鉱物 > 硫化鉱物
金属元素と硫黄の化合物。 重金属の主要鉱石は大部分硫化鉱物として産出される。
pyrite. FeS2.
鉄の代表的な硫化物。多くの岩石に含まれる。 見た目が金に似ている。 半導体の性質があり、鉱石ラジオに使われたこともある。
色は真鍮黄色。 結晶は立方体、八面体、五角十二面体等。
空気中ですぐに変色分解するものと長年あまり変化しないものがある。 空気中で分解すると鉄の含水硫酸塩と硫酸が生じるので注意が必要。
かつては硫酸の原料として使われていたが 現在は石油精製時の硫黄を原料とするため用途はほとんどない。
chalcopyrite. CuFeS2.
銅の鉱物。ほとんどは黄銅鉱から得られる。 新鮮なものは黄銅色、錆びると黒褐色になる。 結晶は四面体が主。
stibnite. Sb2S3.
アンチモンをとるほぼ唯一の鉱物。 結晶の造形がすばらしく世界的に有名とされる。 新鮮なものは鉛灰色、空気で長く放置すると輝きを失う。
黄白から白色の酸化物に置換されることがある。 これは黄安華と呼ばれる。
Ag2S. 銀の主要鉱物。立方晶系。
金属光沢があり黒灰色。浅熱水鉱床の石英脈中に産する。 室温では針銀鉱に転移する。
MoS2. モリブデナイト。 モリブデンの主要鉱物。六方晶系。
淡鉛灰色のやわらかい板状、短柱状の結晶。
Cu2S. カルコサイト。 銅の主要鉱石。斜方晶系。硫化鉱物。
色は黒灰色。
As4S4. リアルガー。硫化鉱物。
鮮やかな赤色をもつ。 亜ヒ酸、顔料、花火の原料として使われる。
cinnabar. HgS.
古代から顔料や防腐剤に使われた鉱物。深紅色。 古代は丹と呼ばれ、不老不死の霊薬とされていたこともあった。
日本では北海道イトムカ鉱山、奈良の大和鉱山で採掘されていた。 丹生という地名はかつて水銀を産した場所。
As2S3. オーピメントとも。 天然のヒ素の硫化物。 石黄は誤訳が定着したもので、中国では雌雄と呼ばれる。
単斜晶系の硫化鉱物。黄色または帯褐黄色。 樹脂状の光沢がある黄色の結晶。
有毒。 火山、温泉沈殿物に含まれる。
顔料に用いられたが、有毒のため現在は使われない。
ZnS. 亜鉛の鉱物。通常は四面体結晶。等軸晶系。
純粋なものは白、鉄分が増えると緑、黄、褐色、黒になる。
紫外線、X線により蛍光を発する。
Cu5FeS4. ボーナイト。クジャク銅鉱とも。 銅の硫化鉱物。銅の主要鉱石。斜方晶系。
色は赤銅色だが空気に触れると赤紫色に変化する。
galena. PbS.
鉛のとるほぼ唯一の鉱物。 新鮮な方鉛鉱は鉛灰色。空気中では皮膜ができて光沢が鈍くなる。 野外に放置すると硫酸鉛鉱、白鉛鉱となる。
鶏冠石を参照。