き電


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き電

(きでん)

線路上を走行する電気車に必要な電力を供給すること。

最高電圧

在来線AT44kV
在来線BT22kV
新幹線AT60kV
新幹線同軸ケーブル30kV

変圧器は相変換変圧器が使われる。

き電用変圧は通常スコット変圧器が用いられ、三相を二相に変換する。 予備用に不等辺スコット変圧器を用いて三相、一相にする場合もある。

A

交流架線電圧補償装置。 交流電化で延長き電の際に電圧降下を抑えるための装置。

Auto Transformer Post. ATポスト、変圧ポスト。

ATき電で設置される設備。 SP、SSPが配置されない場合に、単巻変圧器を設置する目的で配置する。

(ATきでん)

き電方式の一つ。 1970年代から採用が始まった形式。 単巻変圧器(オートトランス、AT)を設置。

き電電圧を電車に供給する電圧の2倍としたもの。 変電所からの電圧は列車電圧の2倍、電流は列車電流の1/2。

トロリ線と平行にATき電線が設置される。 トロリ線とATき電線の間には約10kmおきに単巻変圧器が挿入される。 中間タップはレールに接続されている。

巻線はトロリ線、レール、き電線に接続される。 セクションが存在しないため、パンタグラフの騒音対策がとれるようになった。

ATき電線の対地電圧はトロリー線と同じだが、位相は逆となる。 がいしは懸垂がいしが使われる。

保護用にAT保護線(PW)と呼ばれる接地線が張られ、架空地線を兼ねる。

エアセクションが不要。

(BTきでん)

き電方式の一つ。 交流電化当初から使用されていた方式。

変電所からの電圧、電流は列車電圧、列車電流と同じ。

4km毎にトロリ線にセクションを設け吸上変圧器を設置する。 線は負き電線(NF)とトロリ線で構成。 通信誘導障害が起こりにくい。

二次巻線はトロリ線近くの負き電線(NF)、吸上線に接続。 電流はレールから吸上線、負き電線、BT変圧器を経て変電所に戻る。

架線に数kmおきにエアセクション(BTセクション)が設置され、 吸上変圧器の1次巻線が挿入される。 変圧器に電流を流すために分割されている。

パンタグラフがエアセクションを通過する際にアークが発生し、架線が溶断することがある。

また列車の複数のパンタグラフがセクションをはさむ2区間をつなげてしまうため、 離線や騒音の問題があった。

H

Higher harmonic resonance suppressor with CR equipment. 高調波共振抑制装置。

長いき電回路の末端に取り付け、共振回避、高調波の拡大抑制に用いられる。

ネガティブフィーダー。負き電線のこと。 BTき電でみられる線。帰線電流が流れる。

通常架線柱に張られる。対地電圧は低いためがいしは小さめ。

R

Railway Static Power Conditioner. 電力補償装置。

車両が変電所から遠ざかるにつれて電圧が降下する減少を抑制し、 車両の安定走行を維持する。

スコット結線変圧器の各座に設置したインバータ間を直流母線で接続、各座間の電力融通を行う。

在来線では青森西変電所に初めて導入された。

Single Phase Static Power Conditioner. 不平衡補償単相き電装置。

SubStation. 変電所のこと。

Sectioning Post.き電区分所。 二つの変電所の中間に設置されることが多い。ここで異相が突合せされる。 デッドセクションあり。 片方の変電所が落ちた場合、延長き電を行う。

(AT) 変電所から在来線は45-55km、新幹線は25-35kmの位置に設置される。 ATが必須。新幹線の場合は中セクション(SN)をはさむ。

(BT) 変電所から15-25kmの位置に設置される。 ACVRが設置される場合もある。

Subsectioning Post.補助き電区分所。

変電所とき電区分所(SP)の中間に配置する施設。 限定区分を行う。

(かせん)

架空式に架設される線。 電車に電力を供給する。

ちょう架方式

シンプルカテナリ式
吊架線がカテナリ曲線を描くことが名前の由来。 架線から長さの異なる縦線を下げ、この下にトロリ線を張る方式。 柱に近いところのカテナリは長く、遠いところは短い。

コンパウンドカテナリ式
吊架線の下にドロッパを使用して補助吊架線を設置し、その下にトロリ線を配置する。 パンタグラフとトロリ線間の離線がカテナリ式と比べると少ない。

(きせんでんりゅう)

電車から変電所に至るまでの電流。

直流電車の場合はレールを経由して変電所に戻る。

ゴムタイヤを利用する交通システムはレールを利用できないため、 電気を戻すための設備が設置される。

交流電車の場合は誘導障害の原因となるためレールは一部しか使わない。 架線の近くにある帰線電流用電線に吸い上げて利用する。 架線の近くに配置することにより逆位相で誘導電流を打ち消している。

ATき電、BTき電方式がある。

交流の場合、誘導障害防止のためレールは大地から絶縁される。 新幹線はレール電位が比較的高い。

東海道新幹線では1965年?に熱海駅で車体電位上昇により ホームと電位差が生じ、乗客が感電する事故があった。

現在は感電防止のために 駅構造物とレールを接続し、ホーム上との電位差を解消している。

(きでんせん)

トロリ線に電力を供給するための線。 架線に平行して設置され、一定の距離でトロリ線に接続される。 材質はアルミ等。

(こうりゅうきでん)

三相を単相に変換して電車に電力を供給する。 直流よりも電圧を高くできるため電力損失が小さい。

変電所間隔は新幹線で20-60km、在来線で80-110km。 交流は通信誘導障害が起こる欠点がある。

直接き電
通信誘導障害が起こりやすいため日本では見られない。

(じどうちょうりょくちょうせいそうち)

バランサー。 電車線の張力を一定に保つ装置。

(たいぽすと)

電圧降下対策のため上下き電線を接続している施設。 変電所間が長い場合、長い上り勾配が続く場合等に設けられる。

(ちょくせつきでん)

き電方式の一つ。 変圧器出力をそのままき電する。

大出力の場合は不等辺スコット結線変圧器による単相出力がおこなわれる。 車両基地内で用いられる。

(ちょくりゅうきでん)

直流を供給するき電方式。 変電所で交流を直流に変換する必要がある。

架線電圧は日本では1500V、600V、750V等。外国は3000Vが多い。 電圧降下を防ぐため、両側の変電所から電力が供給される(並列き電)。

変電所間隔はJRで3-10数km。

電気はき電線、き電分岐線、トロリ線を経て電気車に送られる。

帰線電流はレールを流れる。 レールから漏れた電流で金属(地下埋設物等)に電食が起こる場合がある。 対策には排流器が用いられる。

(どうじくけーぶるきでん)

同軸ケーブルをもちいたき電方式。 通信妨害抑制効果はATき電と同等、またATき電線は不要。

新幹線の一部区間で使用される。 新幹線の場合電圧は30kV。

数km毎にケーブルの内部導体をトロリ線に、外部導体をレールに接続する。

往復インピーダンスは架線と比べると約1/7。

(とろりせん)

電車、台車、搬送機械、クレーン等の移動体に給電する接触電線。 パンタグラフを通して電気を送る。 みぞ付と円形がある。

電車用のトロリ線の寿命は10年程度。駅構内は1年程度。

テンションを保つために約1tの荷重がかけられる。 張替え時には2tの力をかけてあらかじめ延ばされる。

材質、太さは場所により異なる。 主体の合金が使われるが、低速区間ではスズを配合して硬さを得ている。

新幹線で使われるトロリ線は断面積170mm2、直径15.49mmのもの。

磨耗の点検はドクターイエローで行われる。 磨耗検知用の線を埋め込んだトロリ線も存在する。

(はいりゅうき)

直流き電で利用される機器。

地中埋設金属管等とレールを接続し、迷走電流を直接レールに戻す。 半導体素子によりレールから埋設物に電流が逆流しないようになっている。

(びーむ)

架線支持のため、架線柱間に設置される梁材。


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