10族元素


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10族元素

9族元素 11族元素

28Niニッケル nickel
46Pdパラジウムpalladium
78Pt白金 platinum
110Dsダームスタチウム

ニッケル

(にっける)

銀白色の金属。展性、延性に富む。 コバルトと性質が似ている。 強い磁性をもつ。

隕石地球内部に多く含まれる。

主要鉱石は珪ニッケル鉱、紅砒ニッケル鉱、硫鉄ニッケル鉱等。 酸化物を炭素で還元して得られる。 不純物はが多く、銅との分離が重要になる。

鉱石は硫化鉱、酸化鉱に大別される。 硫化鉱は地金、酸化鉱はフェロニッケルの原料となる。 硫化鉱はペントランド鉱、酸化鉱は珪ニッケル鉱が重要。

ほとんどは合金として使用される。 合金としては古代から使われてきたが精錬が難しく単体が分離できるようになったのは約200年前。 水素を吸蔵する触媒としても利用される。

メッキとして最も多く利用される。

主な生産国はフィリピンロシアカナダオーストラリアニューカレドニア

産業上の重要性が高いため、日本では国家により最低60日分が備蓄されている。

体重70kgの成人の身体には約10mg含まれる。 必須性はヒトでは未確認。

ニッケル-カドミウム電池に使われる。

ウレアーゼという酵素にはニッケルが含まれる。

合金

ステンレスニッケル8%、クロム18%、残りが
白銅 ニッケル25%、75%
洋銀 ニッケル10〜20%、銅40〜70%、亜鉛20〜30%。
ニクロム ニッケル60〜80%、クロム10〜20%、マンガン1〜2%

(いんこねる)

ニッケル(50%以上)を主体とした合金。 スペシャルメタルズコーポレーション社の商標。 クロム炭素等が添加される。

耐熱性及び耐蝕性が高いが、切削加工は困難。

(にくろむ)

ニッケルクロムの合金。を含むものもある。 電熱線として使われる。

(にっける63)

放射性同位元素。ベータ線を放出する。半減期は約100年。 ガスクロマトグラフの検出器に使用される。 環境に存在するものは1960年代の核実験に由来する。

安定同位体のニッケル62の反応により生成される。

原子力発電所、加速器施設でも生成される。

(はすてろい)

Hastelloy. ニッケル合金のひとつ。ステンレス以上の耐食性をもつ。 アメリカのへインズ社の登録商標。

ハステロイB 耐塩酸用
ハステロイB-2 Bを改良したもの
ハステロイC276耐食性が高い
ハステロイC22 耐食性が高い
ハステロイX 高温環境に強い

化学プラント等に使用される。 面、火星探査機にも使用されていた。

(ふぇろにっける)

ニッケルの合金。 ニッケル品位は約20%。

白金

(はくきん)

銀白色の金属。 合金、硫化物、ヒ化物として産出される。

化学的に不活性で王水以外には溶けない。そのため精錬工程はかなり複雑となる。 融点が非常に高い。

触媒として優れた能力をもつ。 約40%がディーゼル自動車の触媒、約32%が宝飾品に使用される。

年間供給量は約200tでの約1/19。 産地は南アフリカロシア等。

化合物

(ぷらちな)

白金を参照。

パラジウム

(ぱらじうむ)

銀白色の金属。亜鉛ニッケル精錬の副産物として得られる白金族元素。 年間生産量は200tと少ない。主に+2と+4の酸化状態をとる。

主な生産国はロシア南アフリカ。2国で全体の約8割となる。 白金に付随して産出される。

主な用途はガソリン自動車の排ガス触媒プラチナ装飾品等。 投資対象としても扱われる。


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