自転車ブレーキは自転車機器を参照。
(鉄道)
機械式と電気式がある。
制御は空気ブレーキが主流。
踏面(とうめん)ブレーキ
車輪の踏面を制輪子で押し付け、摩擦力で動作する。
ディスクブレーキ
車輪の内側か外側についているディスクを制輪子ではさんで動作する。
テコリンク式は圧縮空気でダイヤフラムを膨らませて止める。 電車(T車)で使われる。 油圧式は油圧を用いる。テコリンク式より応答が速い。 新幹線で採用。
電気式
電車で使われる。
蒸気ブレーキ
電車(M車)は中高速域では電気ブレーキ、低速域では機械ブレーキを使う。 T車は機械ブレーキのみ。 新幹線は中高速域では回生ブレーキ、低速域ではディスクブレーキを使用する。
発電ブレーキ
電動機を抵抗器として使用しブレーキをかける。
昭和30年代から使われている。
搭載車両は屋根の上に抵抗器が設置されている。
回生ブレーキ
ブレーキをかけることにより発生する電力を電線に返す方式。
電線の電圧が高い場合は電気を返せない欠点がある。
渦電流ブレーキ
電磁石でローターをとめる。一部の新幹線のT車に搭載される。
コンバータブレーキ
液体変速器内トルクコンバータの油の中での羽の攪拌抵抗によりブレーキ力を得る。
油の冷却機構が必要。
排気ブレーキを搭載しない車両に使われる。
バスやトラックは制動力が大きい空気ブレーキが使われる。 一般的な自動車は前にディスクブレーキ、後にドラムブレーキが使われる。 高級車、スポーツカーは前後ディスクが多い。
油圧ブレーキはペダルとブレーキの間にある ブレーキフルードで動力が伝達される。 倍力装置により踏む力は増大されてブレーキに伝わる。
バスやトラックは圧縮空気で伝達される。 油圧よりも圧縮率が高いため効率が良い。
ただしペダルを何度も踏み続けると圧縮空気が減り警報音がなる。 使い切るとブレーキが効かなくなる。
ディスクブレーキ
ブレーキディスクを2つのブレーキパッドで挟んで制動する。
制動力はドラムブレーキより劣り、倍力装置等により補っている。
キャリパーは浮動式、対向ピストン式がある。
ドラムブレーキ
金属製ドラムの内側にあるブレーキシューを油圧ジャッキで広げて制動する。
パーキングブレーキにも使われる。
放熱性に難があるほか、メンテナンス性が悪い。
エンジンブレーキ
エンジンの回転数を下げてタイヤが回る抵抗として作用させる。
エンジンブレーキ以外はブレーキペダルを踏むと動作する。 ブレーキブースターを介してマスターシリンダーのピストンが押されブレーキオイルが加圧される。 圧力はパイプ、ホースを通じてブレーキに伝わって動作する。 オイル漏れが起きても安全を確保できるように2系統に分かれている。
Anti-lock Brake System. 急ブレーキでタイヤがロックした際、自動で解除、動作を繰り返し グリップ力を回復させる装置。
ABSがない場合で急ブレーキをかけると車がスピンすることがある。
ASDブレーキ。1960年のチキ5500(コキ5500)で始めて採用されたブレーキ。
K制御弁をA制御弁に変更。付加空気だめを使用し階段緩めが可能。 圧縮空気の込め不足が解消されている。
積空の切替は当初は手動、のちに自動になった。
自動空気ブレーキ用の制御弁。 1928年に国内で開発された。
鉄道車両のブレーキ方式のひとつ。
1964年からタンク車、ホッパ車に採用されたブレーキ。
制御弁はK弁、ブレーキ力は差動ブレーキシリンダへの配管を切替え、 積車時と空車時に2段階に変化させる。
作動は自動と手動がある。
荷重の大きい雌雄貨車ではKSDブレーキが標準。
Main Reservoir Pipe. 元空気だめ管。 元空気だめから別の車両機器へ圧縮空気を導く空気管。
L. ブレーキの制御方法の一つ。 応荷重装置が荷重を検出し、それに応じてブレーキ力、 主電動機への電流を制御する。
電気ブレーキと空気ブレーキを併用している車両に用いられる ブレーキ制御システム。
ブレーキをかけると最初に電気ブレーキが動作し、 電気ブレーキが効かなくなってくると空気ブレーキを動作させる。
空気ブレーキの使用を減らすことにより 機械式ブレーキの磨耗をおさえることができる。
自動車のエンジンブレーキと同じ原理。 液体変速器を直結段に入れ、エンジンの回転抵抗をブレーキとして用いる。 弱めのブレーキ力を得られる。
ブレーキの一種。 鉄道では電気指令式空気ブレーキが主流。
トラック等の空気ブレーキは空気が充填されるとブレーキがかかる。
鉄道はトラック等と逆で、通常は管に圧縮空気が充填されている。 管から空気を抜くとブレーキがかかる。
コンプレッサーから供給された圧縮空気は各車両の空気タンクに運ばれる。
運転室でブレーキ操作をおこなうと管から空気が抜かれ、空気タンク内の空気が管へと逆流する。 逆流空気が三圧力式制御弁を通過すると流れが変わり、空気がブレーキシリンダへ送られ、ブレーキが動作する。
電磁直通空気ブレーキ
直通ブレーキを電磁弁で制御するもの。
故障時にそなえて自動空気ブレーキ等と併用される。
CLEで使われる制御弁。
ブレーキ管、定圧空気だめ、供給空気だめと接続される。
ブレーキ管(BP)圧が低下し、定圧空気だめ(CR)圧がBP圧を上回ると弁が動作、 SRタンクからの圧縮空気が応荷重弁に入力される。
指令圧力を受けた応荷重弁はブレーキダイヤフラムに圧縮空気を送りブレーキが動作する。
自動空気ブレーキに使われる機器。
二圧式制御弁とも呼ばれる。 ブレーキゆるめ、ブレーキ、重なり(保持)の3つの動作をとる。
K三動弁
1905年にアメリカのウエスチングハウスで開発された。
日本では1970年頃まで製造された。
AB制御弁
1932年に標準化された。
編成に引きとおしたブレーキ管(Brake Pipe:BP)に定圧空気を充填するとブレーキが緩む方式。 管を減圧するとブレーキがかかる。 1872年実用化。
古い客車、貨車に採用される。
運転士がブレーキ弁を操作するとBPの空気が排気される。 この際各車両の補助空気タンクから空気が送られるが、 三動弁のはたらきにより空気はブレーキシリンダに送られ、制輪子を車輪に押し付ける。
また列車分離時も空気が排出されるためブレーキが動作する。
直通付自動空気ブレーキ
蒸気機関車、ディーゼル機関車にみられるブレーキ。
単体走行では直通だが、貨車や客車を牽引する場合は自動空気ブレーキに切り替えることができる。
鉄道車両のブレーキ部品の一つ。 車輪に押しつけて摩擦により回転を減速または静止させる。 これを用いるブレーキは踏面ブレーキと呼ばれる。
かつては鋳鉄が使われていた。 その後無機材、金属粉を合成樹脂で成型した合成制輪子が普及。
在来線はブレーキ頻度が多いため合成制輪子が使われる。 特急や多雪地域を走る列車は焼結合金が使われる。
SAP. 直通空気ブレーキ、電磁直通空気ブレーキでみられる空気管。
圧縮空気を編成に引きとおした直通管(SAP)を介して各車のブレーキシリンダに送り、 制輪子を車輪に押し付ける。 列車を分離するとブレーキが不能となる。
SAPに異常があるとブレーキが動作しなくなる。
古い方式で単車によく使用された。
機関車重連時に別の機関車の単機ブレーキが動作するように引き通しされる管。
電気信号で空気ブレーキを動作させる方式。 2つの方式がある。 ともに信号を喪失した場合は非常ブレーキがかかる。
アナログ方式
各車両に演算装置が置かれる。
ブレーキ制御器からの電気信号を演算装置で圧力に変換する。
空気の供給は電空変換弁による。
デジタル方式
2進法の信号により弁を制御する。
圧力制御弁による。
自動空気ブレーキの欠点である長編成での応答悪化を改善したもの。
各車両にブレーキ弁と連動する電磁弁を設置、 編成全体に均等にブレーキがかかるようになっている。
込め制御弁、ゆるめ電磁弁により圧力を調整する。
空気漏れ、列車分離の際にブレーキは作動しない。
気動車で使われるブレーキ。
機関ブレーキをかけた状態で排気管出口の遮断弁を閉じ、 エンジンを圧縮器として作動させる。 ピストン上面に圧力が作用してクランク軸の回転抵抗が増す。 この間燃料噴射は停止する。機械ブレーキの2倍のブレーキ力を得られる。
圧力を伝達する液体のこと。
油圧ブレーキ、液体変速機等に使われる。
ブレーキオイルとも。 自動車の油圧式ブレーキに使われるオイル。グリコール系が主流。
日本の自動車のブレーキフルード規格は アメリカのDOT規格に準じている。
リザーバータンクに入っており、マスターシリンダーを経由してブレーキに至る。
吸湿性が高いため長期間使用すると空気中の水分を取り込んで劣化する。
寿命は2-4年とされる。