気動車


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気動車

(きどうしゃ)

エンジンにより動く車両。主に非電化区間で用いられる。 2018年現在の気動車は軽油を燃料とするものしか使われていない。

記号

キハ54 521

1番目

気動車
キクエンジンなし、運転室がある車両
キサエンジン、運転室がない車両

2番目

旧1等車(現在は存在しない)
旧2等車(グリーン車)
旧3等車(普通車)
ロハグリーン車+普通車
附随車(エンジンなし)

イは1960年の2等級制開始に伴い廃止された。

1

(きは181けい)

1968年製造開始。

エンジンはDML30HSC、HSD、HSE、HSF。1基。 発電用エンジンはDMF15HS-G。キハ181に搭載。

台車はDT36B、TR205B。

西日本、四国で多く運用された。

(きは185けい)

1986年製造開始。四国向け。

エンジンはDMF13JS(250PS)。 キハ185は2基、キロハ186は1基。

変速機はDF115AまたはTC2A。

台車はDT55、TR240。

(きは187けい)

2000年製造開始。26両。 自然振子式。基本は2両編成。

エンジンはSA6D140H(450ps)、2基。 台車はWDT61、WDT61A。

(きは189けい)

2010年製造。21両。 基本は3両編成。

エンジンはSA6D140HE-2(450PS)、2基。

2

(きは261けい)

JR北海道の特急用気動車。14両。

基本番台と1000番台がある。 仕様が異なるため併結はできない。

編成は4両が基本。2両追加して6両も可能。 4両編成では7エンジンとなる。

エンジンはN-DMF13HZH(460PS)。1両あたり1基または2基。 キハ260-101から104のみ1基。

変速機はN-DW16A。直結4段式、パワーオン制御付。

ブレーキは踏面ブレーキ。 制御は電気指令式空気ブレーキ、機関ブレーキと排気ブレーキを併用。

台車はN-DT261(動力台車)、N-TR261(付随台車)。ヨーダンパ付ボルスタレス台車。 枕ばねの空気ばねに車体傾斜装置がある。 傾斜角は2度、最大3度。

車輪径は810mm。

(きは261けい1000ばんだい)

JR北海道の特急用気動車。

基本番台とは仕様が異なるため併結はできない。 基本は4両。最大10両編成での運用が可能。

エンジンは1-4次車はN-DMF13HZJ(460ps)。1両あたり2基。 5次車以降はN-DMF13HZL(460ps)。

変速機は基本番台と同じN-DW16A。

台車はN-DT261A。 軸受設計を変更し、140km/h運転に対応している。 7次車からN-DT261Bに変更。左右空気ばね差圧弁が車体に台車に移された。

ブレーキは基本番台と同等。

車体傾斜制御装置がついているが2018年現在は使用されていない。 2015年以降の車両(5次車以降)はこの装置が省略されている。

補機駆動装置は定速回転装置SGAD25Mを各車2台設置。

仕上は6次車までダルフィニッシュ仕上げ、7次はベルトグラインダー仕上げ。

グリーン車座席
7次車は平織布に変更。それ以前は革製。

1300番台
増結用の中間車。

1400番台
7次車より製造開始。業務用室がついている。

(きは261けい5000ばんだい)

多目的型車両。 1000番台7次車がベース。 5両編成でグリーン車はなし。

はまなす編成、ラベンダー編成の2本がある。

ラベンダー編成は2021/10に北海道高速鉄道開発が取得、JR北海道に無償貸与されている。

(きは283けい)

JR北海道の特急用気動車。 1997年営業運転開始。

製造は富士重工業(現SUBARU)。キハ282-2001のみ苗穂工場。

最大両数は9両だったが、のちに改良により11両まで可能になった。

キハ281系と増結可能。この場合性能はキハ281系に合わせられる。

車体は軽量ステンレス(SUS301L、一部SUS304)。 先頭部のみ製(SS材)。 扉の材質はアルミ。 重心を下げるため車輪径は810mmになっている。

ヘッドライトは9灯、うち2灯はHID。

台車はN-DT283。 ボルスタ付台車で自己操舵機構をもつ。2軸とも操舵可能。 軸箱前後につながれたリンクが伸縮する。 傾斜機構は曲線ベアリングガイド式。傾斜角は6度。

2006年にハイブリッド車体傾斜システム用の台車N-DT283HXが開発され、 キハ282-2007に実装された。試験後台車は元に戻されている。

試作車の台車はN-DT283X。

車輪径は810mm。

1-4次車の初期エンジンはN-DMF11HZA(355PS)。 1両あたり2基搭載。 5次車はN-DMF11HZC。

2008年から試作車、1-4次車の機関換装がおこなわれ、N-DMF11HZEに換装された。 5次車も2013年から同じ機関に換装。

変速機はN-DW18。変速1段直結4段式。 パワーオン制御が採用され、動力が伝達されたまま変速可能。

全機関に油圧駆動式25kVA発電機を搭載。 N-DM283。

ブレーキは踏面ブレーキ。 ブレーキ制御は機関・排気ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ。

発電機はN-DM283。 走行用機関で油圧ポンプを駆動し、発生した流体エネルギーで 油圧モータを定速回転させる。

両数
1995 1次試作 2
1996-19971次量産20
1996 2次試作 1
1998 2次量産12
1998 3次量産 4
1999 4次量産 4
2001 5次量産20

(2001年の改番後の区分)
初期の形式番号はトイレ付が283、トイレなしが282となっていた。 2001年に運転台付が283、なしが282に変更、改番された。

キハ283

900番台 901-902
基本番台1-5、6-14(旧101-109)、15-21

キハ283-0
先頭車。21両。トイレあり。

ラッピング位置は正面から見た場合のもの。

向きラッピング左
11札幌旭川上川
12遠軽北見美幌
13札幌北見遠軽
14遠軽網走大空
15札幌網走旭川
16遠軽旭川網走
17遠軽大空上川
18札幌美幌大空
19札幌遠軽美幌
20(札幌)遠軽上川遠軽
21(遠軽)札幌北見特別

キハ283-900
2両。試作車の先頭車。スカート形状はキハ281に似ている。トイレあり。 2015年廃車。

キハ282

基本1-5(旧キハ283 201-205)、6-8
100 101 102 103-105(旧1-3) 106-107(旧1001 1002)、108-111
20002001-2009簡易運転台付
30003001-3004簡易運転台は準備工事のみ

キハ282-0
8両。中間車。車椅子対応。

キハ282-100
中間車。トイレなし。ミニラウンジあり。

キハ282-2000
9両。簡易運転台付中間車。トイレなし。

キハ282-3000
4両。2000番台にあった簡易運転台は準備工事のみになっている。

キロ282
初期の形式はキロ283。2001年に変更。 2022年に全廃車、区分消滅。

基本1-5(2001年にキロ283から改番)、6-8

(げんそくき)

回転速度を歯車等で減速して出力する装置。 減速に反比例したトルクを出力できる。 速度は一定。

推進軸により伝達された回転方向の変更、減速して車輪に回転力を与える。

平行軸歯車減速機
歯車(スパーギア)を使用。 減速比率は1/5-1/2500程度。

ヘリカル減速機
歯車にヘリカルギア(はすば歯車)を使用

ベベルギア減速機
かさ歯車を組み合わせたもの。一般的軸角は90度。 出力を90度振るために使われることが多い。 このうち減速比1:1のものはマイタギアとも呼ばれる。

ハイポイド減速機
ピニオンギアの軸心をギア軸中心に対してある量だけオフセットしたもの。 歯数比が大きく、大きな減速比率を得ることができる。 かみあいは複雑なため、精密な調整が必要。

ウォーム減速機
ねじ歯車(ウォームギア)とはす歯歯車(ウォームホイール)を組み合わせたもの。 減速比は1/10-1/60。 昇降装置の落下防止に用いられる。


従来は逆転機と一体だった。 近年は逆転機能が変速機に内蔵されるため、構造は簡単になってきている。

第一減速機
第一推進軸の回転力を車軸に伝える。 また第二推進軸を介して第二減速機に回転力を供給する。

第二減速機(終減速機)
第二推進軸の回転力を車軸に伝える。

(すいしんじく)

ドライブシャフト。 エンジン、液体変速機トルクを台車側減速機または車輪に伝達する。

自在継手があり、曲がり角度が自由に変えられる。 伸縮構造になっており、伝達部の距離が変わっても力を伝達できる。

(とるくこんばーた)

液体変速機の構成部品の一つ。

エンジンの回転で液体を回転させて動力を伝達させる。 トルクを変換する作用もあり、低速域で使われる。 トルクコンバータを使用する速度段は変速段と呼ばれる。

ポンプ、ターボ型ポンプ羽根車、タービン羽根車、 ステーター(案内羽根)、タービン等で構成。

流体は一般的には鉱物油が使われ、密閉容器の中におさまっている。 流れの方向を変えると低速時にトルクが増大する。

駆動軸によりポンプが動作すると油がかき混ぜられ、 油によりタービンが回される。 タービンにより被動軸が回転する。

(へんそくき)

変速を行う機器。

鉄道では気動車、ディーゼル機関車に用いられる。 液体変速機が主流。

液体変速機
流体を媒介として動力伝達、トルク変換を行う変速機。 ディーゼル機関車気動車に用いられる。 2軸間の回転比を無段階で変更可能。

トルクコンバータ歯車、クラッチで構成。

中高速度域ではディーゼル機関と動輪を直接クラッチで接続する(直結段)。 直結段は2-4段ある場合が多い。

(ゆにばーさるじょいんと)

推進軸を参照。


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