神経系作用薬 > 末梢神経系作用薬
自律神経作用薬の一種。 アドレナリン受容体に直接作用して交感神経興奮と同じような作用をあらわす薬物。
受容体選択性 | ||
エピネフリン | α1 α2 β1 β2 | (アドレナリン、エピペン) |
ノルエピネフリン | α1 α2 β1 | (ノルアドレナリン) |
イソプレナリン | β1 β2 | |
フェニレフリン | α1 | |
サルブタモール | β2 | |
ドパミン | α1 β1 | |
ドブタミン | β1 | |
リトドリン | β2 | |
エフェドリン | α1 α2 β1 β2 |
アナフィラキーの進行を医師の治療を受けるまで一時的に緩和する薬。 エピペンはファイザーの製品名で、一般名はアドレナリン(エピネフリン)。
ペン型の容器に薬液と注射針が内蔵されている。 大腿部前外側に強く押しつけて投与する。
運動神経系に作用する薬。 中枢性と末梢性に区分される。
中枢性
脊髄の神経路介在ニューロンを抑制、筋の異常緊張を抑制。
呼吸筋は麻痺しない。
パーキンソン病の筋固縮、中枢性のけいれんに用いられる。
抗不安薬のジアゼパムにも筋弛緩作用がある。
トルペリゾン |
クロルメザノン |
バクロフェン |
末梢性
運動神経と骨格筋の神経筋接合部に作用、一時的に運動麻痺を起こす。
外科手術時の筋弛緩、骨折の整復や脱臼補助に用いる。
呼吸筋が麻痺するため使用時は人工呼吸器の準備が必要。
ツボクラリン | 競合型 |
パンクロニウム | 脱分極性 |
スキサメトニウム | 脱分極性 |
アドレナリン受容体を遮断して交感神経機能を抑制する薬物。
α遮断薬 | フェントラキン |
プラソジン(α1) | |
ブナソジン(α2) | |
β遮断薬 | プロプラノロール |
ピンドロール | |
チモロール(点眼薬) | |
メトプロロール(β1) | |
ラベタノール(α、β) |
アセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼの作用を阻害する薬。 コリン作用薬を参照。
一部は不可逆的にアセチルコリンエストラーゼを阻害し、 有機リン化合物と呼ばれる。 農薬(マラチオン、スミチオン)、サリン、ソマン、タブンが該当する。
これらの中毒の治療にはプラリドキシム(PAM)とアトロピンが使われる。
アセチルコリン受容体を遮断して副交感神経機能を抑制する薬物。
(ベラドンナアルカロイド) |
アトロピン |
スコポラミン |
(合成薬) |
トロピカミド |
ブチルスコポラミン |
トリヘキシフェニジル |
ピレンゼピン |
アセチルコリン受容体に直接作用する薬物。 抗コリンエストラーゼ薬も同様の作用をするためコリン作用薬に含まれる。
コリンエステル類 |
アセチルコリン |
ベタネコール |
抗コリンエストラーゼ薬 |
ネオスチグミン |
エドロホニウム |
フィゾスチグミン |
その他 |
ピロカルピン |
交感神経、副交感神経両方の神経節を遮断する薬物。 作用は優位に支配している神経機能の逆の反応となる。
ヘキサメトニウム |
トリメタファン |
神経障害性疼痛治療薬。商品名はリリカ。
異常に興奮した神経系において興奮性神経伝達物質の放出を抑制する。 NSAIDsが効きにくい神経痛に効果が高い。
α2δ(アルファ2デルタ)サブユニットに結合することによりカルシウム流入が低下し、 興奮性神経伝達物質の放出が抑制される。
神経の興奮をしずめ、神経障害による痛み等を緩和する薬。疼痛治療薬。 商品名はタリージェ。
シナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットに結合、 興奮性神経伝達物質の過剰な放出を抑え鎮痛するとされる。
副作用はめまい、眠気等。