ランタノイド


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3族元素 > ランタノイド

ランタノイド

(らんたのいど)

ランタンからルテチウムまでの15元素のこと。 周期表では3族の1箱に15元素が入っている(4f電子による)。 名前はランタンのようなものという意味。

5s,5p軌道が各元素同じなため、化学的性質が非常によく似ており分離が困難。

電子の増加は最外殻ではなく、4f軌道で起こる。 原子核の正の電荷増加により電子がひきつけられる効果の方が大きくなるため 原子番号が大きくなるにつれて原子半径、イオン半径が減少する(ランタノイド収縮)。

内殻外殻
4f5d6s
57Laランタン Lanthanum[Xe] 0 12
58Crセリウム Cerium [Xe] 1 12
59Prプラセオジム Praseodymium[Xe] 3 02
60Ndネオジム Neodymium [Xe] 4 02
61Pmプロメチウム Promethium[Xe] 5 02
62Smサマリウム Samarium [Xe] 6 02
63Euユウロピウム Europium [Xe] 7 02
64Gdガドリニウム Gadolinium[Xe] 7 12
65Tbテルビウム Terbium [Xe] 9 02
66DyジスプロシウムDysprosium[Xe]10 02
67Hoホルミウム Holmium [Xe]11 02
68Erエルビウム Erbium [Xe]12 02
69Tmツリウム Thulium [Xe]13 02
70YbイッテルビウムYtterbium [Xe]14 02
71Luルテチウム Lutetium [Xe]14 12

(いってるびうむ)

硝酸エルビウムから分離され発見された。

化合物は+3が知られる。不安定な+2化合物が存在する。 重希土類では例外的に錆びやすい。

(えるびうむ)

イットリウムから分離されて発見された元素。 桃色の+3化合物が知られている。

ファイバーにエルビウムを含ませると光を増幅できる。 またYAGレーザーの添加剤に使われる。

(がどりにうむ)

一般に+3の化合物が知られる。

7個の4f軌道のおのおのに1個ずつ電子が入っており 希土類元素で最大の7の不対電子を持つ。 この不対電子に依存して磁気モーメントが最大になる特徴があり、 用途が多い。

ガドリニウムからルテニウムまでは重希土類に分類される。

約20度で強磁性になる。

全元素で最も熱中性子を吸収するため 原子炉の制御に使われる。

(きどるいげんそ)

レアアースを参照。

(さまりうむ)

1879年にフランスのボアボードランがジジミウムから分離・命名されたが、 実際には多くの不純物が含まれていた。

比較的地殻に多く、希土類元素では4番目。+3の化合物が知られる。

永久磁石に用いられる。 ネオジム磁石があらわれるまではサマリウム系磁石が最強だった。 ネオジムと比べると扱いやすいが高価なため小型機器に使われる。

排気ガス浄化等の触媒に使われる。

放射性のサマリウム147は半減期が1080億年あり太古の年代測定に利用される。

(じじみうむ)

Didymium. 1839年にモサンダーがランタンから分離した物質。 初期の周期表にはジジミウムの記号Diが載せられていた。

1885年にオーストリアのウェルスパッハがジジミウムから プラセオジムネオジムを分離した。

(じすぷろしうむ)

ホルミウムと思われていた物質から取り出された元素。

ネオジム磁石の使用可能温度を高めるために重要な元素。 中性子を吸収しやすく、との合金が原子炉に使われる。

(せりうむ)

地殻には希土類元素中最も多く含まれる。 ランタノイドで最も早く発見された。ただし純粋なセリウムを得るには時間がかかった。 バストネサイトからとれる。

希土類では唯一+4が安定している。+4のときは 4f軌道の電子が空になる。+3の化合物が一般的。+3のセリウムは4f電子を1個もっており常磁性の性質をもつ。

酸化セリウムはガラスの研磨剤に使われる。

セリウムに電子ビームをあてると青色に発光するためブラウン管に利用された。

YAGにセリウムを添加した黄色蛍光体を青色LEDの補色とし、 白色LEDが開発された。

(つりうむ)

ホルミウムと同時に発見された。 希土類では地殻に最も少ない元素。 うすい緑色の+3化合物が知られる。 レーザー、蛍光体、ファイバーの光増幅に使われる。

(てるびうむ)

化合物は+3が一般的に知られる。+4は酸化物と フッ化物で存在する。 他に+4が準安定な希土類はプラセオジムのみ。

テレビのブラウン管の緑色を出すのに利用された。 また合金が光磁気ディスクに使用される。

(ねおじむ)

ジジミウムから分離されて発見された元素。 希土類元素としては地殻にはセリウムに次いで多く含まれる。

金属は銀白色、空気中では酸化されて 青みを帯びた灰色になる。+3の化合物がよく知られる。

ネオジム磁石、固体レーザーに使われる。

(ぷらせおじむ)

ジジミウムから分離されて発見された元素。 金属は銀白色。空気中では酸化されて表面が黄色くなる。 工業用途は比較的少ない。

(ぷろめちうむ)

1947年にウランの核分裂生成物から発見された。 全ての核種は放射性で安定同位体はない。 地殻中の存在量は780gと推測され、事実上自然界には存在しない。

半減期が短く、最も半減期の長いプロメチウム145でも17.7年しかない。

(ほるみうむ)

エルビウムから分離されて発見された元素。 ツリウムも同時に分離された。

化合物は+3が一般的に知られている。 ホルミウムYAGレーザーに使われる。

(ゆうろぴうむ)

サマリウムと考えられていた物質から分離された元素。 軽希土中では最も地殻に少ない。

希土類で唯一安定な+2化合物をもつ。 酸化ユウロピウムがカラーテレビの蛍光体に使われていた。

月の高地にある斜長石からはユウロピウムが大量に検出されたことがある。

(らんたん)

希土類元素ではセリウムについで2番目に地殻に多い。

ランタノイドの中では陽子数が少ないため陽子と電子がひきあう力が小さい。 このため希土類元素では最も大きなイオン半径をもつ。 4f軌道に電子をもたないためランタノイドで唯一を持たず、また反磁性。

(るてちうむ)

ゼノタイムからイオン交換法で分離される。+3の化合物が一般的に知られる。 分離に手間がかかるため非常に高価。

(れああーす)

rare earth element.希土類元素とも。

周期表3族に位置する下記の17元素のこと。 ランタノイドのみの場合もある。

21Scスカンジウム
39Y イットリウム
ランタノイド(15元素)

純粋に取り出すことが難しかったため希土類という名前がつけられた。 実際の量はスカンジウム以外は比較的豊富だが、 現在もこの呼称がそのまま使われている。

鉱石はモナザイト、バストネサイト、イオン吸着鉱等。


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