当する。

(つぶ)

エゾバイ科の

通常ツブというとヒメエゾボラ、 マツブというとエゾボラをさす。

(はまぐり)

マルスダレガイ科。 北海道南部から九州の砂泥の底にすむ。

漁獲が多いのは熊本、三重、千葉だが量は少なく、市場に出回るのは輸入もの。

(べれむないと)

中生代ジュラ紀から白亜紀にかけて繁栄した軟体動物、頭足類。 海生。現生のヤリイカ、コウイカに類似。

化石がやじりのような形状になるため、化石は矢石ともよばれる。

(ほたてがい)

イタヤガイ科ホタテガイ属。 殻長は20cm前後。 海産の二枚貝。

国内の産地は青森、北海道(オホーツク、宗谷)、宮城。 産卵期は春。旬は冬。貝柱は5-7月。

砂底にすむ。ヒトデ等の敵が接近すると殻を急に閉じて水を噴射して逃げる。

養殖が盛ん。 天然ものとされているホタテもほとんどは養殖稚貝を放流したもの。

卵が孵化すると幼生となり約1ヶ月海中を浮遊、その後何かに付着する。

外とう膜にみられる黒い粒は

生まれたときは全てオス、1年後に半数がメスに性転換する。 生殖巣の色に違いがあり、オレンジ色はメス、白はオス。

主な産地は北海道と青森。

(ほっきがい)

ウバガイを参照。

(まがき)

イタボガキ科のカキ。 岩礁に固着して生息する。 殻は二枚で左の殻が固着する。

雌雄同体。性転換することがある。

卵生で6-7月に産卵する。

(むらさきいがい)

イガイ科の二枚貝。ヨーロッパ原産。

日本では北海道から九州の内湾に生息する。

フランスではムール貝と呼ばれ食用にされる。

岩等に付着するための足糸がある。

養殖場や火力発電所の取水口に多量に付着することがある。


Generated by ldiary3.00beta t2h3_method 2008/09/28
Powerd by Ruby Ver 1.8.1