蒸気機関車


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蒸気機関車

(じょうききかんしゃ)

蒸気機関により走る機関車。 テンダー機関車、タンク機関車がある。

ボイラーで発生した蒸気はシリンダーに送られ、中のピストンを動かす。

蒸気の流れ

運転は機関士と機関助士の二人で行う。 機関士は操作、機関助士はボイラーへの石炭投入、水投入を行う。

電力はタービン発電機で供給される。 前照灯、運転室照明、運行管理機器に使われる。

国鉄最後の定期旅客列車牽引はC57 135でおこなわれた。 区間は北海道の室蘭-岩見沢間。

C、Dどちらも旅客、貨物両方の用途に使われた。

タンク

軸配置
C102-6-41929-1962
C112-6-41932-1975
C122-6-2

テンダー

8620
9600

軸配置
D502-8-2
D512-8-21936-1975
D522-8-2
D602-8-4
D612-8-4
D622-8-4

軸配置
C502-6-0
C514-6-2
C52
C534-6-2
C544-6-2
C554-6-2
C562-6-0
C574-6-2 1937-1975
C582-6-2 1938-1973
C594-6-2 1941-1970
C604-6-4
C614-6-4
C624-6-4 1948-1973

タンク式
機関車本体に水と石炭を積むスペースがある。

テンダー式
石炭と水を炭水車(テンダー)に積む機関車。

1928年に鉄道省が制定した形式。

記号動輪の数
B2
C3
D4
E5

形式番号
10-49タンク機関車
50-99テンダー機関車

1909年に制定された形式

下4桁 動軸 種類
1-999 2 タンク
1000-39993 タンク
4000-49994以上タンク
5000-69992 テンダー
7000-89993 テンダー
9000-99994以上テンダー

8

1914年製造開始の国産蒸気機関車。旅客用。672両。

先輪と第一動輪は心向棒により結合されており、動輪が横に動く構造。 これにより小曲線(80R)の走行が可能。

1913年から製造開始された国産初の量産大型蒸気機関車。幹線貨物用。テンダー式。 770両。

軸重のわりに能力が高いため、支線貨物、入換にも使われていた。

火格子面積を大きくとるために火室の火床を動輪の上に置く設計になっている。 出力が高くなったが重心が高い。動輪も小さいため最高速度は遅い。

C

1929年に製造開始した蒸気機関車。23両。 性能は高かったが軸重が重いため、地方路線には入線できなかった。

動輪径は1520mm。

1932年から製造されたタンク式蒸気機関車。 381両生産。

C10の改良型として設計された。C10よりも軽量。 1975年まで運用、客貨両方に使用された。

先輪が1軸、従輪が2軸あり(1C2)、前後どちらに走行しても安定した走行が可能。

動輪は3軸。 動輪直径は1520mm。

動体保存

1932年製造開始のタンク式小型蒸気機関車。地方路線用。282両。 動輪は1400mm。

C10をベースに簡易線用として設計された。 1973年頃引退。

1929年製造開始の機関車。 8620の改造形。8620より車体重量が重くなっており、入線できる線は限定されていた。

154両。また樺太庁鉄道向けに別に4両がつくられ、1943年に鉄道省に編入。

四国以外の全国で使われた。

先台車に問題があったためC58の登場後は入換用に使われることが多かった。

前期型と後期型がある。

1919年製造開始の蒸気機関車。国産初の本格旅客用。289両製造。

登場時は18900形と呼ばれており、1928年(最後の製造年)にC51形に改称。 動輪サイズは1750mmで当時世界最大だった。

1966年に全機運用終了。

1926年に輸入されてきたアメリカ製の蒸気機関車。初期の名称は8200形。6両。

3シリンダ式。炭水車は国産。

1927年製造開始の蒸気機関車。 C52を参考に国産化したもの。97両。 3シリンダー車。重量が増加した客車を牽引できるよう設計された。

東海道本線、山陽本線で特急、急行を牽引した。

構造が複雑等の影響があり早期に廃車された。

炭水車は1949年にタキ1600(40t積)に改造された。16両。

1931年製造の蒸気機関車。C51の後継として製造。 空転、牽引力不足の問題があり、他の機関車と比べると早く廃車された。

1935年製造開始の蒸気機関車。C51の後継として62両製造。 動輪径は1750mm。

急行旅客用。 全国に配置された。北海道用、九州用は独自の改造がなされた。

九州用はデフレクターが門鉄型に改造された。

一次、二次、三次形がある。 二次形は流線形として製造されたが、のちに標準形に戻されている。

1935年製造開始の小型蒸気機関車。地方路線向け。160両。 C12をテンダー化し、石炭と水の搭載量を増やしたもの。

後進時の視界を確保できる設計だが、従輪がないため脱線が多発する欠点があった。

1937年製造開始の蒸気機関車。 C55の改良型。地方路線用。201両製造。

当初はC55-63として製造されたが改良箇所が多いため新形式となった。

四国以外で優等列車牽引用として使われた。

動輪はスポーク動輪からボックス動輪に変更。

1次形から4次形まである。 動輪はスポーク動輪からボックス動輪に変更。

1938年製造開始のテンダ式蒸気機関車。客車、貨車兼用。427両製造。 軸配置は1C1。

動輪直径1520mm。

客貨両用。旅客は主にローカル線で使われた。

北海道では石北、釧網、根室、函館本線(札幌近郊)で使われた。

1941年製造開始の機関車。173両製造。 C53の後継。

車軸配置は4-6-2。2シリンダー。

特急、急行の牽引に使われた。 C62登場語は東北、九州で使われた。

127号機は重油用に試作改造された。

1953年より改造。C59を改造したもの。47両。 従台車を1軸から2軸に変更し、軸重を軽減した。

1971年全廃。

1948年製造開始の機関車。旅客用。49両製造。

最大出力は1620PSで蒸機ではD52に次ぎ二番目。

旅客機関車不足を補うため余剰になっていたD52のボイラーを転用している。 足回りはC59を使用。 自動給炭装置付き。

車軸配置は2-C-2、ハドソン。 動輪径は1750mm。

初期は東海道本線、山陽本線で使われた。 電化後は軽軸重化改装を受け、北海道、東北、中国地方に渡り、急行を牽引した。

北海道では急行大雪、アカシア、まりもの函館-小樽間を牽引した。

D

1923年製造開始の大型蒸気機関車。 初期の名称は9900形で、1928年にD50形に改称。 9600の後継として開発された。380両製造。

動輪は1400mm。軸配置は1D1(ミカド)。 動輪軸重は14.70t。最高速度70km/h。

室蘭本線ではD50登場後、2000tに代わり2400t石炭列車が運行を開始した。

1936年製造開始の機関車。貨物輸送用。 最も多く生産された機関車。 1次形から4次形まである。1115両製造。

軸配置は1D1。 動輪径は1400mm。動輪周出力は1280PS。最高速度85km/h。

最大動軸重は14.3tに下げられ、D50では入線できなかった丙線に入ることが可能。

主に貨物輸送に使われていたが、貨物専用ではなく旅客もおこなっていた。

一部は改造されC61D61となった。

1943年製造開始の機関車。貨物用。285両製造。 D51を改良したもの。 1200t列車の牽引が可能。

出力は最大1660PS。日本の蒸気機関車では最大の出力を誇る。 ただし戦時設計でつくられたため所定の性能は発揮できなかった。

戦時設計の影響で1945年に3件、1954年に1件のボイラー破裂事故が発生した。

戦後は戦時設計部分が見直され再生産が開始された。

晩年は北海道の五稜郭に配置された。 1972年に用途廃止。

一部は改造されC62D62となった。

1951年改造開始の機関車。貨物用。 D50を改造したもの。両数は78両。

軸配置を1D1から1D2に変更、 軸重を軽くすることにより地方線区に入線できるようになった。

北海道では池田に配置された。

1959年製造開始の機関車。貨物用。6両。 地方線区用にD51の従台車を2軸に改造したもの。

国鉄最後の形式の機関車。

軸配置は2-8-4。

D61 2から6の運転台は密閉型。

主に北海道、留萌で使用された。

1950年製造開始の機関車。 D52の従台車を2軸に改造したもの。 軸配置は1D2。

(えんかん)

ボイラーの中を通る管。燃焼ガスが通り、ボイラー内の水を暖める。

(かげんべん)

蒸気をシリンダに送る量を制御する弁。蒸気溜の中にある。

運転室の加減弁ハンドルを用いて操作する。 ハンドル操作はリンク機構を介して弁に伝わる。

(かしつ)

石炭を燃焼させる部屋。

下部には火格子がある。 灰殻は灰箱に落ちる。

全面に穴が開いており、煙管と接続する。

(かねつかんよせ)

ボイラーにより暖められた蒸気を集め、300度の過熱蒸気に変える装置。 蒸気は加減弁から送られ、作られた過熱蒸気は主蒸気管に送られる。

過熱管が束ねられる。

過熱管は大煙管の内部に配置されている。

(ぎゃくてんき)

走行装置のひとつ。 シリンダーに入る蒸気量を制御し、 前進、後進、蒸気の締め切り率の調整を行う。

締め切り率は%単位。段階はなく無段階。

逆転ネジにより操作する。

(くろすへっど)

ピストン棒と主連棒を接続する部品。 往復運動を回転運動に変える。

クロスヘッドの上には「すべり棒」があり、 クロスヘッドが前後に移動する際のガイドとなる。

(じくはいち)

動軸とその前後の車軸の数の組合せのこと。

1C1の場合は1は先輪、Cは動輪、1は従輪の軸数。

ホワイト式は世界で一般的な表記。1軸につき車輪2つとして数える。

国鉄表記ホワイト式アメリカ式
1C 2-6-0
1C12-6-2
1D12-8-2ミカド
2C 4-6-0

(しゅだいわく)

フレームとなる部分。 左右に2枚あり、2枚の間には中間体が取り付けられる。

前後に前台枠、後台枠が取り付けられる。 下部にはばねを介して車輪が取り付けられる。

(しゅれんぼう)

シリンダーの動力を動輪に伝える部品。 動輪とはクランクピンを介して接続される。 クランクピンの位置は動輪中心から少しずれている。

主連棒が取り付けられる動輪は主動輪と呼ばれる。

主連棒は連結棒の外側に取り付けられる。

(じょうきだめ)

ボイラーで作られた飽和蒸気が集められる部分。 ボイラーから蒸気管を通じて送られる。

内部には加減弁がある。

(せんりん)

機関車動輪の前にある小型の車輪。 機関車がカーブに入ると先輪が先に曲がり、台枠もそれに従って動く。 これにより動輪を適切に接地する。

主に蒸気機関車にみられるが、旧型電気機関車でも装備している場合がある。

旧型電気機関車の場合は先輪の上にデッキを設置することが多かった。

(たんすいしゃ)

テンダー式蒸気機関車に常時連結される車両。 上部に石炭を積む。下部は水タンクになっている。

大型機関車では自動給炭装置が装備されている。 日本ではC62で採用。

(てんしゃだい)

ターンテーブル。 鉄道車両の方向を変えるための設備。

(どれーん)

駅停車中、絶気運転時にシリンダー内に溜まった水を排出する作業。 蒸気が冷めることにより発生する。 ドレーン弁から排出される。

(ぴすとんべん)

主蒸気管から送られてきた過熱蒸気の流入場所(前か後ろ)を決める弁。 動輪の動きに連動する。


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