イスラーム教


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イスラーム教

(いすらーむきょう)

Islam. ムハンマド(マホメット)による宗教。7世紀始めにアラビア半島で創始。

コーランが経典。聖地はメッカ。 「イスラーム」は絶対的に帰依し服従することを意味する。

アッラーを唯一神とする一神教で偶像崇拝を禁止している。 信徒はムスリムと呼ばれ、六信(神、天使、経典、預言者、来世、天命を信じること)と五行(信仰告白、礼拝、断食、喜捨、巡礼を実践すること)の義務がある。

イスラム教徒は豚肉を食べない。酒類は禁止だが、によって規制の度合いが異なる。 断食月(ラマダーン)の30日は日が出ている間は飲食をしない。

中東、北アフリカのイスラーム世界は 近代までオスマン帝国の支配にあり、違う民族や宗派が共存していた。

第1次大戦以降はヨーロッパ大国による介入により 民族や宗派の対立が激化した。 この結果、反欧米の機運が高まり、過激派の台頭が進んでいる。

(あっらー)

イスラーム教徒が信仰する唯一絶対の神のこと。 民族や人種の違いを超えた全人類の主とされる。

このためキリスト教のイエス=キリストが神の子であること、 キリスト教の三位一体はイスラーム教では認められない。

(ありー)

656-661.イスラームの第4代カリフ。 シーア派では初代イマームにあたる。妻はファーティマムハンマドのいとこ。 内乱で刺殺された。

内乱時のアリーの支持者はシーア・アリーと呼ばれ、シーア派のもとになった。

(いすまーいーるは)

シーア派の一派。バーティン派とも。

6代目イマーム、ジャーファル・アッサーディクの後継者について、 ジャーフィルの子(ムーサー)の兄であるイスマーイールが7代目かつ最後のイマームであるとする。

9世紀以来勢力を伸ばし、ムスターリー派ニザール派などが分派した。 ファーティマ朝では国教となった。

のちに分裂し、カルマド派ドルーズ派等を生じた。

(いすらーむきんゆう)

イスラーム教の戒律に反しないよう配慮された金融取引、金融商品。

利子はとらない。 豚肉、、ポルノ、賭博、武器関係の投資は回避している。

(いまーむ)

イスラーム共同体(ウンマ)の指導者のこと。 いくつかの意味がある。

(2について)
スンニ派では聖法の実行者として扱われる。 カリフ、アミール・アルムーミニーンとほぼ同義。

シーア派では指名により代々伝えられる神と人の仲介者。 アリーの後裔に継承される。 聖法をもたらすことはない。

誰をイマームとして認めるかで派が分かれる。

(うらまー)

イスラームに関する諸学問を修得した学識者のこと。

(かりふ)

預言者ムハンマドの後継者とされるイスラーム世界の指導者のこと。

正統カリフ時代(632-661)

10世紀-11世紀はファーティマ朝と後ウマイヤ朝の君主がカリフを称し、3カリフが分立した。

アッバース朝滅亡後は意味を失い、1924年に制度は廃止された。

(けいじ)

人間が自分の力では知ることのできない真理が 神や超越者によって人間に開示されること。

(ごぎょう)

ムスリムが侵攻を示すために行う5つの行為のこと。 六信と対をなす。

(こーらん)

クルアーン。イスラーム教の聖典。 唯一神アッラーによる最後の預言者ムハンマドへの啓示を書き記した書物。

(ざいどは)

シーア派の一派。名前はアリーの曾孫ザイド(?-740)に由来。 9世紀に成立。

教義はスンナ派に近い。 イエメンに信者が多い。

(ざかーと)

(0).喜捨。 喜んで財物を寄付すること。

(1).救貧税。 ムハンマドの死後にとして法制化された。 穀物、家畜、金銀、商品等を所有するイスラム教徒の財産に課せられる。

(さらーと)

五行の一つ、礼拝のこと。 毎日5回決められた作法で決められた時間内に祈りを行う。

モスクキブラの方向へ向いておこなう。

(じはーど)

イスラーム教徒の信仰と共同体を守るための聖なる戦いのこと。 もともとは神のために自己を犠牲にするまで努力することを意味していたが、 近年は異教徒との戦いの意味で用いられることが多い。

(しゃあばーん)

離散の月の意。 ヒジュラ8番目の月。

ラマダーンに向けて準備をするのに大切な月。

(しゃーりあ)

コーランムハンマドによって示されたイスラーム教の規範の体系のこと。 イスラーム教の国の国内法はシャリア法に基づいてつくられる。

女性の権利制限に関する法律が多く存在する。

(しーあは)

少数派。シーアは党派の意。 ムハンマドの娘婿である4代目カリフのアリーとアリーの子孫のみを イスラーム世界の正統な指導者として認める。

(じゅうにいまーむは)

シーア派内の主要宗派。 ジャーファル法学派とも。

アリーを初代イマームと認め、男系子孫を第12代ムハンマド・アルムンタザルまでたどる。

第12代は872年または874年にガイバに入り、以後現在まで長期の隠れの期間に入っているとされる。 イマームは世の終末に再臨(ルジューウ)するとされる。

イマームが隠れている間は法学者(ファキーフ)だけが信徒に指示を与える役割を果たす。

(すーふぃずむ)

イスラーム教の神秘主義のこと。 8世紀後半以降の現象。

(するたん)

イスラーム王朝の君王のこと。

ガズナ朝のマフムードがこの称号を用いたことがある。

実質の始まりはセルジューク朝のトゥグリル・ベクが 1058年にアッバース朝カリフ、カーイムから授与されたことに始まる。

その後ルーム・セルジューク朝、マムルーク朝(エジプト)、オスマン朝で使われた。

オマーンブルネイ、マレーシアの首長がこの称号をもつ。

(すんなは)

多数派。スンナは慣行の意。 ムハンマドの伝えた慣行と共同体の秩序に従う人々。 ムハンマドのあとの4人のカリフを全て正統なカリフとして認めている。

四学派があり、信徒はこのうちのどれかに従うものとされている。

(にざーるは)

イスマーイール派の分派。

第8代カリフにイマームとして任命されたがのちに廃されたニザールを支持した。 ハサン・サッバーフにより勢力が拡大したが、13世紀なかばにモンゴルに滅ぼされた。

子孫はホジャ派として存続。

(はでぃーす)

ムハンマドの言行(スンナ)の記録、または記録集のこと。 アラビア語で伝承の意。

イスナードとマトンで構成される。

(はむさ)

ファティマの手とも。 中東で伝わる護符。

(はらむ)

禁じられているものの意。 イスラーム教の生活全般においての指標の一つ。

(はらる)

許されているものの意。 イスラーム教の生活全般においての指標の一つ。

(はらーる)

イスラーム法で合法な食材を使った料理。

豚肉とアルコールは使われない。 上記のものを含んだ調味料、だしも使用できないため、醤油も使わない。

牛、羊、鶏の肉は使えるが、教えにのっとった方法で食肉加工されている必要がある。

適合する食材にはハラール認証マークがついている。

(はーれむ)

イスラーム社会の上級家庭にみられる妻妾の居室。 近親者以外の男子は出入りできない。

(ひじゅら)

メッカで迫害を受けたムハンマドとその信仰者たちが622年にメディナにのがれた出来事のこと。 ムハンマドはメディナで共同体を形成してメッカと戦い、630年にメッカを征服してイスラーム教の聖地とした。 イスラーム世界はヒジュラのあった622年を元年とするヒジュラ(イスラーム暦)が用いられている。

(ふーしは)

イスラーム教ザイド派の武装組織。 本拠地はイエメン

2017年頃からリヤドやサウジアラムコの施設攻撃を開始した。

(まふでぃー)

導かれた者の意。

救世主(メシア)の意でも用いられる。

(むすたーりーは)

ムスタンシルの死後、イスマーイール派から分裂した派。

第9代カリフ、ムスターリーを支持した。 現在はポホラ派として存続する。

(むすりむ)

イスラーム教教徒のこと。

(むはんまど)

570頃-632。イスラーム教の開祖。 アッラーの最後の預言者とされる人物。

40歳頃に天使ガブリエルからアッラーの言葉を伝えられる。 以後20年にわたり啓示を受ける。それを記した書物が聖典クルアーン

622年に迫害によりメッカからメディナに逃れる(ヒジュラ)。 そこで教団の形成に成功して勢力を盛り返し、630年にメッカを奪還、聖地とした。 のちにイスラーム教の教えに基づく国家を形成しアラビア半島を統一。

(めぶれびーきょうだん)

13世紀に小アジアのコンヤで興った神秘主義教団。 スーフィズムをかかげる。 創始者はルーミー。

ルーミーは多くの詩をつくり、踊りにより神との一体感を得ようとした。

(もすく)

礼拝堂。イスラーム教徒が礼拝を行う建物。 もともとは「ひざまずく場所」を意味する。金曜日に集団礼拝が行われる。 現在のモスクには聖地メッカの方角を示すくぼみ(ミフラーブ)がある。

(らまだーん)

イスラームにおける9月の月名。 神聖な月で五行の一つである断食(飲食と性行為の禁止)が行われ、日中は飲食が禁止される。


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